*+ASTRAY+*

食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

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機動戦士ガンダムSEED palatine 08「VSS~バーチャル・スフィア・セキュリティ~」

「合同訓練?」

第一小隊作戦室。

隊長の言葉に早速疑問符を出したのはカイラだった。

「ああ。後々合同作戦がある。そのための訓練だ。
 わかったか?」

ミスリル側のシンや零は特に何も言うことなく書類に目を通す。

カイラは”まあ、いいか”と言うように椅子に腰掛ける。

「うむ。
 さてと、その書類よく目を通しておけよ、以上、解散」

投げやりに隊長が言うとささっと作戦室を出て行った。

ぺらり。

ミスリルの面子は無言で書類を読み進める。

ぺらぺらとページを捲る音だけがする。

(むむむ・・・まけねえぞ)

(・・・)

(私、あと1ページ)

(あと半分で終わる)

(私も後半分)

(おれも半分だ、雪風)

何気にチャントでそう言い合う。

報告書の読み速度で競争をやっているようだ。

チャントの内容が聞こえていれば第一小隊の面子も参加していたことだろう。

ところがチャントを聞くことが出来ない小隊の面子はしかめっ面でじっと見るだけだった。

目を左右に動かして読み進める。

(終わりだ)

(ふぅ、終わった)

零と優香が書類を膝の上において横目でシン達を見やる。

(此方白嵐、読み終わった)

白嵐も読み終わったようだ。

目がちかちかするのだろうか、目をこすっている。

(うわ・・・おれ後2ページもある・・・)

むっ!

読み終わった3人がじろりと睨む。

(おわった)

雪風も読み終わったようで、シンを見やる。

(うぁ・・・おれが罰ゲームか)

シンは苦虫を潰したように顔をしかめる。

一方、第一小隊の面子は、首をかしげて言葉を口にしていた。

「あいつら、なにしてんだ?」

「知るか、そんなこと」

「あたしおいて何やってんのよ」

洋介、透、カイラの順で言う。

彩音は、いつも通りの無言。

みのりはキーを打つのに必死のようだった。

「むぅ・・・一体なんだ?テレパシーか?」

「テレパシー?」

「ああ。声を出さずに会話してんじゃないのか?」

洋介はそういいながら書類に目を落とす。

「競争とか?」

カイラが豊かな胸を揺らして洋介を見る。

洋介は肩をすくめ、「かもな」と、返答。

透はむっとシンを見やる。

(やっとおわったぁ~!)

いきなり響いてくるシンの声に顔をしかめる白嵐に雪風。

(シン、五月蝿い)

(頭にきいいんときた)

軽くシンを睨む白嵐と雪風。

最近の彼女たちは幸せそうだ。

そして、それを、冷たい、冷ややかな瞳で見やる零。

優香は緩んだ頬を引き締めてその零を見た。

冷ややかながらも、微笑を浮かべる彼は、どこか寂しそうだ。

私が、リインフォースやスペツナズのみんなに出会う前みたい。

目を細め、優香は零をじっと見る。

彼が心を許せた相手といえば、私とジャック、そして、雪風。

私は特殊戦内でも沢山の隊員の相談員的なポジションだったし、ジャックは中間管理職で区内にいない時があった。

私やジャックがいないとき、零は雪風の機上にいた。

今の彼は、じっと、機上のメインモニターを見る彼の瞳より、光のない瞳だ。

「・・・」

気になる。

やっぱり、彼は変わっていない・・・・ナイーブだ、ものすごく。

いつ自我が崩壊するか、分からないくらいなのだろうか?

そう考え出すと止まらない自分に苛立って優香は唇を噛んだ。

「シン、メロンパンおごって!」

「シン、コーラ買ってっ!」

二人の妖精は上官の罰ゲームに昼飯を選んだようだ。

「わあったから、静かにしてくれよ」

苦笑を浮かべながらシンが二人の頭をなでていやる。

すると二人は、顔を赤くして俯いてしまった。

優香はその風景を見て、ただ鼻で笑った。



(いまポイント231に降下した。これより作戦行動を開始する)

暗闇の中で、金色のショートカットの髪が風になびいて、光っていた。

ステラは、通信でそう言うと自身のデバイス”ステッペンウルフ”を握る手を強めた。

(わかった。気をつけてね、ステラ)

(了解。では此方も行動を開始する。・・・フェイト、帰ったらチゲ鍋、作ってくれよ?)

(ふふ・・・了解、レイスさん)

そのやり取りに頬を緩めながらも、周りに敵がいないか確認。

「ウルフ」

<イエス・マイロード>

「ミラージュ・マジック」

魔力等を極力隠し、作戦開始。

ステラは走り出す。

この邸宅に、レナードという人物がいる・・・そいつのブレインチップから情報を盗み、殺害・・・もしくは拘束せよ。

それが、仕事、任務。

自然と足を進める速度が早くなる。

けど、音を立てない・・・立てちゃいけない。

ステラは邸宅の一室に潜入。

真っ暗。

月明かりだけが、部屋を照らすが、さすがにこの強い闇には勝てないらしく、弱弱しい。

(潜入成功。どこ行けばいい?レイス)

(ポイント225までいけ。そこに現在レナードがいる)

この邸宅の執事として事前に潜入し、調査していたレイスが返してくる。

(ヤー)

ステラも”了解”と返事して、周りをもう一度見渡す。

部屋の真ん中に巨大なコンソールがある。

近づいて良く見てみる。

「とらん・・・きらいざー・・・?」

聞いた事のない言葉だ。

一体、このコンソールは、何だ?

触れようとした途端、手を止め扉を注視した。

・・・機械の音がする。

ステラはとっさにコンソールの陰に身を隠し、ステルス魔法を注意深くかける。

扉が乱暴に開かれる。

トレンチコートを着た大男。

顔にマスクを被っている。

いや、これは、機械だ。

機械歩兵。

赤い光が灯っている。

機械歩兵・・・確か、アマルガム製は”アラストル”という機種だったな・・・は、周りを2、3度見渡し、部屋を後にした。

ふう。

ステラは用心深く部屋を見渡し、身を起こす。

音も立てずダクトに通じる板を開け、ダクトに潜入し、丁寧に板を戻した。



手に持つのは、大型のライフル。

”メイヴェン”と名づけられたデバイスを握り、零は静かに魔力をメイヴェンへ送る。

味方が落ちていく。

知ったことか。

<圧縮完了>

メイヴェンがそう告げる。

零は静かにメイヴェンを構え、スコープ越しに敵――ミッドチルダ式魔導師――を捕らえる。

敵の指揮官を確認、照準。

<的確な照準>

静かにメイヴェンが告げてくる。

ここで外しても特に戦闘に影響はない。

衝撃波で魔導師は吹き飛ばされるだろう。

「ファイア」

魔法の機動キーと、メイヴェンの引き金を同時に引いた。

赤い閃光が迸り、この戦いはベルカの勝利に終わった。

零はメイヴェンを下ろし、静かに自陣へ戻った。


ゆっくりとまぶたを開ける。

まばゆいほどの仮想の光が、目に痛い。

「おはよう、良く眠れた?」

優香が微笑しながら零を見やる。

「ああ・・・あまり良い夢は見られなかったが」

そう、あれは悪夢。

もう経験する事のない事だろう。

所詮、過去の記憶。

大した意味はない。

「そっ・・・ふぁああ、私も眠くなってきちゃったじゃないの」

背伸びしながらあくびをする優香。

豊富な胸が揺れる。

風になびき、輝く黒髪。

「明日か・・・訓練」

ふと、呟いた。

訓練、といえばあまり良い思い出はない気がする。

新型機のテストにつき合わされ、高町教導官の誘導弾に追われ、ほんとに、うんざりする内容ばかりだ。

「そうね」

ここは、以前”ステッペンウルフ”が所有していたチャットルーム・・・ちいさなサイトだ。

透が自由に使え、と言っていたので遠慮せずにこうやって使っているのだ。

草花の香りが満ち溢れ、燦々と降り注ぐ太陽の光がまぶしい。

零は身を起こす。

そして軽く背伸びをしてぼおっと、空を見る。

緑色でも、二連星でもない、仮想の地球の空が広がっている。

「ねえ、零」

「何だ」

ぶっきら棒に返す零。

それをじっと、銀色の瞳が見つめる。

「あ、やば」

優香の瞳が知らず間に銀色になっていたようだ。

優香は目を閉じて、再び目を開ける。

「やっぱだめね。妖気を長時間制御なんて」

苦笑しながら彼女は剣帯のダイトを嫌悪の瞳で見やった。

彼女がそのような瞳の輝きを見せるのは久しぶりだ。

確か・・・おれが最後に見たのはベルカ王が”ゆりかご”を使用すると言った時だった。

<深井零様。深井零様。お時間です、至急、ログアウトを――>

物思いに浸っていると機械合成音(マシンボイス)が、3時間通過を知らせていた。

「帰るぞ、優香」

零は静かにそう言うと立ち上がり、ログアウトした。

情報の残像を見取り、優香は溜息をついた。

そして、同じくログアウトした。


「アイスゥゥ!」

ログアウトするといきなり雪風の駄々捏ねに付き合わされるシンを見つけた。

「ホットケーキなのっ!」

右腕を雪風が、左腕を白嵐が強く握り締め、ぐいぐいと引っ張っている。

「いたいいたいっ!体がちぎれるっ!」

涙目で答えるシンは・・・知ったことか。

フラッグの施設内にある食堂はカフェテリア風だ。

その食堂の屋外のテーブルに零たちはついていた。

「・・・ほらほら。順番よ?どっちみち私らのもおごってもらうしね」

先ほどのテキスト読み競争でびりをとったシンは、ミスリルの面子全員のデザートと昼飯をおごる事になっているのだ。

シンの財布の中身は何気に入っているのだが、やっぱりちょっとさびしくはなるだろう。

優香が呆れ気味に溜息をつく。

「私が先ッ!」

「私だよ、シロッ!」

「「えいっ!」」

「いたいいたいいたいっいたいいたいいたいっ!」

ぐいと引っ張られ、シンは叫んでしまう。

そのシンの声、とにかく五月蝿かった。

零は静かに耳を塞ぎ、優香はテーブルの上にうずくまる形で耳を塞ぐ。

ちなみにこの叫びは少し離れた作戦室のみのりにも届いたとか。

静かになり、顔を上げてみるとそこには、フラッグの制服ではなく、別の制服を着た少女が笑っていた。

シンたちはつい顔をしかめて少女を見る。

「あ・・・すみません。ただ、つい楽しそうだなって・・・」

そう言って苦笑する少女。

「あの、貴方は?」

「あ・・・私はVSSから派遣された白瀬流香(るか)と言います」

少女は慌てた様子もなく、名前を口にした。

雪風と白嵐はじっと、流香を凝視する。

零は、横目にちらっと見ただけで、何も言わなかった。

「・・・おれは、ここの第一小隊所属のシン・アスカだ」

シンは無理矢理腕を白嵐たちから離し、睨みつけて言った。

(シン、攻撃はダメだよ)

雪風はキョトンとした顔をしながらチャントで警告を出す。

血の気の多いシンは、殺気を隠そうともしていなかった。

「そうですか・・・じゃあ、今度一緒に訓練するんですね」

そのシンの警戒心を溶かすように、柔らかい笑みを作る流香。

その笑みが、どことなくステラに似ていた。

陰謀もへったくれもない、純粋な、無邪気な笑顔だった。

(シン・・・)

(ああ)

シンはふと溜息をついてカウンターへ向かっていった。

まったく、あれでは上官というより、ただの馬鹿だ・・・と、あきれ返る優香。

「・・・シン、ホットケーキ!絶対!」

「シンッ!アイス、絶対!」

先ほどの空気を溶かすように、白嵐と雪風が声を上げた。

そして、走ってシンの後を追う。

「・・・すみません、白瀬さん」

優香が席を立つことなく頭を下げる。

そして、横目にちらりと、零を見やる。

寂しそうな瞳。

まるでひとり立ちを見送った父親のようだ。

私だけではどうしようもない・・・というか助言くらいしか出来なさそうだ、と優香はまた溜息。

頭を上げて、カウンターの方を向いて、見る。

「えっと・・・えっとぉ」

「ホットケーキ!バターとシロップ!」

「あ、ああ」

はしゃいだ2人の妖精を笑顔で見ているシン。

(私は紅茶とチーズケーキとカルボナーラ)

優香はチャントで注文を出してやる。

(わあった)

飽きれた声で返事をしてくる。

ふと、流香を見やると踵を返していた。

(おれはコーヒーとハムバン)

ハムバン好きめ、と言わんばかりに零を見ると、肩をすくめてくれた。

まったく・・・FAFにいたときはジャックがこんなこと言ってたな・・・”豆とピーチを混ぜて食べていた”と。

「毒舌」

「っ!?」

意外に、零は驚いた反応をした。

ええ、こんな事で零が驚くの!?

優香もまた驚いた表情で返した。

「?」

「意外だなぁ・・・零」

そして笑い出してしまう優香。

「何がおかしい」

「おかしいって・・・ふふふ。
 零がまさかあんなに驚くとは・・・・ふっふ!」

バンバンとテーブルを力強く叩き、腹を抱えて笑う。

零も何故か笑えた。

テーブルに戻った3人に不思議顔され、さらに笑ったのは秘密。



「はじめまして。私はVSS社長、橘玲佳です」

黒髪の美しい、怪しい瞳を持った女性が腕を組んで言った。

優香や白嵐、雪風は居心地が悪いようで、仏頂面だ。

シンも居心地の悪さに気を悪くしたが、入ってきたVSSのチームを見て何とかこらえる。

少女が二人に男が三人の五人編成だ。

「私は次が控えているので、申し訳ありませんが、失礼させていただきます」

橘社長は長い髪を揺らして部屋を去っていく。

怪しい、何処かにおう雰囲気にすっかり気を悪くしてしまった優香はチャントで愚痴を言い放っていた。

(ったく、あんな女、ジャムにくわれちまえ!)

(・・・おいおい)

(だってぇ、あんなえらそうに――)

(静かに・・・)

雪風が静かにそう告げると、「うっ・・・」と、優香が言葉を詰まらせる。

苛立たしげに眉間にしわを寄せていた。

(落ち着けって・・・)

(・・・っ!)

(うっ・・・)

シンも無言の圧力に気力を削がれ、しかも話に集中できない。

「VSSより派遣されました、白瀬流香です」

「同じくVSSから来ました、笹桐月菜です」

前に立つ少女二人の笑顔はまぶしく輝く。

シンはふと後ろを見やると、なんだか透の様子がおかしい。

「・・・おい、どうした?」

小声で話をかけてみるシン。

しかし、ただ驚いた表情だ。

「・・・月菜っ!?」

いきなり立ち上がって叫ぶ透の顔は純粋に驚いている顔だ。

機嫌の悪かった優香も驚いた表情で透を見ていた。

零はちらりと見やっただけで特に反応を示さなかったが、多分、いきなり叫ばれちゃ、驚くだろう。

「透っ!?」

目の前にいる月菜とか言う人物も驚いた様子で透を見る。

そして、いきなり走り出して――。

「うわ・・・・」

「ええ・・・・・」

月菜は透に抱きついた。

ミスリルの面子は面喰った。

それぞれ呆然と、ぽかんと見つめる。

優香は驚きながらも白嵐の視界を手のひらで隠す。

零も優香に習って雪風の視界を隠す。

「見ちゃいけないからね?白嵐」

「ん・・・わかった」

透に抱きついている月菜は周りの事など気にせずに、嬉しそうな表情だ。

ソレを見て優香が小さく警告を出す。

チャントで理由を問えば「発育に悪い」とのことで、よく意味が分からなかったが白嵐は同意する。

「透・・・フラッグにいたんだ」

「お前こそ・・VSSにいたのか」

愛のささやきに似た言葉。

「聞かないでね、聞かないでね?」

”おい、目的忘れるなよ”という表情で、白嵐に言う優香。

白嵐は頷いて優香に同意する。

今度は理由を白嵐は問わなかった。

また、「発育に悪い」と、普通に言われてしまいそうだから。

「お~い、人前で何やってんだよ~?」

シンが投げやりに何度か問いかけると、ようやく月菜は透から離れる。

笑顔は絶やさず、”また後でやろうよ?”とかって言いそうな雰囲気にシンは身震いした。

その後、怪しい雰囲気になりながらも、無事に本日の顔合わせを含めた会議は終了した。



「・・・に、しても、お前がシュミクラムを操るのか」

何時ものチャットルーム。

シンたちは、静かに話を聞く。

「うん」

あきれ返ったように透が溜息をつくと、月菜はぷぅと、頬を膨らます。

その顔が小さい子供のようで透はつい鼻先で笑ってしまう。

「なぁ、透。何故そんなに飽きれた顔するんだ?」

シンが顔の上に本を置いて、昼寝をしながら問う。

二人の妖精さんは不思議そうに月菜を見やる。

二人の視線に気付いて、笑みを返す月菜がシュミクラムで戦う事の何がいけないんだろう?

と、シンは思った。

「・・・こいつ、何故”ステッペンウルフ”でサポートやってたと思う?」

「え?何故って、サポートとしての能力が高いからじゃないのか?」

当然じゃないか?

シンはそう思う。

だが、そのシンの予想を裏切ることを透は言った。

「迷子になるからだ」

「ハイ?マイゴデスカ?」

シンはキョトンと透と月菜を見やる。

「ああ。シュミクラムで仮想骨折したんだ。
 電子体でもよく迷子になるしな」

「はぁ・・・」

雪風と白嵐もキョトンとしながら「「なんでリアルだと平気なの?」」と、声を揃えて言葉をつむいだ。

零は無言を貫いてはいるものの、時々驚きの表情が見える。

「そんな奴がどうやってシュミクラムを?
 訓練とかやって美味くなったのか?」

シンは身を起こしながら聞く。

落ちてきた本の角が太ももに当たる。

「え?うん・・・でも訓練って言ってもよく分からないんだ・・・」

「ハイ?分からない?自分でやってる事なのに?」

零も流石に驚いた面持ちで耳を傾ける。

(そ~いや、VSSのシュミクラムユーザーって、エリートだったわよね?)

(うん。エリート中のエリート。
 だけどこの子、・・・・データによれば電子体でダイブして三回のうち一回は必ず迷子になるみたいだよ?)

(それだけ迷子になるほどネットに不適合なのにエリート?
 それも、サポートではなくパイロットか・・・・。臭うな)

チャントで零の言う事に、チャンとの聞こえる全員が頷いてみせる。

チャントが聞こえない透と月菜は頷くシンたちを怪しそうに見ている。

(どうする?調べてみるの?)

(ああ・・・調べた方がよさそうだ。
 VSSとフラッグ上層部が”ワイヤードゴースト”についてなんか知っていそうな雲行きだしな)

(まだ両方とも確証は取れてない・・・でも、その勘はあたるよ、多分)

(両方が関わっていたとして、おれたちには命令に従う事くらいしか出来ないぞ?
 ワイヤードゴーストを守れ、といわれたら守り、破壊しろといわれたら破壊するしかあるまい)

(そうだね、うん)

真剣な目つきで見詰め合う5人。

「ねえ・・・なんか、恐いね」

「ああ・・・こいつら、時々こんな時があるんだがな」

洋介が言う通り、テレパシーでもしているのだろうか、と透は本気で思ってしまった。

(まぁ、調べる事に越した事はないしな。
 調べるか。白嵐、雪風、情報室データベースのアクセスキーは取得できるか?)

シンが問うと、白嵐と雪風は頷いて見せた。

自信がありそうな目つきだ。

(可能。・・・というか、こちらに出向してきた時点で、Lv1のアクセスキーを取得している)

雪風がデータを送ってきてくれた。

フラッグ情報データベースのアクセスキーはそれぞれの持っているIDがアクセスキーである。

入隊し、IDを貰えた時点で情報データベースへダイブできる、という事だ。

閲覧できるデータはLvが高くなれば高くなるほど重要機密が見れるようになるらしい。

(Lv1じゃあ、多分、VSSの情報は公になっているものくらいだと思う)

白嵐がそう言うと、雪風も頷いた。

(確かにそうだろう・・・情報データベースは多分、物理的に切り離されているはずだ。
 ・・・と言っても、回線が切断されているだけで通信機能は生きてるはずだ)

(・・・つまり零、ハッキングするってんの?)

優香が恐る恐る問うた。

(ああ・・・少なくともおれが思いつく手段だが)

「フムン・・・」と、自然に声を出して唸ってしまうシン。

だが、自分が思いつく手段といえば、零と同じでハッキングだ。

しかし、ばれてしまえば軍法会議行きだ。

それは避けねばならない、絶対に。

普通にログインして情報を読み漁るにしても、多分自分たちのアカウント(アクセスキー)では機密情報は得られない。

ハッキングするとしても、多分アイスが、しかも巨大なもので何層ものアイスが待ち構えている事だろう。

それらを一つ一つクリアするのは大変な時間を要するはずだ。

ミネルバやアークエンジェルの陽電子砲を使えれば楽なのだが・・・ネット世界には残念ながら存在しない。

「どうした?おい?」

「あ、どうした?」

透の呼びかけで我に帰り、シンは言った。

「いや、別に。ただ、見つめ合っていたしな」

「あ・・・」

全員が慌てて目をそらす。

(シン、訓練の事もう少し知ってるかもしれないよ?)

優香がそう言いながら仮想の草の上に寝転ぶ。

「なぁ、その訓練について教えて欲しいんだが?」

「え?」

キョトンとしながら月菜はシンの深紅の瞳を見る。

「いいけど・・・どうして?」

「ん?あ、いや、別に・・・ただ、興味だ、興味」

「はあぁ」

月菜は”嘘じゃない?”と、目線で問いかける。

シンは頷いて肯定し、続きを促した。

「主に訓練施設でスフィアを倒す事と、あ、だけどもっとも回数が多いといえば、情報解析かな?」

シンたちは目を丸くした。

実地訓練より、情報解析訓練?

パイロットなら、情報解析より、訓練施設でのスフィア退治より、実地の方が効果的のはずだ。

「実地はやらないのか?」

「え?実地?う~ん、やる事はやるけど、あまりやらないかな」

目を丸くしたまま、シンはVSSへ不信感を覚えた。

(やっぱり、きな臭いというか何と言うか・・・思いっきり怪しい)

優香が言う事に同意できる。

どこか、というより思いっきり怪しい気がする。

「じゃあ、どういう?」

「う~ん、それが私にも良く分からない。
 さっき言ったのはなんとなく私も分かるんだけど、”特別カリキュラム”の訓練の記憶がさっぱりないんだ。
 実地やスフィア退治訓練の時の記憶も何だか曖昧だし・・・」

記憶操作?

シンは嫌悪感を覚えた。

記憶操作はかつて・・・ステラたちエクステンデントが受けた処置だから。

(怪しい、確定)

(うむ)

(これはどんな手段を使ってでも調べてみないと・・・)

優香の言葉に零は同意し、雪風が言った。

(多分、確実にVSSとフラッグ、”ワイヤードゴースト”が繋がってるよね)

白嵐の言葉にシンは息を呑んだ。

すでに自分の頭で思っていたこととはいえ、驚いた。

(それじゃ、おっぱじめるか)

「「「「ヤー」」」

優香は身を起こし、それぞれ敬礼。

シンも返礼してさっさとログアウトした。

残っているのは、この草原の所有者の透と月菜だけだ。

「・・・なんだったんだ?」

「さあ」

二人で肩をすくめて笑った。



あとがき

ふぅ・・・タイトルのVSSって、関係あったか?w

まx、あそんな事はよしとして、学級閉鎖中です。現在。

だから、ヒマな時にどんどんうpしますね。おわり
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ヒカリさん

Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
http://pr.fc2.com/hikarisan/
プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

~所有ゲーム~

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・わたしのリラックマ (積みゲー)
・シムシティDS2 (進行中?)
・おいでよ どうぶつの森 (進行中?)
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・ポケモンレンジャーバトナージ (積みゲー)

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