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食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

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機動戦士ガンダムSEED palatine 06「飛刀~フェタオ~」

「ミスリル作戦部より出向いたしましたシン・アスカ少佐です」

フラッグ情報管理係第一小隊の面子の前でシンは胸を張って言った。

「同じくミスリル作戦部より出向しました深井澪少尉と申します」

「ミスリル作戦部より出向いたしました、藤原桐香少尉です」

「ミスリル作戦部より出向しました藤原優香少尉ですっと・・・」

「ミスリル作戦部より出向、深井零大尉・・・」

ミスリルの定番となりつつある面子が頭を下げる。

零だけは目礼だったが。

「ミスリルっていう組織には階級が存在するんですか・・・」

第一小隊サポートの瀬川みのりがメガネのフレームを指でくいと上げながら言う。

「はい、指揮系統が混乱せぬように、ピラミッド型の組織形態となっていますが、とくに軍規が厳しいわけでもなく、上官を殴っても軍法会議になるような事はありません。
 あるとしても、上官のお咎めだけです」

雪風――ここでは澪と名乗っているが――がみのりを静かに見据えて説明する。

「わぁ・・・」

みのりは感心したのか、雪風の姿を見つめる。

「ん?」

零は少し眉を顰めて第一小隊のパイロットである透を見る。

「ああっ!」

零の目線を追ったシンはいまさら気付いたようで驚きのあまり叫んでいた。

零は静かに「五月蝿い・・・っ!」と、言いたい様にシンを睨む。

「うわぁ・・・」

零の静かな黒い瞳に込められた意味を察したシンはぞっと身震い。

「お~い、俺たちの事忘れてないかぁ~?」

そこに呑気な声が乱入。

「あ~、すみません、八木澤隊長。こいつら馬鹿同士で仲がいいんですよ」

にこにこと笑いながら優香が言い放つ。

「・・・ただのアホ同士。」と、ここでは桐香となのっている白嵐があきれたように言った。

「アホというか馬鹿というか・・・ほんとに先鋭の兵なのかな・・・もしかしたら、スフィア(偽者)?」

雪風は制服のポケットに入っているデバイスを意識しながら静かに疑問符を出す。

「かもしれないね、雪ちゃん・・・じゃなくって、澪、ちゃん・・・」

白嵐は慌てて口元を押さえる。

「・・・やっぱり、君は昼間の・・・」

そこに口を挟まなかった透が口を開く。

「あ・・・」

「だよな、ほんっとに、すまん!」

「・・・やっぱりか」

唖然とする雪風と誤るシンと確信する零。

零はスフィアにストーキング(追跡)させていたようである。

「・・・変態戦士」

優香が溜息混じりに言う。

ストーキングなんて、恥ずかしいまねを・・・。

白嵐はそう思って肩をすくめ、「馬鹿ばっかり」と言ってしまう。

「深井大尉、何でストーキングなんてしたんだ?」

「いや、ただ――」

「雪が心配だったんだって、シン」

優香が零の代わりに代弁すると、零はむぅっと黙り込む。

第一小隊の面子はぽかんと、その場を見据えた。

「・・・あの~、雪ちゃんって?それに、透さんと何か?」

口を開いたのはみのり。

ポカンと見据えていた小隊の面子もみのりの台詞で我に返る。

「・・・少佐?どうしましょうか」

雪風がじっと赤い瞳を覗き込みながらシンの返事を待つ。

その間にも何気にチャントでいろいろ喧嘩が繰り広げられていたりする。

「あ~、説明するしかないんじゃないか?」

「・・・不本意ですが、ヤー」

そう言うと雪風は向き直る。

白嵐も同様。

「私たちは、とある事情で名前を伏せているんです。
 アスカ少佐や深井大尉はそのまま巣の名前ですが、私たち二人は偽名です。
 ・・・私たちはこれから本名を明かします、この場にいる者はこのことを口外しないでください。
 お願いします。他の人には、言わないで」

雪風の言葉に困惑の表情を出す小隊の面子。

「何で偽名なんかで入隊する理由があるの?」

小隊パイロットのカイラが眉を顰めて口を開き、「だよな」と、同じくパイロットの柏木洋介。

「・・・それは機密に関わるので言えません」

雪風が無表情に言う。

無言の圧力に「むぅ・・・」と唸ってしまうパイロット紫藤彩音。

「わかった、言わない」

八木澤隊長が珍しく真剣な表情で答えた。

無言で雪風は頷く。

「・・・私の名前は、コードネームB‐1、パーソナルネーム、雪風」

「私はコードネームB‐3、パーソナルネーム、白嵐」

「・・・ん?どーいうことだ?」

透が目をぱちくりさせて問うた。

「えっと、その・・・機密です、はい。
 とりあえず、澪でも雪風でも好きにしてください、・・・外で雪風と呼ばれては困りますが」

事務的な淡々とした言葉。

雪風は真っ直ぐ小隊の面子を見据える。

周りは、静かに、ざわめきも無くなる。

「・・・了解だ、少尉殿」

小隊長の返事だけが部屋に響いた。



「ステッペンウルフ・・・」

<イエス・マイロード>

ある邸宅から数十キロ離れた場所にフェイトとステラはいた。

「・・・バルディッシュ?」

<イエス・マスター?>

機械的なデバイスの声が暗い夜に響く。

「気付いてるかな・・・?」

「わからない」

呟きに似た会話。

「ステラ、わかってるよね?」

「うん、わかってる。千鳥かなめを奪還し、帰還する事。
 奪取が無理ならば、できる限り情報を集めて帰還すること」

昼間と打って変わり、やわらかさの欠片も無い声色。

ステラの霞色の瞳は鷹のように鋭い、戦士の瞳になっていた。

そして、手に持ったデバイス、”ステッペンウルフ”。

近代ベルカ式を採用しているデバイスで、高価なインテリジェントデバイスでもある。

「それじゃあ・・・お仕事始めようか」

「ヤー」

フェイトは呟くように「いこうか・・・バルディッシュ」と、自嘲気味に言うと、白いマントをはためかせ、空へ飛び上がった。

ステラも後を追う。

「レイスさんとの合流ポイントは・・・わかるよね」

横に並んだステラを見やりつつフェイト。

「うん・・・わかる。セカンドだし」

そう言う間にもステラはネットを活用しいろいろと情報を集めている。

ブレインチップを持たないフェイトには出来ない芸当だ。

「そっか・・・」

「・・・ん?」

ステラは眉を顰め、ウィンドウを新たに開く。

「どうした?」

フェイトの言葉にも耳を傾けず意識を半分ネットへ。

「・・・気のせいかな・・・今バルディッシュのアイス(防壁)の前に誰かいた気がする・・・」

「?」

フェイトは不思議そうにステラを見つめる。

ステラはそんなフェイトに気付いたようで「今、バルディッシュの防衛システム前に何かいた・・・ハッカーかもしれない」と説明。

「ハッキングッ!?どうしよう・・・見つかったかな」

「わからない、所属不明。量産型のウィルスに見えたんだけど・・・」

「そっか・・・」

しゅん、と肩を落としながらも警戒は続ける。

「飛行中だから、ストーキング出来なかった・・・ごめん」

ステラは素直に謝る。

もし、ウィルスが既にバルディッシュの防壁内部に入ってきていたら?

そうなれば・・・・バルディッシュは暴走か機能停止。

フェイトの身にも何が起こるかわからない。

絶対に・・・・追い払わないと・・・。

ステラはステッペンウルフの格納領域からワイヤード(有線)の線を取り出し、ニューロンジャック(脳細胞挿入口)にジャックイン。

「フェイト・・・少し私の現体をよろしく」

ログイン・・・ステラの意識はネット世界へ。



ステラはバルディッシュのアイス前にいた。

周りを見渡しても・・・シュミクラム一機どころか、電子体さえもいない。

まぁ、人のチップのアイス前まで来る人などいないだろう。

・・・ハッカーを除いて。

誰も入るはずが・・・あった。

小さく何かが光っている。

ステラはシュミクラムに移行(シフト)し、そのきらりと輝く何かの元へ走った。

・・・ちいさな探査端子だった。

「・・・ストーキングか・・・」

詳しい事は分からない。

普通なら検索をかけるが、あいにく半分意識を現実(リアル)へ傾けているため、検索をかけるほど余裕が無い。

ステラはそれを指先でつまむとくしゃりと潰した。

他にはとりあえず、無いようだ。

ステラはさっさと離脱(ログアウト)した。




ミッドチルダ首都クラナガン。

そこにミスリル創立者、テレサ・テスタロッサは来ていた。

「・・・メリッサ」

「何?」

駅前を歩きながら横目でテッサを見やるメリッサ・マオ大尉。

「これから行くところは、少し汚い商人が集まる場所です。
 ・・・装備を確認しておいてください」

「了解」

護衛として付いたマオとフィン・キルヒアイス中尉は二人で首を傾げつつ装備を確認。

腰のホルスターに下げている拳銃、デバイス、予備弾層を確認してから顔を見合わせる二人。

(一体誰と会うのかしら、テッサ)

(さあ・・・悪汚い商人かしら・・・いや、ありえないわよね、テッサに限ってそれは)

(ええ・・・何かしら?)

チャントでそんな事を語り合いつつテッサの後姿を見る。

クリーム色のコートをはためかせ、しっかりとした足取りで進むテッサ。

ときどき見えるニューロンジャックがブレインチップ保持者である事を伝えてくる。

(・・・なんか、今日のテッサ恐い・・・)

(同感。どうしたのかしら?でも、思えば恐いというより、なんと言うか・・・その・・・)

(え?う~ん、言われてみれば、そうね)

顔を見合わせながら彼女の後ろを付いて歩く。

徐々に、表から外れていき、裏通りへ向かっている。

一応まだココは人の往来が激しい。

ビルとビルの間の路地へ曲がる。

路地へ入るとすっぱい臭いが鼻をつく。

(スラム・・・?)

ゴミがあちこちに散乱ん、そのゴミ袋をくちばしでつついて中を取り出すカラス。

ところどころにある鉄の扉に耳を傾ければ少々意地汚い取引が聞こえる。

ギャンブルや違法取引、殺し依頼、武器の取引・・・そういった類だ。

(傭兵がうろついてそうな場所ね。まぁ、仕事探すには打ってつけだけど)

(そうね。私もフリーの時はこんな所に良く出入りしたな・・)

フィンは銀色の瞳を細める。

「んだとてめぇ!もっと安く出来ねえのか!」

「こっちだって商売なんだ!これ以上安くしたらおりゃあ首吊りだ!」

男の罵声が路地のあちこちから聞こえる。

ゴミ箱の傍らで古い新聞を読んでいる者もいれば、密談している者もいる。

自分たちのような、きれいな軍服を着た者たちが出入りするとは思えない場所だ。

鼻をつく異臭は入っていけば入っていくほど強くなっていく。

フィンはついつい顔を顰めてしまう。

(臭っ!)

(どんどん臭くなっていってるわね・・・げほっ!)

マオはついつい咳き込んでしまう。

訓練しているとはいえ、やっぱりゴミの臭いは嫌いだ。

ハイヒールの音に気付いて意地汚い商人たちが此方を少々嫌悪のこもった目で見つめる。

多分、現地視察か摘発か・・・そういう風に思ったんだろう。

(こいつらまとめて撃ち殺したくなってくるわ・・・)

マオがそうチャントで言いながら殺気を込めて男たちを睨む。

「ぬぉ・・っ!?」

男たちは慌ててそれぞれ商談や新聞を読む作業に戻る。

(マオ姐、やっぱすごいね~、演技美味すぎ。・・・いや、ほんとに怒ってたのか)

(そっ♪流石にあ~もじろじろ見られてちゃあねえ。デリカシーのデの字も無いわよ、ほんと)

マオは悪態をつきながら目の前のテッサを見る。

閑散とした町並みにそぐわぬアッシュ・ブロンドの髪を持つ、美少女。

コートの内側に隠れている階級章を見たら男たちは驚くだろう。

信じないかもしれない。

アッシュ・ブロンドの髪が悪汚い男たちの目を引く。

(・・・目立ちすぎじゃないかしら)

(目立ちすぎだと私も思うわ。・・・というかミッドにこんな場所があったことにビックリ)

(マオ姐、ミッドチルダといえココはクラナガン、都市よ?
 都市にスラムはつき物よ)

そういいながら参考用に別の都市のデータを送る。

(うわ・・・ほんとだ)

マオの目が右へ左へと動く。

(都市にスラムはつき物、確かにそうなのねえ)

(そっ)

と、テッサの足が止まる。

(ん?)

二人は顔を見合わせ、疑問符を出す。

テッサは誰かとチャントで喋っているのだろうか。

(テッサが何やってるか調べたいけど、あの巨大な機械がないもんねえ)

マオは前に立つテッサを見て言った。

鼻をつく異臭がとても強い。

ゴミどころか人の骨まで転がっている。

テッサは1つの扉を開ける。

「ついて来てください」

テッサは扉のノブを掴んで開けたまま振り向いて言った。

「ヤー・・・」

「ヤー。・・・テッサ、何をする気?」

マオが少々困ったようにたずねる。

「人を雇います。とっておきのホットドガー(凄腕)をね」

そう言うとテッサはさっさと扉の中に入っていってしまった。

マオとフィンは再度顔を見合わせ、扉の元へ走った。

扉の前で、建物の中を見ると、階段になっていた。

照明は・・・所々に小さいライトがあるだけだ。

(・・・よし!)

(いくよ、マオ姐!)

二人で小さくガッツポーズを取る。

そして、階段に足を踏み入れる。

一段、二段、三段・・・。

扉が重たげにぎぃぃぃと音を立ててしまっていく。

視界が一気に暗くなった、・・・扉ががちゃんと大きな音を立てて閉まる。

(・・・裏取引するには打ってつけの場所ね)

(このスラムでは良く見られる光景でしょうね・・・)

ハイヒールの音が大きく響く。

階段を降りきると、テッサが待っていた。

小さな部屋だが、照明は階段の入り口付近に裸電球がついているだけで、あとは全て、蝋燭のようだ。

暗い。

そこに男の影が1つ。

「SSS(スリースピード)さん」

テッサが凛とした声で、はっきり言った。

「・・・なんだね、お生憎お嬢様方が来るような場所じゃない」

低い男の声。

裏取引を専門にやっている男だと、マオとフィンはすぐに感じ取る。

「私は、テレサ・テスタロッサです。
 人を雇いに来ました、SSSさん」

「そうか・・・・誰をご希望なんだ?」

テッサの姿に目もくれず、淡々と喋る男。

「・・・コードネーム、MADLAX」

マオとフィンはまたも顔を見合わせる。

MADLAX?

誰?それは?

「・・・内容を説明しろ」

男は特に興奮した素振りも見せず、変わらず淡々と喋る。

「それは、本人に直接ご説明したいので・・・」

凛とした雰囲気を漂わせ、テッサは右腕を腰に当てる。

「・・・報酬は、どれくらいだ?」

「そうですね・・・まずは前金で1200ユール、あとは・・・戦果次第と、私は考えてるんですけど・・・」

男は沈黙する。

テッサは”これでどうですか”と視線で示している。

「・・・・・・いいだろう。MADLAXとは何処で合流する気だ?」

「そうですね・・・・ガサッソニカの、スレィネの喫茶店でどうでしょう」

「交渉成立、了解だ」

男が小さく含み笑いを漏らす。

テッサは小さく溜息をつくと出口に向かって歩き出す。

「・・・ありがとうございます。貴方の”娘さん”は必ずお返しします」

男に背を向けたままテッサは凛と言い放ち、さっさと階段を上っていった。



「・・・つまり、雪風の保護者は深井大尉で、アスカ少佐は面倒を見てあげてるってことか」

透は雪風の頭をなでながらぶっきら棒に言う。

「でも、ぶつかったときはホントあせった」

雪風は透を見上げるにして見つめている。

透は微笑むと、ポケットから飴を取り出して渡してやる。

「・・・ありがとう、ございます・・・」

ぽかんとした様子で透から飴を受け取る雪風。

ここはフラッグの食堂。

昼飯時からは外れているため人は少ない。

「それで、白嵐は?」

「白嵐は藤原中尉とみのりさんと一緒に外でお話してる」

この場にいるのは雪風と零、シン。

だが、シンは机の上に突っ伏して寝ていて、零はいつも通りの無言。

たから透の話し相手は自然と雪風になっていた。

「そういや、深井大尉は何で雪風ってつけたんだ?」

「雪風ってつけたのは深井大尉じゃない。
 つけたのは、ブッカー中佐。
 ブッカー中佐の考えた名前がそのままついてる」

雪風はテーブルにおいてあるスープを口に含む。

「ブッカー中佐?上官か?」

「そう、そして”私”を考えた人」

「考えた?」

透は眉を顰めて雪風を見る。

何処となくかわいらしい仕草でご飯を口に運ぶ雪風は、ご飯を飲み込んで、「忘れて」と小さく言った。

「・・・教えられない、忘れて・・・引き返せなくなっちゃうから」

顔を伏せる雪風。

アッシュ・ブロンドの髪がしなんと垂れる。

申し訳無さそうな顔の雪風。

「・・・ほんとに、ごめん」

小さく雪風は呟いた。

透はただ、「ごめん」としか言えなかった。

・・・・・ウーッ!ウーッ――

突然のアラート。

透はつい飛び上がってしまう。

「・・・・仕事だ」

零は静かに立ち上がるとシンの脇を通り抜ける。

まったく注意を払っていないようである。

シンはよだれをたらしてぐねぐねと身じろぎする。

けど、起きる気配は全くなし。

雪風は立ち上がり、小さく溜息をつく。

「・・・ウェンデ・アイシクル・・・ミニ」

氷の塊が――シンの背中に直撃。

透は目をぱちくりと瞬きさせる。

シンは流石に目を覚ましたようで、アラートに驚く。

「お仕事・・・少佐。零、いこう」

「ヤー」

雪風と零はさっさとその場を後にして行った。

「いったぁ・・・・くそぅ、雪風め・・・ッ!覚悟してろよッたく」

シンは首の関節を鳴らすと立ち上がる。

「・・・見たか?」

「・・・ああ、すげえ痛そうだった」

沈黙。

とてもとても長い沈黙。

「・・・あ~、そのうちお前もアレを喰らうようになるさ。
 よく言うだろ?きれいなバラには刺があるって」

苦笑してしまうシン。

背中が焼けるように”痛い”。

あの氷が冷たすぎて、冷たいのを通り越して痛く感じてしまう。

シンはついつい背中をさする。

「・・・大丈夫か?」

ちなみにこうしている間にもアラートは鳴り続いている。

「なんとかな。それと、今の現象は忘れてくれ。以上だ!解散!」

シンはそう叫ぶとさっさと食堂を後にした。

透はシンの姿を見送ると、やれやれと肩をすくめて走り出した。



ログイン。

パイロット達の意識が現実(リアル)からワイヤード(ネット)へ。

それぞれシフト(移行)し、シュミクラムを装備。

白い機体が透の前を先導してくれる。

「・・・あいつらが、・・・」

白い機体は光の粉を振りまいて進んでいく。

つい数時間前に、ハッカーを捕らえた者たちが、雪風たちだった。

今、ココで分かった事だ。

あのシュミクラムは、みのりにセキュリティの指揮権を渡して行ったから、誰だか良くわからなかったが・・・。

『セキュリティ・コア(防壁制御中核)の制御権取得。
 奪取の心配なし、みのりさんへ指揮権を委託します』

雪風が事務的な声を発した。

『えっと・・・セキュリティ・コア・・・?防壁中核の事?』

聞きなれない言葉にみのりは少々戸惑い気味に問う。

フェイスウィンドウに映る雪風は静かに頷いている。

『・・・転送(ムーヴ)』

雪風はそう言うとさっさとフェイスウィンドウを消してしまった。

『んっと、サポートは白嵐と雪風が前線で情報収集を行いながらサポートを行う。
 みのりは指揮権を奪われないようにコマンドを常時発信。いいな?』

再びフェイスウィンドウが現れたかと思うと、映ったのはシン。

赤く闘志を燃やした深紅の瞳が何処となく恐い。

透以外の隊員たちが「ヤー」と、了解の意を伝える。

ミスリルから来た隊員たちの返事はまるで、機械のようだと透は思う。

『おい?どうした?相馬透、聞こえるか?』

ふと、我に返り、「ヤー」と透は慌てて返答。

『よし、各機必ず帰投せよ。・・・一度言ってみたかったんだな、これが』

シンが最後に放つ言葉にどっと笑いが込み上げてくる。

誰の台詞かは知らないが、恐らく、誰かの定番の台詞なのだろう。

誰の口癖なのかは知らないが、透は思いっきり笑いたくなってきた。

『・・・目標近づく。攻撃態勢』

雪風がフェイスウィンドウも開かずに言ってくる。

シンを映したフェイスウィンドウはいつの間にか消えている。

『ヤー!』

優香の、ご機嫌のよさそうな返事。

『・・・スターボード、目標確認』

「スターボード?」

『・・・あ、・・・。右舷・・・』

白嵐がぎこちなく意味を伝えてくる。

「ごめんなしゃい・・・・」と言ってしまうのではないかと思うほど、自信の無さそうな声色。

『うし、優香?』

『はいはい、ハイマット・フルバースト用意、サー。了解しました』

優香はそう言うや否や、ビームやクラスターの狙いを定める。

『深井大尉は、砲撃と狙撃を担当しろ。いいな?』

『了解した』

零は自機の持つ大型狙撃方を構える。

『白嵐、雪風は目標から仮想五百メートルくらい離れたところで管制、誘導、情報収集行動を開始。
 カイラさんと柏木さんは前衛で戦うおれと透を援護。
 透、さっき言った通りだ。あ、優香。目標が近づいたら近接戦闘を行ってくれ』

『『ヤー』』

白嵐と雪風は即座に返事。

優香は楽しげな声色で返事を返す。

『援護ね、わかった、えっと・・・ヤー』

『ヤー!』

言い馴れないようでカイラと洋介はぎこちない。

『では各機の健闘を祈る。・・・グッドラック』

シンはさっきと打って変わって深刻そうな声色で言ってきた。

『各機攻撃開始。・・・オープンコンバット』

雪風がそう指示してくれる。

優香が装備しているシュミクラム、”メイヴセイバー”は青い光を撒き散らしてビームやクラスターを乱射。

乱射でもしっかり当ててくれる。

シンの”パラティンデスティニーセカンド”は深紅の翼を広げ、一本の巨大な剣を抜剣。

回線越しでも耳が痛くなるほど大きな叫び声を上げて、敵陣へ突っ込んでいった。

いつの間にか優香も敵陣の中で大きな剣を二本振り回していた。

さて、おれも前衛部隊だ。

透は両手に持ったハンドガンを構え発砲しながら最大機速で敵陣へ。

『藤原中尉、二時より敵機。数は二。
 深井大尉、射程に三機。いずれも接近戦用、距離二百。――』

透や洋介、カイラが敵陣に向かっている中、白嵐と雪風が指示や誘導をしている。

あの幼い外見からは想像できなかった。

想像できないほど、満ち溢れた殺気。

まだ会って数時間だが、彼女に恐れを感じてしまう透。

『透、洋介、カイラ機、急いで。
 ・・・敵機接近、数一。迎撃を』

雪風が透達を急かしながら指示する。

透は毒づきながら両手のハンドガンを発砲。

命中。

緑色の、現実味のしない煙を上げ、破片を散らす。

緑色の煙をつき抜け、さらに接近する敵機を撃破する。

・・・と?

白い何かと、赤い機体が飛び出してきた。

白い何か――デスティニーセカンドと赤い機体は対峙らしい対峙をすることなく再びぶつかり合う。

『・・・飛刀(フェタオ)・・・ッ!』

カイラが息を呑む。

確かにあの赤の機体は、事前情報のものとほぼ一致する。

『飛刀・・・データベース登録。・・・完了。
 シン、あの機体サポート機としての役割が大きいみたい』

雪風が少々口調を和らげて言ってくる。

『これでサポートだぁっ!?』

シンが、またも耳が痛くなるような声で言ってくる。

『シン、戦闘中。
 舌噛むよ・・・、サポート機でも前衛としての訓練を受けている場合もある、それ知ってるでしょ?』

『うっ・・・』

シンは戦闘機動を取りながら言葉を詰まらせる。

透は白嵐が送ってきてくれるリアルタイムデータを元に敵を叩いていた。

横っ飛びに敵機が放ってくる弾を回避、ハンドガンを発砲し撃破。

前方から突っ込んでくる敵機を透は着地して、見止める。

すぐに、真上へ飛ぶ。

着地して一秒も経っていない。

突っ込んでくる敵機をやり過ごし、着地。

すぐに向きを変える。

ハンドガンが火を噴く。

敵機は仮想の塵となってなって消えた。

後ろに頭部(センサ)を向けると赤い機体と白い機体がいまだに戦いを続けていた。

『・・・助太刀しようか?』

優香がいつの間にか透の隣にいて、低い男のような声でシンに問う。

二機は突っ込んでは弾き、突っ込んでは弾くという戦いを続けていた。

『いや、その必要はないだろう』

狙撃ポイントをこまめに変更しながら火力支援している零が、静かに言った。

『あの機体は・・・彩音か』

洋介が透の隣にやってきて、言った。

フラッグのマークをつけたシュミクラムが高速で此方にやってくる。

『彩音機確認。
 待機を』

雪風がささっと指示を出す。

しかし、彩音からの返事はない。

聞いていない、とでも言うようにシンと赤い機体の間に割って入った。

『なっ!?』

シンは撃とうとしていたビームバスターを持つ手の力を反射的に緩めてしまう。

突っかかって行こうとした赤い敵機も驚いたらしく慌てて飛び退き、回避。

その白い機体は手に持ったハンドガンを構える。

『・・・許さない・・・』

小さいが、しっかりした声。

その声には殺気が込められている。

『ちょ・・・っ』

彩音機がハンドガンのトリガーを引こうとしたとき―――。


パンッ!


何かが弾かれたような音がした。

彩音機を見ると、右わき腹に赤いペイント弾がついている。

彼女はトリガーを引いてしまっていたようだが、間一髪で敵機を射線から外す事が出来た。

「深井大尉か・・・?」

透は冷静に3機を見やりながら言った。

額から汗が垂れてくる。

拭おうと腕でこすり付けてみても、ガスン!ズズズ・・・と、鉄の感触と音しかしない。

『・・・』

近くまでやってきたメイヴアインを見やると銃口からかすかな煙が出ている。

『・・・紫藤彩音。お前が根に持つ相手ではないだろう?』

静かに、フェイスウィンドウを開かずに言った。

彩音機を見つめるアインのセンサが黒い殺気を出しながら光る。

『・・・』

『お前が戦うべきものは誰だ?』

恐れを知る男――。

透はついそんな風に思ってしまった。

『わからないなら、戦うな。
 此方の仕事の邪魔になる・・・』

零は唖然と立ち尽くす彩音機に注意も払わず通り過ぎる。

『零・・・いつからそんなに感情的になった・・?
 もうベイルアウトする事はないと思うが、危ないと此方が思ったら遠慮なくジャムと戦わせて貰うよ』

雪風が幼さの欠片もなく、言った。

赤い機体は呆然と此方を見やりながらログアウトして行った。



黒い影が見えてくる。

大丈夫、まだばれていない。

無線やチャントは使うと接近がばれる可能性があるので使わない。

「・・・」

「・・・」

フェイトとステラは黒衣を纏い、言葉もなく黒い空を飛んだ。

2人の美しい金髪が月の光に反射して輝く。

「・・・そろそろ分かれようか」

こくりと、フェイトの問いにステラが頷く。

ステラとフェイトはそれぞれ急旋回。

フェイトが邸宅の表へ、ステラが邸宅の裏へ。

そして、レイスが既に内部で情報を集めている。

レイスは今、どういう格好をしているのだろう?

メイド服だろうか?

ステラはそういう事をついつい考えてしまう。

何故かこういう事を考えると、とても懐かしく感じる。

・・・と、いけないいけない、今は任務中だ。

ステラは頭を振って私事の考えを振り落とす。

今は、任務に集中しないと。

フェイトが作ってくれる料理を食べ損なってしまう。

再び顔を引き締めステラは邸宅へ接近していった。



あとがき

あれ?

零ってこんな性格だっけ?

まぁ、いいかぁ。

少しは美味しい役(?)を持っていってもらおうか。

あと、白い悪魔たちを最近出してあげてないな~と、思ってストーリー考えるにも思いつかない。

う~ん・・・。

・・・そうだ、ヴィヴィオやヴォルケンリッターの皆さんと一緒に宗介の突込みをさせておこうか。


中間テスト勉強サボってずっとかいてましたw

おかげで、どの教科も壊滅的・・・orz


戦闘パート適当でごめんなさい・・・w
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プロフィール

ヒカリさん

Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
http://pr.fc2.com/hikarisan/
プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

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