*+ASTRAY+*

食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リリカル・イグリプス4話

群馬県・赤城山の頂上付近で身を伏せる私は、機体にときどき周りを見渡しては身を潜め、また時々周りを見れば身を潜るという機動を繰り返させていた
どす黒い赤と黒、白、黄色の4色で塗装されたこの機体の衛士、私こと宮藤里奈はセンサを左右に振る。
敵影なし。その他以上も見られない。
私の乗る旧式――とはいえ日本に初めてやってきたソ連の機体――Su-27”ジュラーブリグ”はなかなか敏感に私の意思に反応し、身を潜めていた。


『こちらレッドサンズ1、まだ見つからないか?』

『こちらレッドサンズ3、いえ、まだです。こうも茂みが激しいと――って、うわっ!』


爆音。
そちらへゆっくりと頭部センサモジュールを向けると、そこからはむくむくと煙が空へと舞い上がっていた。
どうやら私の仕掛けたトラップに引っかかったらしい。
レッドサンズ3――斉藤少尉の舌打ちしている姿を想像してみると、なかなか笑えた。
彼の機体も3世代機ではあるけど、大型の推進装置やエンジンをつけているから割と騒音を撒き散らすし、熱源も大きいんだよね。
それに比べて私の機体、Su-27、2世代機。
・・・なんだけど、母の計らいで3世代機並みの機動力と隠密性を手に入れている。
だから、動かなければ見つかる確率は少ない。


『こちらレッドサンズ2・・・所定位置についたよ・・・ふぁ』


私は後ろを受け持つ横谷香織中尉のちいさなあくびを見逃して、少し機体の身を上げた。
そしてハードポイントに仕舞っていた突撃砲を装備させる。
眼を細めて、敵前衛が最期のトラップに引っかかるのを待つ―――来たっ!

爆音と地響きと爆煙。

すこし火薬が多かったかな、と私は反省してから噴射跳躍した。




いきなりどすの利いた赤の2世代機が飛び出してきた。
俺は機体を急いで後退させようとする。が、それは”敵”の弾の嵐に阻まれる。


「ちぃっ!」


舌打ちしながら突撃砲で迎撃。
敵戦術機――ジュラーブリグ――はそれを滑らかに回避してから突撃砲を片手に保持させたまま、甲高いモーターの音を唸らせた。
―――まずい・・・っ!

甲高い音の正体。
それは”チェーンソー”の音だ。
ソ連機の特徴のひとつ、それは機体前面数箇所にスーパーカーボン製のチェーンソーに似たモーターブレードが装備されている事だ。
そのモーターブレードで俺の機体、不知火弐型丙を切り裂かんとジュラーブリグは身を捻る。
俺は今度こそ後方へ飛び回避。

ジュラーブリグが泥を跳ね上げる。
片手に保持させていた突撃砲を投げ捨てて、さらに接近してくる。
俺も突撃砲をぶん投げて背中の兵装マウントから刀を抜き取りモーターブレードを受け止める。

騒音と共にスーパーカーボン製のモーターブレードと刀が火花を散らした。


『うぐぐぐぅ・・・・ッッ!!!』

「くぅッ・・・!」


火花を散らしあう刀とブレード。
明らかに俺が押されているようだ。

噴射跳躍して俺はさっさと距離をとる。

ジュラーブリグはずさっとモーターブレードを構える。


・・・あー糞アイツ、俺をただの雑魚キャラとしか思ってないのか!


ジュラーブリグの衛士の顔を思い浮かべると、何故か思い切り、それはとてもとても、腹が立った。


ジュラーブリグが噴射滑走!
俺も噴射バルブを開いて滑走!



『こんのぉぉぉぉ!変態がああああッ!』

「変態じゃない~~~~~~ッ!」


彼女が叫ぶ、俺も叫ぶ。

ジュラーブリグの背中からめらめらと炎が揺らぐ!


甲高い悲鳴と共に刀とモーターブレードがぶつかり合う。
網膜にスターテス警告のウィンドウが表示され、警告音が鳴り響く。
腕部アクチュエーター過負荷の警告だった。
頑丈でパワーのもっとある機体――F-15ACTVデルタカスタムとかがそれにあたる――なら、非力なジュラーブリグをパワーで押し切る事は出来たが、残念ながらソレは出来ない。
米軍機と違って日本機は主機出力が小さく設定されているためだ。
このままパワーで押し切っても押し合っていても、機体側から多分オーバートルクと判定され腕部保護の為に刀を強制分離される。
それだけではなく、刀が折れそうだ。
モーターブレードの刃は高速回転している。それが刀の刃を少しずつ削り取っているんだ。


・・・直登さん、はやくしとめてください・・・・ッ!


『あたり』


俺が心で叫ぶと同時にやる気のなさそうな女性の声が耳に響いた。
網膜には新しい警告ウィンドウが立ち上がっている。
警告内容には、”管制ブロック被弾、戦闘継続不可”とあった。

センサを下に向けると、どす黒い赤の不知火弐型が短刀を管制ユニットの収まった胸部に突き立てていた。

模擬短刀の刃に塗られた塗料が蒼い絵を胸部に描いている。


『どう?二階級特進おめでとう♪』


やたらと嫌味たっぷりな宮藤の声が響く。
おれはモーターブレードを下ろしたジュラーブリグを見やる。
勝ち誇ったようにセンサを光らせ、再び跳躍していった。
中腰のまま腰だめに構えて付きたてた短刀を離して不知火も離れていった。




結局その日行われた模擬戦では隊長のおれ、つまり横谷直登大尉、斉藤祐樹少尉の男性チームが敗北し、横谷香織中尉、宮藤里奈少尉の女性チームが勝利を収めえた。
搬入されたばかりのSu-27オルタネイティヴ6仕様は予想以上の機動性を見せ付けた。
本来2世代機のジュラーブリグを3世代機並みの性能まで引き上げたソ連軍の”属7隊(ドミナント・セブンス)”という部隊はなかなかよいセンスを持っているな。
属7隊は現在進行中のオルタネイティヴ6に強く関わる部隊で、実戦経験豊富な猛者たちの集まりだと聞いている。
旧型をここまで仕上げた衛士たちは一体誰だろう。
すくなくとも、なかなかピーキーな機体を好む輩なのだろう、と予想は付く。


「Su-27か・・・一回乗りたいな」


思わず呟く。
ちなみにこの機体はオルタ6仕様と呼ばれるので正式名称は”Su-27AL6ジュラーブリグ”になる。
宮藤少尉によると、本当はSu-37が来る予定だったという。
が、流石に配備したての”チェルミナートル”をこちらに渡そうとはソ連は流石に思わなかったようだ。


「整備士泣かせだと思いますけど」


隣に立つ斉藤少尉がぼやく。
ちなみに今回関節部の損傷が一番激しかったのはやはりこの機体、ジュラーブリグだった。
この機体の関節部の異様な軟弱さは課題のひとつだな。


「まぁ、乗ってる衛士が衛士だしな」


宮藤少尉は近戦においてはこの部隊1だろう。
だが同時に機動が”荒く”なる。無理に機体を動かそうとするためだ。
XM3が入ってから直の事、その傾向が強くなっている。
だから、何時までたっても教導官の聖地、富士にまでたどり着けないのだ。
実に惜しい人物だ。もっと機体の事を考えて動かせばここより上を狙えるのに。

赤いSu-27の周りに整備士が取りついている。
思ったとおり、関節部の疲労が激しいようで整備士達が首を捻っている。

関節の疲労。

そういや、瞳――今は海鳴の防衛部隊所属だったな――にもそんな癖は見受けられたな。
瞳といえば、彼女のの部隊にかなり昔の近衛専用機”瑞鶴”が搬入されたと聞いたが、今度は何を始める気なのだろう。

F-4J改瑞鶴。

かの名高い白き牙中隊の中隊長、篁唯依大尉の義理の父にして伝説のテストパイロット、巌谷中佐がメインテストパイロットを務めたことで割りと有名な機体だったりするが、現代の戦場を生き抜くには少々荷が重いだろう。
なんて言ったってF-4は日本の戦術機開発の始まりのきっかけ。
一体何年前の機体なんだ。
近衛専用なだけあって生産数も少なかった瑞鶴を良く入手できたな、とも俺は思う。
まぁ、アップデートされた激震などはまだ現役だが、瑞鶴は退役機だ。
スクラップが工場に眠っていたりするんだろうな。


「そういえば、スフォーニってまだノースロック・グラナンと縁を切ってないんですよね?」

「ああ、そうだな。アラスカで有名だった”紅の姉妹(スカーレットツイン)”が乗ってたSu-37UBチェルミナートルの構想もグラナンが元だからな、それに現在絶賛量産中のSu-47にもグラナンの技術が使われているって話だからな」

「へぇ」


Su-27の機体細部を良く見ていると、米軍のF-14トムキャットなどと酷似してる。
秘密裏にグラナン社と技術提供などをしていたそうで、実質的にはトムキャットやホーネットの後継機、という事になるらしい。
瞳の解釈ではソ連とアメリカのハーフだそうだが、その解釈も間違っていない。


「なんで宮藤はMiG-35を選ばなかったんでしょうね」

「・・・たぶん、趣味なんだろうな。
 そもそも正式採用されなかった機体を持ってきたって部品に困るだろう?」

「そうですね・・・あいつの戦術ではスーパーフォルクラムのほうが合っている気がしますが」


MiG-35”スーパーフォルクラム”。
MiG-29フォルクラムの発展型であり、機動力ではSu-37チェルミナートルをも上回るという。
フォルクラムの抱えていた稼働時間の短さという弱点も克服しており、当初はMiG-35のほうが優勢だった。
だが、生産コストがチェルミナートルより高い事、整備性の悪さなどが影響し結局ソ連軍主力の座を譲ったという。


「言っただろ?コストが馬鹿にならないんだよ。
 確かに機動性はいいがな」

「稼働時間もチェルミナートルより少しだけ短いと聞きますし」


まぁ、MiG-35は日本で言う不知火丙だな。
ギリギリまで機体の装甲やその他装備を削り、化け物じみた機動性を手に入れたものの稼働時間が短く、後継機でその弱点を克服したというエピソードがどちらにもある。
それにソ連の戦術と日本のそれは酷似する、国内の状況も。
これで設計した組織が同じなら、完全に双子機だったんだが。
まぁ、そんな事はともかく。


「そういや、宮藤は?」

「・・・たぶん食堂ですね。合成食をあさってるんじゃないですか?」

「報告書忘れていそうだ・・・・」

「ですね」


ふと溜息をついてから一番機位置に止めてある俺の愛機を見やった。
不知火弐型。装甲の形状などは隣に並んでいる不知火とは異なっている。
というか、この部隊で改造せずに戦術機を使っている人物なんていない。
その不知火の隣には赤城教導隊カラーのF-15SE(サイレント・イーグル)の姿がある。
ちなみにこのF-15SEも俺の機体だ。
そのさらに隣の戦術機は装甲が剥ぎ取られ、無造作にシートで包まれている。
中身が何かというのを知っているのは俺と妹の香織だけであったりする。


「さてと、こちらもまだ次の仕事があるな」

「えっと・・・不知火弐型攻のマニュアル作成でしたっけ?」

「そうだ」


俺は斉藤の言葉を肯定すると野外格納庫の出口へ向った。




「にゃあああっ!?」


BETAの大群が迫る。
私は吹雪の逆噴射バルブを慌てて開いて機速を落とす。

振動が私の身体を揺さぶる。機体がスライディングする。


「って、ちょっと、なんなのおおおおおっ!?」


機体が今度こそ止まらない。
私は機体に保持させていた投射電磁砲のトリガーを引く。
BETAは紙のようにひしゃげ、宙を舞う。
が、BETAの津波は弱まる事は無かった。
網膜上のモニタに新たなウィンドウが開かれる。
衝突防止警告。
止まれないんだから、そんな警告は無意味だよ・・・。

衝突。衝撃。


と、突然周りの景色が変化。
無機質なシュミレータ室の風景だ。
網膜には六角形のウィンドウが立ち上がっており、"ヴォールク13終了”と書かれている。


『こちらCP、無事か?高町軍曹』


篁大尉の何時もの気遣う声が耳に入る。


「はい・・・まぁ。大分慣れましたし・・・・」


私は溜息混じりにそう答え、シートのバックレストに寄りかかる。
訓練3日目。
元々管理局武装隊だった私はそれなりに身体を鍛えてあった。
そのせいもあってかシュミレータ訓練に入るのは通常よりかなり早かった。
だが、毎回シュミレータの結果は散々であった。
ついでにGに対する持久力もない。
だから、非常にやりにくい、魔法戦以上に疲れる訓練なの。


『そうか、ではシャワーでも浴びてブリーフィングルームだ。待っている』


通信途絶、の表示が網膜に映される。
私は再び溜息をついてからてきぱきとシャットダウンを済ませ、機体の管制ブロックから出た。
この吹雪改に搭載された武装は私向けに変更されている。
突撃砲を減らして投射電磁砲を装備させたり、追加装甲を装備していたりしているんだ。
借り物、なのにここまでしていいのかな、なんて思うけど、またアリシアちゃんたちに聞いたら素っ気無く返されそうなので聞かないで置こう。


「・・・あれ?」


シュミレータの影に人の気配を感じた。
私は不思議に思いながらレイジングハートを握りその影へと向かう。
そして、思い切り睨みつけ、私は叫んだ。


「誰っ!?このシュミレータ室は現在帝国近衛軍ライトニング中隊が使用している!でて来いッ!」


篁大尉直伝の軍人口調で叫ぶ。
すると、するすると数人の帝国軍制服の士官がでてきた。
私は再び問う。


「貴様らの氏名、階級、所属を知らせ!」


・・・。


・・・・・・。



何?何なの?この気まずい雰囲気。
この重い沈黙は一体何?


「涼宮詩織中尉、日本帝国海鳴基地防衛第5機甲小隊所属」

「横川春奈少尉。帝国海鳴基地防衛第5小隊所属」

「藤原沙織少尉です、所属は右に同じく」


3人は敬礼して見せる。
私も答礼を返しながら、ふと気づいた。
ちょっとまって?私階級下じゃない?
近衛は一階級は上に見られると言われるけど、それでも曹長。
この3人のほうが階級上だよ。
うわ、やっちゃった、どうしよう?


「うん・・・はぁ」


力なく答えてから、溜息。
上官の前だというのに私は何をやっているのだろう?
最低限の敬意は払わなくてはならないのに、私は、全く・・・。
どうか、篁大尉たちにはばれませんように・・・・。


「・・・?どうしたの?」


うわ、上官の1人――藤原中尉――が私のこと気にかけちゃってるよ!
私は慌てて背を伸ばし「だ、大丈夫です!」などと答えてから自分の体が熱くほてっている事に気づく。


「顔、赤いよ?」

「にゃあっ!?」


藤原中尉に顔が赤い事を指摘され、思わず飛び上がる私。
上官の前で私何やっちゃってんだろう?
篁大尉がいたら”貴様、名誉ある近衛の衛士・・・訓練兵とはいえ、何だそのざまは”と言われかねないし。

と、そこで2つの靴音。

シュミレータ室の入り口を振り返って見やると―――。


「何やっているのだ?」

「何で近衛のシュミレータ室にお前らがいるの?」


そこには大尉と中尉が立っていた。
二人とも衛士強化装備姿で、方や近衛の衛士装備を、方や帝国軍衛士装備を着た二人の士官はゆっくりと歩いてくる。
鮮やかな山吹色の強化服を着こなす大尉――篁唯依大尉はじろっと私を睨み、続いて私の前に立つ帝国軍士官3人を見やった。
胸にはウィングマーク。そして部隊章。


「・・・ほぅ?横谷中尉、貴様も随分と大変な眼にあっているようだな」

「あ、うん。特に工藤がもう大変」


無駄に女の子スマイルで篁大尉の隣にいる帝国軍衛士が口を開く。


「そうか。・・・高町軍曹、紹介する。彼女は海鳴基地防衛第5機甲小隊、横谷瞳中尉だ。
 で、貴様の前にいるのが横谷中尉の部下だ」

「は、はぁ・・・・」


私は力なく答えてから隠れて溜息をついた。


「で、何でお前らがここにいるんだ?」


横谷中尉が3人の少尉に問う。


「「「シャワー浴びたかったから。ライトニング隊って無駄にシャワーブースがあるって聞いたし、使用回数も殆ど制限されていないって」」」


3人は口をそろえて答えた。
その問いを聞いた篁大尉はやれやれと肩をすくめ、横谷中尉は盛大に溜息をついた。
にしても、随分と単純な理由でここに入ってきたんだ・・・。
施設入り口には近衛の門番がいたはず。
一体どうやって転がり込んだんだろう。


「お前らな・・・そんなに謹慎がいいのか?」


どす黒いオーラを漂わせて横谷中尉が呟いた。
その声にぴくりと肩を揺らす3人。


「・・・あー、ゴメン、タコ」

「ゴメンね?」

「ごめんなさい♪」


やたらと楽しそうに笑って返事を返す3人衆。


「「・・・」」


私と篁大尉はぽかんとその場を静観する。
横谷中尉は眉をヒクヒクと動かしてフキゲンをあらわにしている。
が、すぐに落ち着きを取り直し、篁大尉の顔を見つめた。


「すみませんでした。ほんとすみませんでした!
 ご恩は忘れないのでこのまま返してください!じゃないと俺が死にそうですっ!」


・・・え?

はい???

俺が、死にそう・・・?


ごめん、全然意味分からない。
女の子、だよね?髪が長くて、強気そうな顔しているし。胸も若干ながら膨らんでいるし。
しかも死ぬって?
それにあの篁大尉がそのまま無断侵入者を帰すとは――


「・・・次は無いぞ?行ってよし」


えええええええ!
ちょっと待ってよ!
一体どういうこと!?
あんなに規則規則五月蝿い大尉がこの軍法会議ものの出来事をスルーするだってっ!??
私は混乱して栗色のサイドポニーを振り回し少尉たちと大尉たちを交互に見やる。


「不服そうだな、高町軍曹?」


むは、やっぱり見透かされてるよ。
ふむん・・・篁大尉ってエスパー能力でも持ってるのかな。
いつも先を読まれてるんだよね、作中にはないけど。


「彼女たちはかの赤城教導隊に縁があるし、そのうち貴様もその部隊にお世話になるだろうしな」


教導隊という響きに懐かしさを覚えながら頭の中の地図を開いて赤城という地名を探す。


「というわけで、解散。それと中尉、ちょっといいか?」


篁大尉は横谷中尉と連れ立って部屋を退出。
少尉たちもしぶしぶ部屋を出て行く。

取り残された私は、ぽかんと彼女たちの後姿を眺めた。




「・・・イーニァ、何見ているの?」

「クリスカ・・・あれだよ」


とある建物の屋上で銀色の髪を宙に流している2人の少女が空を見上げていた。
二人とも胸にはウィングマークと中尉の階級章が光っている。
数年前は”紅の姉妹(スカーレットツイン)”と呼ばれた二人は空を眺めていた。


「あれって、何?」


短い銀髪の少女――クリスカ・ビャーチェノワ中尉が傍らに立つ、頭1つぶん小さい衛士に問う。


「あれ。桜色の光。白い女の子。・・・どこかにいるはずなのに、どこだろう」


イーニァ・シェスチナ中尉は空の一点を指さし、考えた。
今。確かに見えたの。綺麗な桜色の閃光が。
この世界のどこかに、いるはず。
だけど、どこなのだろう?
彼女の眼の輝きを見ていると、何故かそういう気にさせた。


「・・・そっか」


クリスカは不本意そうな顔をしつつ、深く追言するのを止め、沈黙した。

私は給水塔の上で彼女たちをずっと見つめた。


「・・・ねえ、ギンガ」

「何?イーニァちゃん」


ふと声をかけられ、慌てて微笑を作ってから優しくそう答えた。
私の顔が見えたのかは定かではないけど、安心したようにイーニァは頬を緩めた。


「貴方なら見えるよね、桜色の閃光。白き悪魔が」


白き、悪魔――。
ぞっとしない響きに逆に驚いてから、彼女に見えるように私は頷いてあげた。


「うん、見えるよ。桜色の綺麗な光」




あとがき

出会い回ですが、あまり美味くないです、ごめんなさい。

orototさんの「頭文字S」から主要キャラクタがやってきましたw

シャワー浴びたいが為に近衛施設に侵入とは・・・w

ちなみに、この作品は「マブラヴ トータル・イクリプス(通称マブラヴTE)」(ファミ通文庫)と「リリカルなのはStS(第3期)」のクロスです。

さて、次あたりで恐らく、オルタ6関係の話が出ると思われ。

では。
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://tinatuinoue.blog37.fc2.com/tb.php/354-1b1f2e94

左サイドMenu

プロフィール

ヒカリさん

Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
http://pr.fc2.com/hikarisan/
プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

~所有ゲーム~

DS
・わたしのリラックマ (積みゲー)
・シムシティDS2 (進行中?)
・おいでよ どうぶつの森 (進行中?)
・ポケットモンスターダイアモンド (殿堂入り完了)
・スーパーロボット大戦W(VSゲイツ戦フルメタルートまで)
・大合奏バンドブラザーズ (マスター攻略中)
・ポケモンレンジャーバトナージ (積みゲー)

PSP
・PATAPON!2 (積みゲー)
・初音ミク Project DIVA (ハード攻略中)
・初音ミク project DIVA2nd
・魔法少女リリカルなのはA's (クリア済み)
・魔法少女リリカルなのはA’sGod(クリア済み)
・モンスターハンターポータブル2ndG(積み)
・最後の約束の物語(セレス√攻略中)

GBA
・ポケットモンスタールビー (クリア済み)
・ポケットモンスターサファイア (クリア済み)
・ポケットモンスターエメラルド (クリア済み)
・ポケモンダンジョン 赤の救助隊 (積みゲー)

PC
メイプルストーリー (進行中)

好きな言葉はSylphid(シルフィード)、Sylph(シルフ)、Maeve(メイヴ)ASTRAY(アストレイ)

ついったー

最近の記事

最近のトラックバック

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

リラックマ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メイプルウォッチ

スカイガールズ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

バロメーター

QRコード

QR

当サイトについて

当サイトはヒカリさんが運営するサイトです。 本来は日記としてこのブログをつけていましたが、現在はクロスオーバーSSもあり。 コメントの嵐は迷うことなく消去させていただきます。 成りすましコメントや、スパムといったものも消去対象となりますのでご了承ください。 SSは作者や製作会社には一切関係ありません。

現在閲覧者数

同じくバグから復活させました、以前のバグは・・・?

現在の閲覧者数:

来訪者数

復活しました。以前のバグは何だったのだろう・・・

右サイドメニュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。