*+ASTRAY+*

食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

機動戦士ガンダムSEED palatine 05「潜入~ダイブ~」

何処かの青い海。

太陽に照らされきらきらとまばゆい光を放ち、澄み切った青い空に浮かぶ真っ白な雲が広がっていた。

彼女は邸宅のテラスに出て海や空をぼおっと眺めていた。

もう、どれくらいこうやって過ごしたのだろうか?

でも、別に、いい。

”あの人”がいるから。

ソフィアとの約束を果たすために、協力してくれている少年が、いてくれるから。

「・・・ミス・千鳥」

ノックと共に聞きなれた女の声。

「・・・いいわよ」

大きな扉が開き、黒いスーツ姿の女が入ってくる。

彼の部下で、彼女の身の回りの世話をしているサビーナ・レフニオだ。

「お茶の時間です、こちらでよろしいですか?」

「・・・うん、紅茶じゃなくて、その・・・南国で飲むような、トロピカルジュースがいいな」

「・・・かしこまりました、ただいまお持ちします」

そう言うとサビーナは静かに部屋を出て行く。

彼女――千鳥かなめは潮風を浴びながらただ、そこにいた。



「いないね・・・その、レナードって人」

「うん・・・」

オーブのプライベートビーチでぷかぷかと浮かぶ浮き輪に身を任せながらステラはフェイトの赤い瞳をじっと見る。

「・・・・特殊戦も空からいろいろ探してみるみたいだけど・・・この調子じゃデ・ダナンのパーティどころか、管理局に荷物を取りに行く事も出来ないね・・・」

「うん・・・」

憂鬱げにフェイトは溜息をついた。

「・・・ねぇ、フェイト」

「何?ステラ」

「・・・お腹すいた」

沈黙。

ステラはえさを待つ子犬のように目を光らせる。

「・・・ああ、海に入って半日経つんだ・・・」

フェイトは空を見上げ、まぶしそうに目を瞑る。

「お腹、すいた・・・」

「・・・はいはい、わかった。・・・・それじゃあ、上がろうか」

「は~い!」

浮き輪を持ってさっさと泳いで戻っていくステラ。

かなり、早い。

多分、オリンピック選手と同じくらいの速度は出ているだろう。

フェイトは苦笑いを浮かべ、浜に戻った。

フェイトが浜に上がるとステラが「はやくはやく!」と飛び跳ねながら手を振る。

ふと、微笑むが、パラソルの下に切れ目の女性が読書にふけっているのを見つけた。

「いつの間にいたんですか、レイスさん」

”ミスリル”のスパイ、コードネーム”レイス”は本を閉じる。

「いちゃいけないのか、ハラオウン執務官?」

「いえ・・・別に、そういうわけではないです」

レイスはじっとフェイトを見つめ、立ち上がる。

ズボンのポケットからディスクを取り出すとフェイトに渡す。

「・・・このオーブ国内の、邸宅をレモンがあたってくれた。
 そしたら、ここが上がった。
 私はこれから調査に行くが、どうする?」

レイスは小声でそっとフェイトに耳打ちする。

「・・・ここに、ミスタ・レナードがいるんですね?」

「あくまで可能性だ。
 そのディスクの情報は20時間前のものだ。
 気付かれてすでにいないかもしれない」

レイスの漆黒の瞳をフェイトは見つめた。

同じくレイスもフェイトの深紅の瞳を見つめる。

「・・・わかりました、行きましょう」

「そうか。・・・・で、あっちのライダーはどうするんだ?」

レイスが目を向けたのは「はやく!はやく!」とはしゃいでいるステラだった。

「・・・・先にご飯を食べましょうか。
 あの子、優秀なんだけど、・・・」

困った笑みを浮かべながらフェイトはビーチを走った。

ステラはレイスに気付いたのかフェイトになにやら言っている。

「・・・変装した方が良かったのか?」

レイスはフェイトとステラを見て、そう思ってしまった。



「・・・ねえ、白嵐」

「・・・なに?雪風」

天堂宮の一角にある草原で、雪風は双子的存在の白嵐を呼んだ。

「・・・、シンのこと・・・相談、白嵐」

「・・・少佐と、大尉のこと・・・なの?雪ちゃん」

こくりと頷く雪風。

「深井大尉の、精神のこと、でしょ?」

「そう・・・・また、”不可知戦域”のときに逆戻りしそうで、恐い」

”不可知戦域”に閉じ込められ、なんとか脱出できたものの撃墜され、雪風は中核を”メイヴ”へ移した。

それと同時に深井大尉、当時中尉を射出、”スーパーシルフ”をメイヴの機関砲で放った時の事。

・・・あの時の深井大尉に戻ってしまいそうだと雪風は思っていた。

自分がシンと出会い、よく遊んでもらうようになると大尉はどこか冷たい笑みで自分を見ていた。

「・・・・そっか、ねえ、雪ちゃん?」

「何?シロ」

愛称で呼び、じっと雪風を見つめる白嵐

「そういうのは、本人がどうにかすべき。私たちが――戦闘知性として深井大尉に何らかの対策を施しても、意味はない。
 洗脳しても、いずれは元に戻ってしまうから。本人が乗り越えられれば、それでよし。
 乗り越えられなかったら、そのまま植物状態や自閉症・・・だよ」

”戦闘知生体”――それが、彼女たちだ。

ブレインチップを持った深井大尉を洗脳するのはたやすい。

だけど、”洗脳”という魔法は使ってもいずれ溶ける。

「・・・それに、反則だよ・・・知性として、人間の問題に介入し、知性としての能力を使うのは・・・」

白嵐は素直に思う事を言う。

「この際に計算とか戦術云々から抜け出して、雪ちゃん」

「・・・?」

「計算とか、戦術や戦略から離れて、”人間”として、存在する・・・」

それが、自分たち”戦闘知生体”が望んだこと。

自分の目と足で情報を集め、人として、世界を守る。

「私たちは、”妖精”じゃなくて、人なんだから、誰だって間違えるし、迷うから」

白嵐の銀色の瞳は雪風を真っ直ぐ見つめた。

迷いの微塵も無い、透き通った銀色の瞳が雪風を易々と射抜く。

「シロ・・・」

「自分のパートナーをあまり甘く見ないようにね、雪ちゃん。
 今度は雪ちゃんが捨てられる番かもよ?」

そう言い、笑ってみせる白嵐。

雪風は”人としていることの難しさ”を知った気がした。

何度も自分は彼を裏切り、傷つけ、挙句の果てには捨ててしまったと見て取れる”ベイルアウト”までしてしまった。

それでも、この私を信じてくれる彼を、今度は私が信じる番なのではないか?

――この問題は”人”としてまだ短い時間しか生きていない雪風には難しい問題だった。



「・・・リインフォース?」

「・・・はい、我が主、アリア」

黒髪の少女は邸宅の自室で目の前に現れた人たちを驚く事も無く見下ろす。

「私は、何をすればいいの?」

無表情に、少女は問うた。

「――貴方が決める事です。どうぞ、ご勝手に」

銀髪の女性――リインフォースは跪いたままそう言い放った。

「・・・何も、したくない。
 私はただの兵器・・・殺戮の兵器。
 人として生きれない・・・悪魔」

光の無い銀眼の瞳はリインフォースの赤い瞳を見る。

「・・・主の願いは私の願い・・・私の願いはヴォルケンリッターの総意です」

魔法陣が凛と光を放っている。

魔方陣の光が部屋を照らし、乱雑に散らかった室内を映し出す。

窓から差し込む月明かりも叶わぬ強い光だった。

私はその光景を今でも覚えている。

リインフォースやヴォルケンリッターの騎士たちはこのときのような強い光を、このとき以外で放ったことはは無い。

当時の私はそれをただ、見つめる。

右手に持った大剣(クレイモア)は黒い光を反射することなく、存在して、左手には浮いていた本――夜天の書2巻を掴んでいた光景も、感覚も、感触も覚えている。

「・・・私の願いは、貴方の願い、か・・・」

―――思いっきり、愛情を込めて、抱きしめ欲しい。

ダメなら、ずっと、私の傍にいて欲しい。

私を死の世界から連れ出して欲しい――。

ルヴルやプリシラがいる管理外世界から逃げ出してこの世界に来ても、戦争ばかり。

私は、争いの無い、生の世界を一度見てみたい。

「・・・・・」

黒い祝福の風と雲の騎士団はただ、そこにいた。



――んんんん・・・・。

私は、まだ”死の世界”から抜け出せていないけど、とても充実した毎日だと思う。

守りたい人もいるし、大事に思ってる仲間もここにいる。

――初めて抱いてくれた”姉”はいないけど・・・。

ゆっくりと浮上する意識の中で彼女はふとそんなことを思ってしまった。

――んんん・・・・まぶしい・・・・。

窓から差し込む光がまぶしい。

手をかざして光をさえぎろうとしても、光は私の思考の中に入ってくる。

――んんんんん・・・・・眠い・・・だれ?電気つけたの・・・。

<主!!>

「ふぇっ!?」

私はサイドデスクに置いてあったインテリジェントデバイス、”ギラティナ”の合成音を耳にすると飛び起きた。

ギラティナを見つめ、微笑む。

そして、空を見る。

青天。

雲の上にあるこの要塞から見る空はいつも晴れている。

フェアリィにいたときは、任務の時しか見れなかった景色。

ゆっくりと下を流れる雲を見ながら頭をくしゃくしゃと掻く。

数分たつと、Yシャツの下に下着をつけただけという格好で寝てた私はベッドをおりて、空間モニタを出した。

――本日も通常任務。

今日はいい天気。

「ふぁああ~あ」

あくびをしている間も目だけは空間モニタと”ブレインチップ”から流れるデータにざっと目を通す。

「今日の出撃は――特殊戦8番機と、ウルズ3か・・・」

空間モニタを切り、ブレインチップが眼球に送るデータを閉じる。

背伸びをしながらYシャツを脱ぎ、洗濯室に続くダストへ放り込む。

下着もダストに放り込み浴室に入る。

「リインフォース」

シャワーのバルブを開けて振り返り、扉の外にいるリインフォースの名を呼ぶ。

「なんでしょうか、主」

いつも通りの優しい音色。

その声を聞いて私はうっとりしながらシャンプーのボトルに手を伸ばす。

「おはよう、基地内で気配消して歩くのは”あいつ”だけで充分だからね」

「・・・申し訳ありません、主。
 遅れて申し訳ありませんが、おはようございます」

「はい、おはよ」

シャンプーでかつては髪の色素が落ち、銀髪になっていた黒い髪を洗う。

この髪が銀髪のときの思い出は、苦いものばかりだ。

だれもが私を避けて、同胞の者たちは私を罵ったり殺意を込めて睨み、恐怖の視線で私を見る。

わずか5歳という若さで戦士最強の地位まで上り詰めた私は、どこにも帰る場所など無かったし、守るものも無かったから、とてもさびしかった。

「今日は、ミンクスとバルディッシュが出撃予定よね。ブッカー中佐から資料を持ってきてね。
 あと、昨日の作戦、偵察の報告書を、ハックしてきて」

私は上官のブッカー少佐のコンピュータをよくリインやフォルテにハッキングを行わせ、偵察情報などのデータを入手している。

ただ、流石に私はあまり機密に関わるようなデータは取ったりしないので、ブッカー中佐はただ肩をすくめるだけで特に何も言われていない。

「承知しました」

「・・・ちがうでしょ?」

「了解」

「違う」

「ヤー」

「よろしい」

軽くリインフォースがお辞儀をしているのがクリアガラス越しに見える。

その後私は、シャンプーの泡をシャワーで丁寧に落としながら憂鬱な気分を味わった。

これも、私、アリア・マティアス―――もとい、藤原優香の日常だった。



フラッグの基地の中で、相馬透は初めて自分が所属する事になった部隊の人たちとであった。

小隊長の八木澤宗次、サポートの瀬川みのり、そして小隊のパイロットたち。

どの人も個性豊かで、学生時代を思い起こしてしまった。

透は久しぶりの笑顔で一日を過ごしたが、次の日の朝、フラッグの宿舎を出ると足取りが重く、憂鬱な顔だった。

『ステッペンウルフの最後の活動が終わったら、一緒に会社を立ち上げないか?』

今、そう言ってくれた親友はいない。

フラッグのマークをつけた、改造機に、殺られた。

――こんなおれの為に、あいつは死んでいってしまった。

無意識にアボートした後、目にした光景が鮮やかに思い浮かんでしまう。

『どうだ?』

『ああ、こいつはもうだめだ』

フラッグの武装隊員が言った意味を、くらくらする頭の中で透は理解する。

脳死(フラットライン)してしまった。

死んでしまった、こんなおれをかばって。

サポートの月菜も、武装隊員に拘束されていて、こちらを見ると目を伏せてしまった。

――こんな私があんな提案をしたばかりに・・・。

月菜はそう言いたげに目を伏せていた。

おれは言葉が出なかった。

透は溜息をつきながらはるか上を重たげに流れる灰色の雲を見上げた。

どがっ!

鈍い衝撃。

自分の足元に、ぶつかったであろう少女がいた。

「あ・・・えっと、・・・ごめん、なさい・・・」

目を伏せて言う少女。

この街にはそぐわぬアッシュ・ブロンドの髪をポニーテールにして、深い海のような澄んだ青い瞳。

「あ、こっちこそ・・・」

反射的に誤ってしまう。

少女は何か言いたげに自分の顔を覗き込んでいるが、口を開かなかった。

「お~いっ!雪風っ~!」

人ごみを掻き分けて進んでくる深紅の瞳の少年。

透は足元にいる子が雪風という名の子なのだろうと思った。

しかし、雪風とは――また不思議な名前を。

「シンっ!」

ぱあっと少女は顔が明るくなり、ばっと駆け出す。

黒髪の少年は雪風を抱えると「すみませんでした」と軽く礼を言ってきた。

「いや、おれもぼおっとしてたし」

「ほんとにすみませんでした!」

少年はもう一度礼をすると人ごみの中に消えて言ってしまった。

「・・・」

透は再び歩きはじめるとどんよりとした灰色の雲を見上げた。



「ったく、危ないから手を離すなって言っただろ?」

「ごめん・・・」

フラッグの施設の前でシンに怒られた雪風はしゅんと肩を落とす。

目を伏せて、「うう・・・」と唸る雪風。

シンはなんとなく死んだ妹を思い浮かべてしまう。

髪の色も性格も違うのに、何でだろう?

シンは頭を振って雪風の頭をなでる。

「ごめん・・・・なさい・・・」

上目遣いにシンの顔を見る雪風。

「次からは気をつけろよ」

「・・・ヤー」

そう言うと姿勢を正して敬礼する雪風。

今はシンも雪風も軍服の上に<ミスリル>の刺繍入りコートを身に着けている。

ワイヤードの調査をしてもらってる深井大尉や藤原中尉も同様である。

「さてと、出向扱いなんだから、わかってるよな、雪風?」

「はい、わかってます、サー」

雪風の返事を聞くとフラッグのビルへシンは足を踏み入れた。



「こっちのネットは何だか思いっきり活気があるね、中間地点がないだけやっぱり楽なのかしら」

優香は仮想のビルの上であきれたように声を上げる。

「中間がないから、サイト探すのが大変そう・・・」

白嵐もあきれたように呟く。

この世界のワイヤードは中間地点がないため、普通の街のような構造になっている。

親しみやすいが、サイトの開設位置によっては移動にかなりの時間を費やす事になる。

ただ、中間地点での迷子者がいなくなるだけましなわけだが。

「中間で迷子の案内何回やらされたんだろう・・・・レイン」

親友の名前を口に出して、ついつい同情してしまう。

この世界は移動の時間が短くなるように各種交通機関も再現されているようである。

知らない人が来れば、リアルと思ってしまうほどに、完成度が高い。

「・・・」

零は静かに神経挿入口から入ってくるデータに目を通しているだけである。

ビルの正面を見ていれば活気あふれる都会だが、路地側を見れば薄汚い取引を見ることが出来るこの場所。
「なんか、リアルすぎても困るよね・・・これでファーストの街なのよね?」

最大8時間といえど、そんなに長時間ログインしっぱなしでいられる人も少ないだろうに、なんでみんなバーチャルへやってくるのだろうか?

盛大に優香は溜息をつく。

すると零が静かにデータを閉じ、保存。

「そろそろ時間だろう。セカンドとばれて、モルモットにされたくないだろう?」

8時間潜る訳にも行かないので5時間と決めている。

フラッグの隊規定では確か3時間だった――と思う。

優香はそんな事を考えながら「そうね」と答える。

「さっさとシンと合流しようか」

「うん」

白嵐の手を引いて零のいる、屋上の入り口まで歩く。

「「「ログアウト(離脱)」」」

3人はプロセス(手続き)に身をゆだねた。



「出向?」

「ああ、とある部隊から腕利きが来るそうだ」

小隊長の八木澤宗次が書類をひらひらと振りながら言い放つ。

「どれどれ?だれだれ?」

小隊のパイロット、カイラ・キルステンがわざと胸を揺らすようにして歩き、書類を小隊長からひったくる。

「”ミスリル”作戦部所属シン・アスカ少佐、深井零大尉、藤原優香中尉、深井澪少尉、藤原桐香少尉」

声に出して読むカイラ。

「へ~、女難ってやつかしらね、多分」

面白そうと顔で言いながら書類をサポートのみのりへ。

「はい?」

ざっとみのりは目を通すと「へえ」と声を漏らし、隣にいた透へ書類をほいと渡す。

「ん?」

渡された書類を見て透は目を細めた。

「・・・」

深井澪――あの、雪風と呼ばれた少女の写真が書類に載っている。

アッシュ・ブロンドの髪、澄んだ青い瞳、・・・間違いない。

そういえば――あの子が着ていたのは軍服だった。

白いコートを羽織っていたものの、間違いない、軍服だ。

――ウーーー、ウーー―――。

透はアラートの音で我に戻る。

「っ!?」

みのりがさっさとコンソールに座り、キーをすばやく打つ。

「隊長!ポイント34のサイトにハッカー!」

「わあってるよ、さっさとはじめるぞ!」

「「「「了解!」」」」

操縦席がある別室へさっさと透達は移動し、ジャックイン。

ログインプロセス、開始。

透の意識は現体(リアルボディー)からシュミクラム(戦闘用ツール)へ移動した。



シンと雪風は手近にあったコンソールからログイン。

零たちと合流に成功、ポイント34のハッカーを追っていた。

ECSのお陰で相手には気付かれていない。

『とりあえず、情報管理係第一小隊の動きを見てから、だね』

雪風が自身の機体、”アイギスガード・シューベルト”を走らせながらシンに問う。

「ああ、わかってる!いいなっ!?」

シンも自身の機体、”パラテインデスティニーセカンド”を走らせながら答える。

『『『ヤー』』』

シンは体をとにかく前へ、前へ進める。

「くそ、結構早いな・・・改造(チート)か?」

『おそらく、な』

零が素っ気無く返してくる。

『でなければ、弱虫(チキン)、ね?』

優香が含み笑いをしながら言ってくる。

サイトを駆けずり回りながら索敵をする。

・・・といってもメイヴやアイギスガードシリーズのように情報収集等を得意としているわけではないし、メイヴより索敵距離が短いのだが。



アイギスガードシュベルトを走らせる白嵐は敵のサポートの目を欺くために、いろいろジャミングやマスキングをかけていた。

――気を抜いたら指揮権が・・・。

現在、このサイト周辺のセキュリティは白嵐の手中にある。

が、少しでも気を抜いてしまえば相手のサポートに指揮権を取られてしまいそうだ。

決して白嵐が馬鹿なわけではない、相手のサポートの実力が高いのだ。

「くっ・・・」

白嵐は知らないに歯噛みをしてしまう。

・・・と?

例の小隊のログインを感知。

「第一小隊確認。
 コンタクトを取りますか?少佐」

『ああ、頼むシロ』

「ヤー」

白嵐はセキュリティのコマンドを入力しながら第一小隊のサポートに通信を繋ぐ。

『・・・こちらフラッグ。武装を解除して立ち去れや』

呑気な男の声。

『おれたちはミスリル作戦部から派遣された傭兵だ!』

シンは妙に気迫を込めて言った。

『・・・・おっとぉ?』

(隊長?)

(ああ)

直接会話(チャント)でシンの返事を聞くと白嵐はIFFその他を発信。

『こりゃ失礼、少佐殿』

無事送信完了。

『こいつら、どうしますか?隊長』

『ん?ああ、今此方からもシュミクラムが行っている。友軍だからな、撃つなよ』

『了解』

通信途絶。

さっさと処理して白嵐はコマンドを打ち続ける。

『攻撃開始!』

シンの号令で攻撃が開始される。

藤原優香中尉の操る、大きな機械の翼を持った機体、メイヴセイバーは宙返り、スフィアを撒き散らして抜剣。

3Dのような煙を掻き分けて突き進む。

深井零大尉が操るメイヴアインは構造体の高台を占領し大型砲撃砲で砲撃を放っている。

シンが操っているパラティンディスティニーセカンドは深紅の翼を広げて跳躍、手のひらの”パルオキマフィーラ”を放つ。

「結構数が多いね・・・あっっ!?」

慌てて回避して手持ちのハンドガンを発砲。

「ふぅ・・・雪ちゃん、こっちはしばらく動けそうに無いよ・・・支援要請」

コマンドをひたすら打ちまくる。

正直言って広域魔法連続発動よりきついかもしれない。

『ヤー。・・・コマンド代わろうか?』

雪風がフェイスモニター越しに言う。

何処か心配そうな表情である。

「大丈夫。相手は”ベイダ”を使ってないみたいだから」

プログラム語源”ベイダ”が使われていたら、雪風やテッサからの支援が必要になってしまう。

なぜかといえば元々は戦術偵察機。

その巨大なデータを人間のちいさな脳に全て収まりきれず、計算にも支障が出てしまうのだ。

そのため、雪風や白嵐は緊急時にメイヴへアクセスできるようになっているが、ここは管理外世界。

それにこの世界ではインターネット技術が発達している。

ハッキングや盗聴等の心配が出てくるので使用できないのである。

無論、”ベイダ”の使用は可能だが、長時間の使用は出来ない。

『・・・わかった、頑張ってね』

雪風は小さく頷いてシンや零のサポートに戻っていった。



「うぉりゃあああ!」

シンは拳で敵機を殴りつける。

敵機を空高く打ち上げ、ランチャーや散弾砲を打ちまくる。

「くそっ・・・!」

人が死んだというのに現実感がしない事にシンは少し苛立ち、同時に困惑した。

『敵機接近。スターボード。回避。ナウ』

雪風から指示が飛ぶ。

指示通り回避し、パルオキマフィーラを見舞ってやる。

『終了です。レーダーレンジ内に敵シンボルなし。・・・第一小隊がいるようですけど』

シンをはじめミスリルのシュミクラムの頭部(センサ)が第一小隊のシュミクラムを見とめる。

『・・・短時間でこれだけやったの・・・!?』

『・・・・』

『何なんだ・・・こいつら』

暗号回線を使っているのだろうがシンたちには筒抜けの驚いた声。

『・・・どうする?少佐』

優香が少しおどけた声を発する。

「どうするもこうするも・・・ログアウト(離脱)だろうな・・・。
 白嵐、セキュリティの制御権を渡してやれ」

『ヤー』

一方的に制御権を譲渡。

『完了しました、少佐』

「よし、アンカー(離脱妨害装置)は無いな?」

『ありません』

フェイスモニタに映る白嵐は青い瞳を輝かせて報告。

『・・・おやつ頂戴』

と、付け加えて。

「おやつ了解だ。さっさと戻るぞ」

シンが微笑んでそう言うと4人は『ヤー』と大きく返事をした。

『ログアウトプロセス(離脱手続き)起動』

雪風が少し含み笑いをしながらプロセスを起動した。




あとがき


用語はバルドフォース及びバルドスカイから。

間違ってたら報告ください。

修正しますから。

ふぅ・・・

冒頭のかなめにはあまり意味はなし。

ただ、一応出してみた。

フラッグの皆さん、出番なくてごめんなさい・・。
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://tinatuinoue.blog37.fc2.com/tb.php/253-3a86f4d2

左サイドMenu

プロフィール

ヒカリさん

Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
http://pr.fc2.com/hikarisan/
プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

~所有ゲーム~

DS
・わたしのリラックマ (積みゲー)
・シムシティDS2 (進行中?)
・おいでよ どうぶつの森 (進行中?)
・ポケットモンスターダイアモンド (殿堂入り完了)
・スーパーロボット大戦W(VSゲイツ戦フルメタルートまで)
・大合奏バンドブラザーズ (マスター攻略中)
・ポケモンレンジャーバトナージ (積みゲー)

PSP
・PATAPON!2 (積みゲー)
・初音ミク Project DIVA (ハード攻略中)
・初音ミク project DIVA2nd
・魔法少女リリカルなのはA's (クリア済み)
・魔法少女リリカルなのはA’sGod(クリア済み)
・モンスターハンターポータブル2ndG(積み)
・最後の約束の物語(セレス√攻略中)

GBA
・ポケットモンスタールビー (クリア済み)
・ポケットモンスターサファイア (クリア済み)
・ポケットモンスターエメラルド (クリア済み)
・ポケモンダンジョン 赤の救助隊 (積みゲー)

PC
メイプルストーリー (進行中)

好きな言葉はSylphid(シルフィード)、Sylph(シルフ)、Maeve(メイヴ)ASTRAY(アストレイ)

ついったー

最近の記事

最近のトラックバック

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

リラックマ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メイプルウォッチ

スカイガールズ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

バロメーター

QRコード

QR

当サイトについて

当サイトはヒカリさんが運営するサイトです。 本来は日記としてこのブログをつけていましたが、現在はクロスオーバーSSもあり。 コメントの嵐は迷うことなく消去させていただきます。 成りすましコメントや、スパムといったものも消去対象となりますのでご了承ください。 SSは作者や製作会社には一切関係ありません。

現在閲覧者数

同じくバグから復活させました、以前のバグは・・・?

現在の閲覧者数:

来訪者数

復活しました。以前のバグは何だったのだろう・・・

右サイドメニュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。