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食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

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機動戦士ガンダムSEED palatine 11「漂流者~スカイガールズ~」

「んだとぉ!」

追浜基地の一角にある管制塔でコンソールから身を投げ出す男が1人。

着古したフライトジャケットにネイビーパンツというラフな姿で、軍規定の1種、2種軍装ではなかった。

しかし、この男はこう見えても第13航空団の指令である。

「確認しろ!」

そんな男、冬后蒼哉大佐はコンソールを拳で殴り、隣のオペレータに怒鳴る。

「シグナル感知できません。
 全機ロスト!ワーム、進行してきます!」

大佐の怒鳴り声に負けないくらいの大きさで、オペレータ――藤枝七恵は返す。

その報告を聞き唇を噛む大佐。

そんな彼の後ろには訓練生たちが心配そうに見つめている。

彼女たち訓練生はレスキュー隊としてこの部隊に所属している。

乗機は、戦闘用のGシリーズではなく、98式飛行外骨格という武装が成されていない機体だ。

「冬后”さん”・・・」

「・・・」

重々しい雰囲気に包まれる管制室。

響くのは、コンソールが発する警告音と大佐の歯軋りだった。

彼女たち・・・第2期SDテストパイロット、もといSDパイロットは依然、行方不明。



「一体なんだよ、不明機ってのは」

転送ポートに向いながらヴィータは呟く。

「わからない、テッサも知らないって」

スペツナズの前衛メンバーの1人、クルセがデバイスを手に握り、答えてくる。

前を走るなのはを見やると同じやり取りがフォルテと交わされていた。

今回でるのはなのはとヴィータ、フォルテにクルセらしい。

「ったく・・・!」

転送ポート・ホールに続く扉をフォルテが蹴り飛ばし、転送ポートまで突っ走った。

そして、気が付くとフリーウォール(自由落下)中だった。

飛行魔法を発動させて、目の前の不明機を目視で視認。

不明機は二手に分かれており、あの”大きな樹”を挟み込む形で右手に3機、左手に2機いた。

フォルテとヴィータ、クルセとなのはに別れ、速度を上げた。

3機の前に立つと、クルセとなのははデバイスを3機に向ける。

「こちらミスリル作戦部、武装を解除し降下しなさい」

声高らかにクルセがそう宣言した。


「こちらミスリル作戦部、武装を解除し降下しなさい」

ミスリル?

音羽は一生懸命鈍い頭を回転させるが、そのような単語は聞いた事無い。

いや、聞いた事はある。

だがそれはどこぞのファンタジーゲームだったり、SF小説だったり、そういった類だ。

『・・・』

瑛花が目の前の浮遊する2人を睨む。

しかし、人間が生身で飛ぶなんて、いいなぁ・・・。

『ちょっと音羽、何頬を緩めてるの』

瑛花が相手を睨みながらそう音羽を叱責する。

「だって・・・SDや飛行機に乗ってないのに、飛んでますよ?人間が」

いいなぁ、いいなぁ・・・。

そういわんばかりに音羽は目を輝かせ、目の前の2人を見やる。

それぞれ杖と細身のレイピアを持っていて、威嚇的に武器を向けている。

しかし、このレイピアも杖もやけに機械的だよねえと音羽は思う。

「もう一度言います。
 武装を解除し、降下なさい」

見事な金色の巻き毛をした少女がじろりと音羽たちを睨みつけながら言う。

レイピアの先が太陽の光に反射してきらりと輝く。

すると後方で物音がした。

がちゃり、と重たげな音だ。

零神を、そして自身の体を後ろに向けると、瑛花がAMライフルを2人の浮遊する人間に向けていた。

「むぅ・・・」

目の前にいる金髪巻き毛の少女は眉を顰めて瑛花とにらみ合いを開始。

『・・・音羽さん』

「何?可憐ちゃん」

『・・・・なんでもないです』

そう言って可憐が不安そうに音羽を見る。

と、だダダダンッ!

銃声だ。

雷神が握るAMライフルから煙がうっすらと出ている。

少女たちを見やると、3点バーストを喰らったにも関わらず、健全であった。

『各機散開!』

「あ、瑛花さん!」

瑛花は機体を急降下させ、ビル街へ、ひらりと舞い降りる。

ビルの屋上すれすれで機体の機首を上げ、少女たちを狙う。

少女たちはそれぞれ左右に散らばり、雷神の装備する大型ビーム砲の射線から離脱。

『・・・っ!』

巻き毛の少女――クルセはすばやく横転(ローリング)し、雷神の後ろを取る。

<カートリッジ・ロード>

クルセのデバイス”エペ・ラピエル”が無機質なマシンボイスを発し、柄についたリボルバーを回転させる。

薬莢が落ちる。

クルセは上昇しながら雷神のバーナーを突こうと腰だめに構え、蒼き炎に包まれたそれを突いた。

ガキンッ!

何か障害物に当たった感触と、剣と剣がぶつかり合う音がする。

クルセはささっと飛び退く。

雷神の後ろには、音羽と零神がMVソードを持ってそこに滞空していた。

「ディバイン・バスター!」

なのはが放つ桃色の閃光を雷神と零神は軽く避けてなのはを狙う。

<アクセル・シューター>

なのははアクセルシューターを10個ほど作り、SD2機に向わせる。

「えっ!?」

驚きの声が聞こえる。

この子達の世界ではこういった類のものは珍しいのだろう。

いや、実用化されていないのかもしれない、となのはは思った。

・・・ん?

魔力反応だ、ココに居るクルセや自分、ヴィータやフォルテでも戦闘中のマオやシンのものでもない。

「ええっ!?」

MVソードがうっすらと、赤く光っていた。


野球ボールくらいの大きさの弾が音羽たちを狙う。

「えっ!?ちょっとちょっとちょっとちょっとっぉおおお~!」

顔に当たる風に負けない声で音羽は叫ぶ。

そう叫んでいる間も回避行動は続いている。

ODDなんて見ている場合ではない、とにかく逃げないと、堕ちる。

音羽は必死になって機体をロールさせたりバンクさせたりする。

時にはフットリンクを蹴り飛ばして、時には自身の体を思い切り捻って回避する。

「ああもうっ!」

目の前にすっと現れた桜色の玉。

「はああっ!」

音羽はMVソードを頭の上、背中に当たるかあたらないかというところまで振り上げ、力の限り桜色の弾を真っ二つにするため、振り下ろした。

真っ二つになった弾は何も無かったかのように消えうせた。

零神は勢いに乗りすぎて、急降下。

「ふぇえええ~~!」

そしてそれに食いつくように後方より1、前方に2、左右にそれぞれ2つの弾が零神を狙う。

しかし幸いか不幸か、その桜色の弾――アクセルシューターにはレーザーは装備されていない。

右へロール。

アクセルシューターもそれに食いついていく。

旋回性・誘導性は高いらしい。

とりあえず、前方と右側の弾は一時的にだが、振り切ることは出来た。

『きゃああ!』

ターミナルデバイスから可憐のちいさな悲鳴が聞こえる。

助けに行きたいのは山々だがこちらも残念ながらこの変な光る弾に追われているんだよね・・・と音羽は少しだけ肩を落とす。

『ああもう!何なのよ、これ!』

重火器装備の雷神を駆る瑛花も毒づいている。

これだけ旋回性の良い球を雷神で避けるのは至難の業だろう。


「くそ、ちょこまかちょこまかと・・・!」

クルセはエペ・ラピエルのカートリッジを1発消費させる。

するとレイピアは大剣に変化する。

「ったく・・・っ!」

展開していた灰色の魔方陣から飛び降りる。

回避行動を取り続ける風神目掛けて速度を上げていく。

素人なら、多分”うぉりあああ”とか声を上げていただろうが、クルセは声を上げなかった。

声を上げてしまえば接近に気付かれてしまう。

クルセはエペ・ラピエルを振り上げ、風神に振り下ろす。

「きゃ・・・っ!」

「・・・魔力反応?」

ちいさな悲鳴を上げながらもさっと飛び退いて回避する風神と可憐。

クルセはそんな可憐に感心しつつ、かすかに流れ出る魔力に違和感を覚える。

まだまだ構築できていない・・・まだ急ごしらえで作った”リンカー・コア”と言う感じだろうか。

これから先まだまだ大きくなっていきそうだ。

現在の魔力は恐らくDクラス位だろうが、多分、AA辺りまではいけそうだ。

この予想は、クルセの”勘”によるものだが。

「・・・」

右下から左上へ振り上げる。

「ひぃ・・・っ!?」

可憐は咄嗟に、右マニュピレーターに握らせていたAMライフルを盾にした。


ガギイインッ!


耳障りな音が空に響いた。

「え?」

「なっ!?」

クルセと可憐は間合いを取る。

空中で静止。

魔力コーティング?

訓練も無しにそんな事が出来るのかといえば、そうでもないのだが・・・。

クルセは頭を軽く振って一時思考停止。

帰ってから、ゆっくりと考えよう。

クルセは大振りに大剣を振った。



・・・・・・ん?

まぶしい。

意識がゆっくりと意識の深層(エス)から浮上してくる。

大きな樹の側面だ。

少しだけ肌寒く感じる。

妖気をほんの少しだけ開放して体を温める。

体が段々樹の内側から外側にせり出されて行く。

まぶたを開け、ゆっくりと首を右手に向ける。

手の中には、待機状態のギラティナ。

騎士甲冑は解除されている。

それに、制服も着ていない・・・つまり、裸。

少し顔が赤くなる・・・なっていたであろう、思いっきり。

「・・・ギラティナ」

<イエス・サー>

急ぐように騎士甲冑を纏い、樹の根から無理矢理脱出し、少しだけ距離をとった。

ジャックと豆の木にでてくるソラマメの樹のように、真っ直ぐ、空に伸びている。

仲間は、どこだろう?

優香はブレインチップの拡大ツールを使いながら側面を捜査する。

すると、赤い閃光が一閃。

そして、黒い甲冑姿の男が飛び出してくる。

彼は優香の存在を認めたのだろうか、接近してくる。

「ヘイ、零。無事?」

「生きてるよ」

いつも通りのやり取りを交わしながら雪風と白嵐も確認。

後は・・・シンだけだ。

(動きが・・・止まった、のか?)

(多分、ね?)

チャントではウルズトリオが同意しあうように会話をしていた。

(<B-5001、B-5003、深井大尉、藤原中尉のシグナル確認>)

ウルズ2――メリッサ・マオのデバイス”フライデー”のマシンボイスが聞こえてくる。

「雪風、白嵐」

優香がギラティナを頭上に持ち上げて振りながら叫ぶ。

近づいて来る2人を見やりながらギラティナを下ろし、優香は眉を顰めた。

「・・・何か、近づいてきていない?」

「かすかに魔力帯びているな。
 質量兵器・・・か?」

優香と零は顔を見合わせながらその方向を見やった。

・・・・グライダーのような何かが近づいて来る。

ブレインチップの拡大縮尺を最大へ。

・・・少女が2人、そして機体が2。

搭乗員である少女二人は露出していて、機体を操っている。

よくあんなので空を飛べるわね。

訝しげに優香はその2機を見やる。

・・・と?

「っ!」

さっと零と優香は上昇。

レーザーガンだ。

・・・懐かしい、そう思っている自分に気付く2人。

青と黒の2機はAモード、つまりパワードスーツのような形状に変形してレーザーガンを連射していた。



「何やってるんでしょうね」

フラッグ情報管理係第一小隊作戦室。

みのりは左手でコンソールを叩き、左手でメガネをかけなおしながら言う。

そしてその背後には半裸のカイラ・キルステンがいた。

「それと、半裸でうろちょろしないで頂きたいんですけど?」

「別にいいじゃない」

カイラはみのりの言葉を受け流しながら、モニタを見つめる。

そこに映し出されているのはこの間の、演習だ。

部隊編成は透、洋介、シンが前衛で、後衛は零、雪風、白嵐、遊撃に優香という形だった。

シンの駆るデスティニーがミサイルを発射。

敵であるVSS機が散開してコレを回避。

ところが敵機は肩に損傷。

零が当てたらしい。

「にしても、1週間も休暇とってどうすんだろうねえ」

カイラが演習を撮影した動画を見ながら呟く。

みのりはカイラを覗き見ながらも、キーを叩いていた。



「・・・」

落ちている、肌寒い。

裸でフリーウォール中。

「さみい・・・」

あの大きな樹とともに地面に向いながらシンは呟いた。

<セットアップ・レディ?>

気遣うようにエデンのマシンボイスが聞こえてくる。

シンはその石の感触を確かめながら降下していく。

「セットアップ、エデン」

<アイ・マム・セットアップ>

バリアジャケットを纏い、飛行魔法を発動。

「・・・どこだ?ここ」

真っ先に、思いついた疑問。

町並みは、どう見てもミッドチルダではない。

巡航速度以下で、低空飛行を続けながらシンは周りの風景を、何度も首を回して確認。

古めかしい建物に、広々とした広大な農地が広がっている。

・・・俗に言う、ド田舎、だろう。

<マスター、前方よりボギー>

と、エデンが警告を発する。

小さい点がいくらか見える。

エデンに装備された拡大ツールを使ってそれを確認する。

「んん?」

シンは瞬きを繰り返し、眉を顰めた。

人間・・・なのは、わかる。

だが、その少女は・・・ズボンもスカートも履かずに空を飛んでいた。

「え・・・っ」

思わず停止して、目をぱちくり。

う~ん、いいアングルだ――って、ちがうよっ!

シンは頭を振ってエデンをカリバーモード(大剣)に変形させる。

そしてまっすぐ、構えた



あの少女は、何だったのだろうか。

透はそう考えながらアラートが鳴り響く通路を走る。

あの少女は、8時間行動を共にしたが、何故か、子供の時にあっている気がする。

考えているうちに手は作戦室のスライドドアを触っていた。

早く開け・・・・!

開いた。

透はさっさとコンソール(操縦席)に腰掛けた。

「今日はシンたちはいないぞ」

小隊長が、本来はシンが言っている部隊編成を口にする。

今日はいない。

何故か緊張する自分に気付いて皆に見えない程度に苦笑をもらす透。

ニューロンジャックを挿して軽く緊張をほぐすように手を握ったり開いたりする。

周りを見ると、そわそわした気分は自分以外の隊員も感じているらしく、肩をならしたりしていた。

しかしばれなくてよかった。

8時間もログインしていたとなれば、疲労は相当なものだから、出撃するなと怒られていたはずだから。

気付けば、みのりのカウントが聞こえてきていた。

10、9、8、7――。

6――

5―――

長く感じる、いつも以上に。

隊長を務めてくれている青年がいないだけで、こうも違うものなのかと透は思った。

敵は、フェタオ。



「はあああああっ!」

壊滅した西ヨーロッパ基地に似たその風景を尻目に、その壊滅した基地の唯一の生き残りとその愛機が急降下しながら槍を構える。

「ゆるさない、ゆるさないんだからああっ!」

西ヨーロッパ基地製ソニックダイバー量産型”バッハシュテルツェ-V1”の装備は両腕に装備されたちいさなビーム砲門2門とSD専用近接格闘装備”MVランス”というひ弱なものだ。

日本海軍製であり、戦闘用に改造されたGシリーズ(プロトタイプ)のように、ミサイル等は装備されていなかった。

エリーゼより少しばかり高い高度に滞空する日本海軍製SD”シューニア・ツヴァイ”もそれは同じ事だった。

シューニアはバッハシュテルツェやGシリーズ、83式骨格機の元となった”本物の”プロトタイプで、装備は特殊ウィルスとバッハシュテルツェより少しだけ大きいビーム砲門2門、そしてMVソード。

今回は外付けでミサイルを数発だけ持ってはいるものの、ひ弱な事に変わりは無い。

「はあああっ!」


ガギイイイインッ!


耳障りな音と、紫電が舞う。

蒼い、三角の魔方陣にMVランスの刃はとめられていた。

進もうと、アフターバーナーを吹かせても、耳障りな金属音と紫電が大きくなるだけだった。

こういうとき、凪沙ならどうしだろう――だめだ、弱気になっては。

バッハシュテルツェを駆るエリーゼ・フォン・ディートリッヒは嫌な考えを頭を振って振り切り、ランスを握る腕の強さを強めた。

バッハシュテルツェはまねをするようにランスを握りなおす。

と、爆発。

バッハシュテルツェは弾き飛ばされ、燃えているビルすれすれの高度で建て直して上昇。

シューニア・ツヴァイを操っているアイーシャ・クリシュナムは目の前の敵の攻撃をひたすら回避していた。

エリーゼの相手をしているヴィータと優香は、そんな2機が繰り出してくる攻撃を軽々と避けながら思った。

あの機体が装備している砲門って、私たちで言うところの”レーザー”であると。

「なつかしいな」

ついつい優香は呟いてしまう。

「何がだよ?あのレーザー砲門のことか?」

ヴィータが鉄槌を握りなおしつつ聞いてくる。

「ん?まあね」

軽く苦笑をもらしながら優香が気がなさそうに返事する。

ギラティナを構え、カートリッジロード。

「ま、いくわよ、ヴィータ」

「わあってる」

ヴィータもクラーフアイゼンのカートリッジをロード。

2つの魔方陣が浮かび上がる。

エリーゼはそんな2人の光景を見て、アームリンクを握る手を強めた。

いったい、何が始まる?

エリーゼは緊張をごまかすようにランスを構えなおす。

「・・・雷電一閃」

<レディ>

「ラケーテンハンマー」

<ヤヴォール>

「「いけえええっ!」」

一瞬だった。

大きなハンマーがバッハシュテルツェの半身をそぎ落とし、雷と蒼い炎に纏われた光る剣が機体を斬りおとした。

エリーゼは揺らぐODD越しに2人の騎士を見た。

そして、意識を手放した。


おちていく、遼機。

損傷は軽微だ。

だが、さっきの攻撃で気を失ったらしい。

アイーシャは冷静に分析した。

ここで冷静さを欠けばどんな事になるか分からない。

剣を持った少女も冷静に攻撃を繰り返している。

「・・・シルバー」

<アイ・マム>

シルバーソードを構え、黒髪ポニーテールのフォルテはアイーシャを狙って剣を振った。

「っ!」

アイーシャは機体を飛び退かせる。

肩に装備されている小口径のビームを発射。

白い魔方陣がそれを防ぐ。

次の行動に入ろうとするとターミナルデバイスから警告音が発せられた。

反射的に振り向くと赤い光が徐々に大きくなっているところだった。

アイーシャは下から迫ってくるフォルテを見つけ、機体を後退させた。

赤い光を放とうとしている、零に背を向けて。

「ファイア」

<ファイア>

零は引き金(トリガー)を躊躇うことなく引いた。

ターミナルデバイスから鳴る、鳴り響く、この機体の悲鳴に似た警告音。

その警告音と共にアイーシャは光に包まれた。



「・・・はじめまして」

天堂宮の面会室。

そこには第13航空団所属のパイロット5名と、今回の件に関わった魔導師たち、そしてテッサの姿。

ミスリル機関長なるテッサが冷たく言うと、リーダー格の少女がテッサを睨む。

「私は”ミスリル”機関長、テレサ・テスタロッサです」

指を組んで堂々と胸を張りつつ、冷たい声をテッサは発する。

優香はやれやれと肩をすくめながら目の前の少女たちを凝視。

「本来なら、あなた方は私たち”ミスリル”ではなく、時空管理局へ引き取られていたでしょう。
 あなた方が嘘や隠し事をしていたら、私たちはあなた方を管理局へ連れて行きます、よろしいですね」

「・・・時空、管理局?」

テッサが言った事に疑問を発したのは音羽だった。

難しそうに眉を顰めている。

(管理外世界、ですか)

(そうみたいです)

この部屋の外で話を聞いているフィン・キルヒアイス大尉が念話で呟き、テッサが肯定した。

今回は相手が未知の機体に乗ってきたこともあり、ブレインチップを会したチャントではなく、思考念話を使用していた。

思考念話も盗聴されている可能性も否定できないが、相手側が魔法攻撃を見て驚いていたのを見てテッサは念話を使用するように言った。

おそらく、彼女たちの世界には”魔法”という技術が存在していないのだろう、と。

「・・・ご存じないのですか?」

「ふぇ?うん」

まぬけた声を発しつつ、音羽は頷く。

テッサは隣に座る優香や零と顔を見合わせた。

(説明、したほうがいいの?これ)

(・・・話が全くかみ合わなくなりそうだな)

(ですね、話せば長くなりそうですね・・・)

それぞれ肩を落としたりばれない程度に溜息をする。

(仕方ないわね、テッサ)

(はい)

室外のフィンも溜息混じりに言ってくる。

テッサも軽く溜息をついてから、わざとらしく咳払いをした。

「・・・世界は広いです」

「「「「はい?」」」」

アイーシャ以外のSDパイロットたちが間抜け声を発し、疑問符を出す。

優香やフィン、マオまで目をぱちくりさせていた。

「ですから、世界は広いんです、ものすごく」

「世界は、広い・・・?
 一体、貴方は何を言いたいんですか」

瑛花が声を荒げる。

「たくさんの世界があって、それは時空の狭間という空間でつなげられています。
 地球流でいうと・・・木星や火星、地球は宇宙という空間で繋がっているんです。
 ひとつひとつの世界というパーツを、時空の狭間という接着剤がそれを繋いでいるんですよ」

テッサはそこで言葉を切り、手元の紅茶を口にする。

「魔法技術が進んだ世界なら、殆どのヒトに知られている事よ。
 時々機械技術が発達していてもそれを知っている場合があるけどね。
 魔法だなんてファンタジー世界でしかありえないとか言うでしょうけど、実際事実」

言葉を引継ぎ、優香が溜息混じりに語り始めた。

「・・・と、魔法の話は後回しにしておかないとね。
 機械技術や魔法技術が進むと、ヒトを殺すための凶器になる。
 その世界内だけに被害が及ぶならまだしも、とても進んでいるところは”次元震”を引き起こしかねない。
 あまりに危険なそういう技術を持つ世界を管理するのが管理局。
 ・・・ま、警察のような組織だとでも思っておいて。
 ちなみに管理局の仕事は上げたらきりが無いから省いておくわ」

優香はばれないようにあくびをしながら目の前の少女を見やった。

少女たちはそれぞれ無表情に考え込んでいたり唸っていたり難しい顔をしていた。

ま、当然かな、と優香は頬を緩めて彼女たちを見やっていた。

目の前のリーダー格の少女が手をゆっくりと上げてくる。

「何かな?」

「あの、次元震とは何でしょうか」

強気そうな少女は難しい顔をしながら聞いてくる。

(説明、めんどくさいなあ・・・零、次、パス)

(何でおれが?)

(私の隣に座ってるのが零だから)

(・・・つまり、リレーのバトンをまわしたって言いたいのか?)

(イエス!)

満足気に頷いてみせる優香。

零は隠れて溜息をつくしかなかった。

「主にロストロギア・・・”古代遺失物”、つまり昔のヒトが残した物品やさっき優香が言った一部世界の先端技術が引き起こす自然災害だ」

「自然災害?」

零は音羽の言葉に頷き言葉を継いだ。

「世界と世界を繋ぐ接着剤的な空間である時空の狭間が大きく揺れたら、どうなると思う?」

「え・・・」

言葉を詰まらせる瑛花。

零の目線の先には、瑛花の姿。

「えっと・・・、パーツが取れたり、ボンドが取れたり・・・」

「つまり世界が切り離される、って瑛花さんは言いたいんですよね」

歯切れ悪く答える瑛花に補足を入れる可憐。

瑛花が呆気に取られたように可憐を見やる。

「その通りだ。
 世界の座標がずれたりする。
 それが、次元震だ。
 次元震が酷くなると次元断層という災害に発展するんだ。
 次元断層が発生すれば、沢山の世界が被害にあう。
 実際に次元断層が発生し、消滅した世界がいくつもある」

”説明は終わりだ”。

零はそう告げるように手元のコーヒーをすすった。



「・・・わあ」

瑛花たちは裸で口をぽかんと開けていた。

「どうした?」

そういいながらシャンプー等が入った盥と水鉄砲を持って浴室に入っていく優香。

彼女に続いてはやてやルナマリアが同じ装備を持って浴室に入っていく。

「・・・いえ、何で、水鉄砲・・・?」

「・・・覗きがいるからね」

「ハイ?」

「覗きよ、覗き」

お風呂に浸かって、気持よさそうに背伸びをしながら優香が平然と言い放った。

ルナマリアはソレに頷いてバズーカの形をした水鉄砲にお湯を汲んでいた。

「大浴場は戦場やからなあ。
 タオル着用は絶対やで?」

はやてもそう言いながら拳銃型の水鉄砲にお湯を汲む。

確かに良く見れば、みんなタオルを着用している。

それでもボディラインはしっかりと見えるが。

「ま、必要最低限タオルはしておいた方がいいね」

ヴィヴィオの背中を流してやりながらなのはも頷く。

音羽はその言葉を聞きながら早速破廉恥な行為にあっていた。

「うひゃひゃ・・・いい尻・・・ごフッ!」

音羽は顔を真っ赤にして男の顔面を蹴り飛ばした。

そこにいたのは金髪碧眼の青年。

脱衣室の壁までぶっ飛ばされた男は痛そうに後頭部をさすっていた。

「・・・南無南無」

隣の男子浴場からそのように唱える声がする。

「・・・クルツ?」

優香たちがどす黒いオーラを漂わせながら水鉄砲をクルツに向けた。

まるで何処かの幽霊のように見える。

「すこ~し、お話させてもらうの」

「私らの胸を見ようとは・・・いい度胸してるなあ」

「覚悟はおkよね?」

クルツはそんな女性人を見て、じりじりと後ずさる。

まずい、まずい、まずい・・・これは、非常に、まずい。

クルツは脱衣室の出口目指して後ずさる。

『少し、頭冷やそうか(なの)』

すると、お湯の砲撃がクルツに命中。

脱衣室がびしょびしょに濡れる。

「あつっ!サムッ!ちょ、やめい」

クルツはうはうは踊るように女子脱衣室を後にした。



あとがき

おそくなりました。

ロストロギア等の説明は間違っているところあったらコメントください、修正します。

お風呂戦争は今度短編でまた書きたいなあ。

書いてて凄く楽しかったよ。

それじゃあ、次回もお会いしましょうか。

次回「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」のアニメ登場。
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プロフィール

ヒカリさん

Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
http://pr.fc2.com/hikarisan/
プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

~所有ゲーム~

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・わたしのリラックマ (積みゲー)
・シムシティDS2 (進行中?)
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・魔法少女リリカルなのはA’sGod(クリア済み)
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復活しました。以前のバグは何だったのだろう・・・

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