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食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

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機動戦士ガンダムSEED palatine 16「19と神父と綾音と」

とある世界の、南の島。

そこは上空から見ると丁度、月のような形をしており、周りには青く輝く海が広がっていた。

その島の名は”メリダ”。

かつての”ミスリル”西太平洋戦隊”トゥアハー・デ・ダナン”の基地だった場所だ。

ここを攻め落とした時の爪あとは、5年以上経った今でもあちこちで見て取る事が出来た。

彼女はかつてこの島に来たときにちらっと見かけた白い何かを探してジャングルを進んでいた。

もちろん護衛はいる。

世界最小のAS”アラストル”。

流石に、機械なだけあって、話は出来ない。

彼女は溜息をつきながら地図とコンパスを操って、方向をさだめて、白い何かの痕跡を見つけては転進して位置を確認した。

だが白い何かは見つからなかった。

まるで彼女を避けるように、逃げているように。

いや、それとも流石にもう死んでしまったか。

私と彼を結ぶ、大事なもののうち1つがまた消えた。

・・・やだ、嫌だ、諦めない。また貴方?私の弱虫を引っ張り出してきたのは。

彼女は苛立つ。

――そもそも貴方とは彼は結ばれないのよ、追っているのも正義感から来ているのよ?

そう彼女は言い返す。

いや、ちがう、違うよ?

彼はそんな人じゃない。

それに私は”命令”したもの。

東京都立陣代高校前副生徒会長として、どれだけ人を殺しても構わないから私を助けにきてって。

――彼はそんな約束、もう忘れちゃってるよ。彼女といい雰囲気で、・・・。

五月蝿い、黙れ、私は信じてるの・・・・ぁ

――あはは、私から主導権を奪い返せないやわな人間。ざまあみろ。今まで私をコケにしたツケだよ。

彼女たちは入れ替わる。

0と1を入れ替わる。

それと同時に彼女は白い何かを追うのをやめた。

今は、”神(ソフィア)”との約束を果たす方が先だ。

彼のことはその後で・・・いや、私があの私設で、”ヤムスク11”で彼女ともども撃ち殺したんだ。

だから彼はもう、存在しないんだ。そうなんだ。

絶対に、そのはずなんだ。失敗していてもレナード達が殺っているはずなんだ。

だから彼が――いるはずが無いんだ。



「・・・どうだ?エデン」

<繋がりません。ネットも>

「そっか・・・」

シンは空を仰いだ。

この基地に来て既に3週間が経過していた。

出撃も数回あった。

その全ての戦闘で、シンがいとも簡単にネウロイを倒してしまった。

つまり、魔女たちの出番を奪ってしまったという事。

「はぁ」

シンは短く溜息をついた。

彼女たちの出番を奪ってしまったために、ある意味酷い仕打ちを受けてしまった。

まったく・・・。

彼はかぶりを振ってもう一度溜息をついた。

「シン」

「ん?」

振り返ると、坂本美緒少佐が刀片手にいつも通りの軍服姿でやってきていた。

「どうした?」

シンは視線を空に戻して問うた。

「・・・いや、気にするな」

語尾に若干力が篭っていた気がしたが、シンはスルーした。

過去の経験から、こういった時に、そういったことの詮索などを行ってはならないのだとわかっていたためだ。

「そうか」

シンはそれだけ返して眼を瞑った。

今頃白嵐や雪風たちは何をしているのだろうか。

イヴェンともあれから会っていない。

テッサたちは大丈夫だろうか?

泣き虫なレイフたちはどうしてるだろうか。

シンはもう一度かぶりを振った。

「なぁ」

「なんだ?」

美緒が再び口を開いてシンをよんだ。

シンは振り返って美緒を見やる。

「その・・・・この間は、すまなかった・・・。前線管制も任せてしまって・・・」

美緒はぎこちなくそう口にした。

剣先でアスファルトに奇妙な絵を描いていた。

吊りあがった黒目は珍しく伏せ眼がちで、顔も赤かった。

腰が奇妙なダンスを踊っていた。

「いや、大丈夫だ」

シンはそれだけ言って微笑んでやった。

ふむん、美緒は出会った時の雪風と同じように扱ってやればいいんだな、とシンは既に気づいていた。

「お前こそ大丈夫か?」

「っ!」

「・・・聞いてるぜ、もう限界が近いんだろ?」

「っ!?」

ウィッチとして飛べるのは魔力を持った少女だけ。

そんな彼女たちにも飛べる限界というのがあるらしい。

20歳を過ぎると、治癒魔法等は使えても飛行は出来なくなるとの事。

そして眼の前の、坂本美緒少佐はあと1年で20歳。

飛べなくなるのは時間の問題だった。

「まぁな・・・だが、飛べる限り私は飛ぶ」

シンは真っ直ぐ美緒の瞳を見据えた。

黒い瞳の中で静かに燃える炎。

決意という名の炎が揺れていた。

「宮藤たちを・・・この部隊を守るために」

強い口調で美緒は言った。

激しく萌え始める炎がシンの瞳に映った。

――すでに、飛べなくなる前兆が来ていても、私はみんなを守るために飛ぶ。

「そして、宮藤博士の為に」

――彼との約束を、私は果たしたいんだ。

シンは息を呑んだ。

思考念話。

いま、確かに繋がっていた。

今も、繋がっている。微弱ながらも、繋がっていた。

もしかしたら、もしかしたらだ。

シンは慎重に考える。

彼女にもリンカー・コアがあるのかもしれない。

空士の適性があるかどうか、また、どの程度のランクのコアなのかはシンには判断できなかったが、そうなのだろう、とシンは考えた。

でないと、特別な事でも起こらない限り思考念話なんてものは、魔導師以外の人間にはあつかえない。

予備知識があるミッドチルダ民やその周辺世界の住民ならまだしも、魔女とはいえリンカー・コアという、魔力という概念があるということを知らないこの世界の住民は、初見で、手本無しで思考念話なんてものは使えない。

おそらく意識せずに思考念話に流していたのだろう。

「宮藤博士って・・・たしか、ストライカーを開発した人だっけか」

「・・・良く知っているな。貴様の話を信じるならば、なかなか大したものだ」

美緒は感心したように鼻を鳴らした。

シンはソレに対して、つんと顔を逸らした。

「まぁな。ここ数日書庫で公文書やら論文やら技術書やら歴史書を読み漁ったからな」

ちなみにちゃんとページ一つ一つのスクショをしっかり撮っておいていたりする。

「・・・ん?」

シンは眉を顰めて目線を空に向けて考えた。

宮藤博士、宮藤、宮藤・・・。

って、おい。

あの豆狸が、宮藤博士の娘なのか。

「宮藤って、・・・芳香ッ!?」

「ああ、そうだが」

シンはうっかり声を荒げたことを反省しながら、美緒の何気ない肯定の言葉に凍り付いてしまった。

いやはや、自分の周りには”博士”と呼ばれる人やその娘によほど縁があるらしい。

「いや、意外だ・・・」

シンはそう呟くと、何時ものように美緒は豪快に笑って答えた。

「私も正直意外だと思ったよ。顔もそう似てないからな。
 だが、戦場で、いきなり戦場に放り込まれた宮藤を見て私は、彼女は博士に似ていると思った」

笑みを隠さずに美緒。

シンもそれに微笑み返してやった。

普段はただの女の子の宮藤芳香が戦場に出た途端漂わせるオーラ。

”絶対にみんなを救って見せるんだ”というオーラ。

その辺りをもしその博士が持っている、持っていたのなら、大したものだ。

シンは再び空を眺めた。



「やぁ、久しぶりだね」

黒衣の神父が再びそう口にした。

零たちは黙って彼を睨む。

だが何時ものような睨み方ではなく、”亡霊を見た”だとかそういう恐怖の眼差しによる睨みだった。

「・・・なんでっ、貴方はっ、私が殺したはずぅっ!」

優香が震えながらそう叫んだ。

普段は優しく美しい輝きを放つ黒目が、恐怖の涙に濡れていた。

「私はソフィアの使い。目的が果たされるまで死という文字は私の頭には存在しないのだ」

余裕の表情を浮かべて神父は言い放つ。

彼独特の言葉の発音が怪しい雰囲気を漂わせた。

白嵐はいつも以上の警戒態勢で神父を睨む。

神父こそがジャムだ、ロンバート大佐だと言わんばかりに。

「フン、相変わらずだな・・・グレゴリー神父」

零は震える身体を無理矢理押さえつけて言ってやる。

すると、グレゴリー神父は大げさに手を広げて見せた。

「では君は、変わったのかね?」

「・・・っ」

「人の心の根は死ぬまで変わることはない。
 君も、表面上変わっていると思わせているだけで、実は変わっていないだろう?
 関係ないといいつつ、”彼女”を愛し、共に戦い、守る対象としているのだからね?
 君の根は、酷く脆い。触れたら溶ける氷のようにな」

零が眉間にしわを寄せて苛立ちをあらわにした。

「何が言いたい、似非神父が」

「別に、私が何が言いたいかというのは、わざわざ聞かなくてもわかるだろう?
 何せ、君はソフィアの使いの1人なのだから」

「黙れ」

零の拳が震える。

「・・・グレゴリー神父、私達の目的は貴方の抱えてるフラッグ隊員の回収だ。
 貴様の目的完遂を邪魔するつもりはない。だから渡せ」

白嵐がきびきびとした口調で言う。

すると神父は口を大きく開けて、だめだと口にした。

「何故だ、貴様の目的から言えばこの世界への介入は意味を成さない。
 彼女は、指揮者(コマンダー)や接続者(コネクター)としての素質はない
 よって貴方の利益は何もない」

「いいや、駄目なのだ。
 さて、ただの”バルドル”だった君にこの私の行動の意味は分かるかな?」

くっ、と白嵐が舌打ちした音が、独房内で反響した。

「彼女は、白嵐は機械的AI(バルドル)ではないわ。
 シルフ時代からずっと、貴方の言うソフィアとやらの、生物学的AIよ。
 ただ当初は感覚質(クオリア)を習得できてなかっただけ」

優香が口を挟む。

すると、神父は口元をゆがめた。

「いいや、別に私は彼女を中傷しているわけではないのだよ。
 機械的AI、バルドルこそが私の崇める女神、ソフィアそのものなのだよ」

「「「っ!!」」」

3人の肩がぴくりと震えた。

くそ、似非神父め。

零がそう毒づくも、だれもその言葉に耳を貸す事はなかった。

「・・・驚いたな。
 あの世界の仮想は生物学的AIによって構成された世界だ。
 だから、貴方の崇める女神とやらはそれだと思っていたんだがな。
 まさか機械的AI・・・19だったとはね」

零が眉を吊り上げて声を上げる。

「そうね、同感。
 計算しか出来ず感覚質、つまり自らの自我を生み出す事が出来ないAIが神なんてね。
 それも、かの有名な人物でありマッドサイエンティストの彼が?ありえないわよ」

優香が同意の声を上げる。

すると、白嵐はそっと優香の袖口を引っ張った。

優香は反射的に彼女を見下ろす。

「ただの、機械的AIが神なのではない・・・か。
 あのミッドスパイアの奥にあるアレが、か・・・。
 ・・・でも、ちょっと待って」

ぶつぶつと呟く白嵐。

優香は怪訝顔で黙って彼女を見守る。

そして、白嵐は顔を上げた。

「そうか、成る程。彼女がこの世界の彼の嫁、ってワケだね。
 つまり彼は次元世界について知っているってことか。
 成る程ね、それだけあの男は人間に不満があると見えるね。悪くない固体なのに」

すると、神父の口が大きくゆがみ、彼は笑った。

大きく手を上げ、天井を見上げる。

「おお、ようやく気づいてくれたか、我が神の抜け殻よ」

彼は何故か白嵐の存在を”神”から”神の抜け殻”と言い換えて叫んだ。

優香と零は怪訝そうに眉を顰め神父を睨む。

「ねえ、白嵐、どういうこと?」

瞬間、爆音。

優香がそう問い、白嵐が答えようとした矢先に――天井が爆発した。



「すまない、待たせた」

第106管理外世界に降り立ったミスリルの精鋭、ウルズを率いるベルファンガン・クルーゾー大尉は降下しながら彼を見上げる少女に詫びた。

空を覆う灰色の空や濁った空気に反抗するように輝く銀色の髪に、白い肌。

瞳は蒼くすんでいて魅力的だ。

「いいえ、私にとってそれほど長い時間ではありません、大尉殿。
 ですが、事態は深刻です。
 まず1つ、フラッグ情報管理係第一小隊のパイロットを回収に向った深井大尉たちとの連絡が先ほどから途絶えています。
 2つ、同じく第一小隊所属の相馬透が誘拐されたのはご存知だと思いますが、その犯人と彼を乗せた車はVSS本社に入ったこと。
 調査を続行中のテスタロッサ大尉と高町少尉によると、本社内で巨大なコンソールに繋がれていて、橘玲佳がその様子を見ていると。
 以上の二点が要点です、大尉殿」

ロボットのように無表情で微動だにせず、マシンガンの弾のように言葉を吐き出した少女、雪風は左手の4本の指をぽんと弾く。

すると、クルーゾー大尉たちの視界にウィンドウが立ち上がる。

その送られたデータは現在の状況を纏めたものだった。

彼らはまるで鬢の上に立つように丁寧に、つま先から廃屋の屋上に着地した。

「感謝する。
 で、何をすればいい」

データを読みながら心にもない事を口にする大尉。

すると雪風の視線がきっと彼に集中した。

が、彼女は軽く溜息をついて視線を宙に戻した。

「クルーゾー大尉はログインしてVSSの構造体の周辺を警戒してください、相良曹長とウェーバー曹長はリアルのVSSへお願いします。
 キルヒアイス大尉は連絡の取れない深井大尉たちの下へ。彼らはフラッグの本部私設に向いました」

「「「「了解」」」」

彼らは迷うことなくそれぞれの場所に散るべく方向転換をする。

雪風は自身のデバイスの格納領域から携帯用の操作席(コンソール)を取り出し、クルーゾー大尉の下へと歩いた。

「ウルズ3、これより目標へ行くわ」

まず真っ先にウルズ3――フィン・キルヒアイス大尉がフラッグの隊舎に向かって飛び出した。

「こちらウルズ7及び6、目標へむかう」

続いてウルズ7とウルズ6、相良宗介曹長とクルツ・ウェーバー曹長が屋上から飛び出した。

わずかの滞空時間の後高速飛行用魔法を展開。

爆音と共に彼らは姿を消した。

「では大尉殿。現体は私がお預かりします――これを」

雪風は無表情に言い、携帯用操作席をクルーゾー大尉に差し出した。

「感謝する」

クルーゾー大尉も無表情でそれに返し、雪風の差し出す操作席を受け取った。

ケーブルを引っ張り出してチップに挿入。

ワイヤード・コネクトのウィンドウがすぐに立ち上がる。

「では、・・・良い旅を(グーテライゼ)」



「本日付で配属になりました、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン大尉であります」

「おなじく、ステラ・ルーシェ大尉」

「レイス、ただいま帰還した」

ミスリルの最高司令官、テレサ・テスタロッサの執務室で3人の女性が手を上げて敬礼し、声を上げる。

テスタロッサ機関長――テッサは彼女らの敬礼に答えて「結構、自由にしてください」と声をかけた。

すると3人は手を下げて思い思いの姿勢へ変えた。

「ご苦労様でした、・・・彼女のことをさがしているんでしょう?」

「あ・・・」

テッサが微笑んでステラにそう語りかけると、彼女はぴくりと肩を揺らした。

レイスとフェイトも小さく声を上げた。

「ふふ、私の秘蔵っ子ですよ」

手元に口を添えてふふふとテッサは上品に笑った。

すると三人は怪訝そうにテッサをみつめる。

と、そこでいつものノックがなった。

テッサは笑ったまま「どうぞ」と入室を許可し、入ってきた女性を見やった。

「どうでしたか、リインさん?」

「はい、どうもこうも・・・リンディ提督は動けそうにありませんね。
 つまり管理局はあまり頼れなさそうです。
 むこうは次元融解の件を信じる気はないようでして、リンディ提督やレティ提督らはこの件に関しては動けないのです」

呆れ顔で返してくるリインフォース・アインス中佐。

チップ所持者であるのに関わらず、ペーパーメディアを何故か沢山抱えていた。

そのメディアが主にデ・ダナン関係であるとその場にいたテッサたちはすぐに感づいた。

まったく、とテッサは苦笑しながらリインにペーパーメディアを執務机の上に置くように指示。

「ご苦労様です」

「いえ、それほどでもありません」

リインは笑顔でテッサのかけた労いの言葉に答えた。

「それで、その融解世界の状況は?」

「はい、まず黒い月と幻獣の件。
 どうやら、幻獣を操作することが出来る者がいるようです」

「え?幻獣を?」

テッサは素っ頓狂な声を出し、怪訝を示した。

幻獣を操作するだって?

いったい、どうやって?

天才的な頭脳を持つテッサでさえが、眉を顰めた。

それを見て取ったフェイトたちは自身たちの理解を超えるものだとすぐに直感した。

かつての優香が相手にしていた”妖魔”は、半人半妖ともよばれる戦士と、妖魔のもつ妖力を同調させる事によって”ある程度の”操作は可能であった。

しかし、そのほかは――

制御できる化け物は確認されていない。

同調という手立てはほぼ使用不能。

多大な精神負荷を伴うし、妖力探知に優れる戦士でも不意を付いた場合のみしか使えない。

無論、優香とガラテアという例外はいるのだが。

後は双子に同じ妖魔の血肉を取り入れ、自我を殆ど持たせずにひたすら同調訓練を繰り返した元No1、2のアリシアとベス。

この二人のどちらかが同調役として覚醒する側の精神を制御する事でその巨体を制御する事が出来た。

だが、先に言ったとおり、双子であること、自我を持たぬこと等この方式には問題が多く、アリシアとベスが戦死したあとは作られていない。

優香やガラテアは才能によるところがおおいので例外。

つまり、妖魔も完全には制御できていないのであるが。

それに、どうやって厳重の血肉を取り入れるのか?

そこが重要だろう。

「はい。所属は時空管理局武装隊アライアンス4課。名はローラ・グラシア。
 主の”元”教え子ですね。カリム様にもその力のことはよくわからないと」

「そうですか・・・」

アライアンス。殺人部隊。

テッサは溜息をついて天井を見上げた。



「・・・ぅ・・・」

優香は眼を覚ました。

そして体が動かない事に気づいた。

まわりが非常に埃っぽい。

優香は軽く咳き込んでから周りを見回してみた。

瓦礫の山。フラッグの制服を着た男たちが瓦礫に挟まれて、身動き1つしなかった。

そこではっと優香は体が動かない理由に気づく。

首を回して自分の身体を見る。

瓦礫。

はさまれている。動かないのではなく、動けない。

身体は無事だ、おそらく。

妖力を開放。

腕に力を込めると、身体は瓦礫の外へと這い出ていく。

背後でごごごごと瓦礫が崩れる音が聞こえる。

「・・・・ょ・・・ッ!」

でた。

優香は身を起こしてその場に座り込んだ。

瓦礫は崩れていく。

優香は妖力を静かに収めながら零と白嵐、そして神父と綾音の姿を探す。

すぐに零と白嵐を発見。だが、神父と綾音の姿が見当たらなかった。

「・・・ち」

やる気のなさそうな舌打ちをしてから優香は身を低くたまま零と白嵐が埋まる瓦礫の山の前へと移動。

少々大きなさびたパイプを握り、妖力を微調整し、無造作にそれを引いた。

パイプをぶん投げて今度はコンクリートの大きな塊を掴み、後方へと投げつける。

「・・・うっ・・・優香か」

零がうとうとと眼を開けて呟く。

優香は「そうよ」と肯定してから零の身体を引っつかみ、引っ張った。

引っ張り出すと、瓦礫が崩れた。

それに眼もくれず優香は白嵐の埋まる場所へ移動し、再びコンクリートをぶん投げる。

単調な作業を繰り返していくと、白嵐の腕がようやくでてくる。

優香は指先に静電気程度の電流を集め、ちいさな白い腕を突っついた。

「・・・いたっ!!??」

腕がぴくん、と飛び跳ねて、そういう声が聞こえた。

声はぐぐもって聞こえにくいが、間違えなく白嵐のものだった。

優香は慎重にちいさな手首を掴み、引っ張った。

瓦礫が動き、白嵐のちいさな体が出てくる。

「うぅ・・・痛かった」

でてくるなり白嵐は身を起こし、涙目になって呟いた。

「ごめんね?」

「むぅ」

白嵐は優香の謝罪に頬を膨らませながら、上を見上げた。

あの灰色の雲が見える。

「ずいぶんと大きな穴」

「あの似非神父があけたんだろ・・・くそったれ」

優香は感心したように声をあげ、零は忌々しそうに毒づいた。

「あの神父が現実(リアル)にでてくるなんて・・・」

白嵐は呟きながらブレインチップのチャントが繋がるか確かめる。

異常なし。通話、メール等も問題なし。

「ん・・・言われてみれば、確かに」

似非神父ことグレゴリー神父率いるカルト集団”ドミニオン”は、ネットでの活動が殆どであった。

また、神父自身は現実へ出たことはないという。

だから、こうして神父が出てくるのはおかしいわよね、と優香は遅まきながら気づき、眉を顰めた。

「報告する事いっぱいだね。ちゃんと録音してあるの確認したから、報告書は安心して」

白嵐がすっと綺麗な笑みを見せた。

優香はその笑みに微笑んで答え、「さてと」と立ち上がった。

「ギラティナ?」

<何でしょうか。ここ最近呼んでくれなかったのでてっきり私の存在を忘れているのかと思いました>

ずこっ、という効果音がどこからか聞こえた気がする、と白嵐はあたりを見回してみる。

それにしてもこのインテリジェントデバイス、なんだかアルみたいなこと言ってる。

そう思いながら白嵐も脱出するため霊を促し、デバイスを取り出した。



あとがき。


またもタイトルてきとう。

バルドスカイやっている人には19の意味が分かるよね?

ヒントは・・・・与えていいのかな。


まあいい。

ヒントはバルドルとトランキライザーです。


おわり。次はリリカル・イグリプスを変更するね。

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ヒカリさん

Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
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プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

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