*+ASTRAY+*

食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リリカル・イグリプス9話

-八神はやて-

「こちらアルゴス5、配置についたで」
『こちらアルゴス4、了解。ツヴァイは?』
『ちょっと待ってくださいです~・・・うん、今ついたです!』


私は乗機であるF-15SEを空中に静止させたまま、目の前をにらむ。
そこはただのアラスカの空だった。
青い、空。そして、すっかり雪化粧されて美しくなった大地。
今の人類があまり見ることのできない光景がそこにあった。
それは同時に、ここが戦場から離れた後方の場所であるという認識を私にさせた。
それが腹立たしかったけど、親の命令だ、仕方がない。
前線に出たくても、出れない衛士なんて、私以外にいないだろう。
米軍は志願制なので、志願すれば前線に出ることはできるだろうけど・・・普通なら。
だけど、私の親は軍の関係者なのだ。それも長官クラスの。
環境としては、日本帝国の御剣冥夜少尉に似ているだろう。
まあ、彼女は今、愛機をXM3の開発者の一人、白銀武に預けてバーナード星係に旅立っているけれど。
ついでに、愛機の各もぜんぜん違う。
御剣少尉は武御雷の紫。つまり、将軍機を預けられていた。
でも私は、試験機とはいえ、すでに実用化されているF-15だ。
何だろう、この格の差。地味にむかつくわ。


『ではこれより、F-15ACTV用の大型砲試験を開始します』
「『『『了解』』』」


今回私の背中を預かるのは、カルラ・ペルネス少尉だ。
乗機はF-15ACTV。すでに生産されており、それの強化武装テストのために乗っている。
対する相手は、ステラ・ブレーメル少尉とリイン・ツヴァイ少尉。
ブレーメル少尉の愛機もやはりF-15ACTVで、思えば彼女がそれ以外の機体に乗っているところを見たことがない。
なぜだろう?昔のアルゴス試験小隊メンバーから受け継いだものだろうが、それほど重要なものなのかな?
彼女に気になって聴いてみたことがあるけど「一番信頼できる機体だから」とだけしか教えてもらえなかった。


『では、カウントを開始します。ルールはブリーフィングのとおり、砲撃戦を主とし、訓練空域外へ離脱は不可。
 両軍ともフラッグプロットは壊滅。オープン回線は僚機に限定。制限時間30秒。それを7回繰り返します。
 発煙弾などの武装は許可しません、カウントを開始します』


指揮所から最終的な説明がされて、カウントが開始された。
私は操縦桿(スティック)などを握りなおす。やけにF-15SEの駆動音が大きく感じられた。

3、2、1・・・――開始ッ!

私は即座にスロットルを叩き込む。
急加速。景色が灰色になって、空気のごうごうという音が聞こえてくる。
正面に敵機。機種は・・・F-15ACTV、ブレーメル少尉のものだ。
灰色のごっつい機体が近づいてくる。速度ではあちらのほうが上。
プラッツ&ヴィットニー社製の主機が甲高い音を出している。
だが、旋回性ではこちらが勝る。日本の不知火の技術が応用されているためだ。
ちなみにF-15ACTVは普通にアメリカ製。集団戦に長けており、日本機とは180度特性が逆である。
私は左右のスラスタを器用に使って斜め左の体制になる。
一方のブレーメル少尉は例の大型砲を構える。
相手が撃ってきた。私は右のスラスタを全開に。
そして急降下。左へフェイントを掛けて、右へ逃げ、降下し相手の背後を取る。
私は突撃砲を放つ。F-15ACTVのものに比べれば、豆鉄砲みたいなものだ。
F-15ACTVは肩を左右に揺らし急上昇。外れた。
私も後を追う。上昇力はブレーメル少尉のほうに分があるらしい。
じりじりと引き離されていく。無骨で大型なだけに、燃費は悪くともパワーがあるのだ。
車で言ったらたぶん、日産社?ハマーなんかもそうかな。あまり詳しくないからわからんけど。
と、F-15ACTVが急に反転。高速で私の機体の頭上を通過。
後ろを取られたか。まずいかも。
撃ってきた。連射速度は悪いが、一発一発が大きいな。
私は当たらないようにコブラ飛行をさせ、次の手を考える。
ほんの一瞬で次の一手を決めて、私は手足を動かした。
左上へ上昇、急減速。速度を殺しきれず減速できなかったF-15ACTVが通り過ぎる。
私は再び少尉の後ろを取った。
サイトにF-15ACTVの後ろ姿が捉えられる。ブザー音とともにそれが赤い四角で囲まれる。
ロックオン。私はトリガーを引いた。
すぐに管制を勤めるサポート機から判定が帰ってくる。
右増設ユニットに被弾。F-15ACTVは右肩に増設されたスラスタの出力に制限が加えられる。
相手も負けじと後ろを取る機会を探っている。私は器用にスラスタを操る。
だけでなく、各部モジュールの位置をずらして空力を制御。
これは日本機から学んだ技術の一つで、こうすることによって効率がよくなり、機体の重さを軽くできる。
ということは、小さなエンジンでも早くなれる。
私はその特性を生かすため、わざわざ相手の背中から胸部が見える位置に移動。
相手の武装が私の機体を捕らえる。警告音が鳴る。
急上昇、長刀を抜き取る。
相手も同じように上昇する。F-15ACTVには長刀の間合いの武装がないのだ。
私は再び背後に戻ると、今度は真上へ、降下。
長刀を振り上げる。さあ、この勝負、もらったでっ!



-高町なのは-

今回の模擬戦の結果。
Bチーム撃墜数2で全機撃墜された。
つまり、Aチームの勝利で終わりを告げた。


「今回はお疲れ様でした。
 私にとってもみんなにとっても、何より高町にはよい経験になった。
 これからも我々は共同戦線を張ることが多くなると予想される。
 各自親睦を深めておけ。明日は赤木教導隊による個別訓練とフィジカルトレーニングが主だ。
 各自の健闘を祈る。以上だ、解散」


フェイトちゃんの低い声が終わりを告げた。
私はデスクから立ち、これからどうしようなどと考える。
普段は魔法の訓練に当てていたのだけれど、今回は場所が場所だ。
まだ慣れていないからどこが人が少ない場所なのかわからない。
そう思って突っ立っていると、ふと肩をたたかれた。


「にゃっ!?」
「そんなに驚く必要ある?高町軍曹殿?」


そこには赤城教導隊の宮藤里奈少尉を初めとした上官たちが居た。
横谷瞳中尉はもちろん、ほかの高性能機殺しのメンバーも居る。
今回も”ハイスペックキラー”横谷中尉はソ連のSu-27という機動力の高い機体を撃破した。
後継機のチェルミナートルより劣るものの、2世代機の中では非常に強い機体である。


「あ、いえ・・・そんなことは」
「・・・ふぅん。まあいいか。ねえ、これからご飯食べに行くの?」


親しそうに話しかけてくる宮藤少尉。
私はさっきまで、とりあえずどうしたものかと考えていたんだっけと気づいた。


「えっと・・・自主練でもしようかなって、あはは」
「ふぅん。さすが篁大尉の教え子さんなだけあってまじめだなあ」
「確かに言えてるかも。タコなみにまじめじゃなイカ」
「ネタが・・・まあいい。そんなに俺まじめだったっけ?」


私の目の前で思い出話に花を咲かせる上官の皆さん。
ちょっと、困るな。そういうの。
途方に暮れて部屋を見回していると、今度は雷刃たちまでやってきた。


「あーいたいた、なのは」
「今回すごかったよ!ねえねえ、なんであんな機動であんな狙いができるの??」


雷刃とアルテアが興奮気味に私を攻め立ててきた。
ちょっと、だから困るって。
これじゃあ魔法の練習どころじゃなくなるじゃなイカ。
・・・って、あれ?
じゃなイカ?
ちょっと待て、私の言語パッドがおかしくなってきた。


「すごくまじめだったよー、一番最初に不知火という名のじゃじゃ馬を手なずけたのタコじゃん?」
「あ、そうだったか?おれより涼宮のほうがすごかったと思うが」
「うん・・・ってか男口調になってるぜ?瞳っち」
「お前もナ」

「ねえねえ、教えて~」
「私も興味あるんだけど。どうやってあんな照準ができたのかしら?」


からからと笑う上官たちに、詰め寄ってくる雷刃ちゃんとアルテアちゃん。
うー、どうしたらいいんだろうか?
とか思いながら、私は先の模擬戦を思い返した。

私はスラスタを細かく使い、雨宮中尉の武御雷から逃げ、篁大尉と交代交代で――スイッチと呼ばれている技術――射撃し、どうにか雨宮機を撃墜。
ちなみに、細かい動作をしながら砲撃を行っていた。
照準は半分感だ。まあ、くせみたいなものかもしれないけど。
そして次にやってきたのは横谷瞳中尉。
中尉はまず真っ先に手榴弾を投擲。
私は回避。すると、いつの間にか投げられていた投げナイフ(とあるライトノベルでは対戦車ダガーと呼ばれている)にあたりそうになり、必死に回避。
この投げナイフには爆薬がついているから、絶対にあたりたくなかったから。
で、そうやって篁大尉と二人で逃げ惑っていると、ふいに横谷中尉からの投擲がなくなった。
なんだろうと思って、そこを拡大したら、背後からぐさっと長刀を刺していた涼宮中尉の武御雷が。
まあ、そんな感じで模擬戦は終了した。

「まあ、その、勘だよ、勘」
「え~、そうなのぉ?」
「うん」
「これが噂に聞く感覚派というやつなのね」

唸る雷刃ちゃんに感心するアルテアちゃんを見ながら、上官組みの会話に耳を傾けてみる。
すると、やれメカ萌えだの美人万歳だのと聞こえてくる。
じとっと横目で見やると、いつの間にか工藤少尉も混じっていて、かんっぺきに話の根っこが折れていた。
私は、雷刃ちゃんとアルテアちゃんが話し込んでいるのを確認して、そろ~っとブリーフィングルームを後にした。



-高町なのは-

魔方陣を引く。
桜色のそれを見てから、今度は丸い球体を出現させる。
これは誘導弾で、私はアクセルシューターと名づけている。
で、さらにスフィアを展開。空き缶がないので、これで代用することにした。

「それじゃあ、いくよ、レイジングハート」
<はい、マスター>

私が頭の中で軽く誘導弾の機動を思い描いてやると、アクセルシューターは素直にその機動を模倣して空へと舞った。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ・・・。
撃墜してはまたひとつスフィアを増やし、また撃墜してはまたスフィアを増やすという作業を繰り返す。
私みたいな砲撃型にとって、誘導弾は非常に重要なものだから、重点的に訓練することにしている。
だからかな、とくにやめようとも思わないし、飽きたこともない。
途中で物事を投げ出すなんて、最低以外の何事でもないから。

気づけば完全に日が沈んでしまっていた。
200メートルほど離れたところにある格納庫の裏入り口から漏れてくる光が、結構はっきりと見える。
回りも暗くなっている。
夕食時だね。あまりおいしいとは思えないご飯だけど、みんなで食べればどうにかなるし、だから一人になりたくない。
私は早足で隊舎に向かい、食堂へ入った。
すでに人は増え始めている。私は食堂のおばちゃんに合成さば味噌定食を頼んでから、空席を探した。
ちょうど、観葉植物で陰になっている角の席が開いていたので、私はそこに座った。
カウンターから入れてもってきた合成ドリンクをちょびちょびと飲んでいく。
やはり合成食なだけあり、あまりおいしいとは言えないけど、疲れた体に心地よい冷たさが後を引く。
ちょびちょび飲みながら、今度はイメージトレーニングを開始。
仮想のレイジングハートを握り、たくさんのガジェットを落としていく。
アクセルシューターで、時にはショートバスターで、時にはディバインバスターを使いながら、どんどん前へと進む。
風の感覚まで体は覚えていて、体を撫でる風や私の動きに抵抗する風も感じられた。
私の番号が呼ばれて、私は机にハンカチを置いて席を立ち、カウンターへ向かった。


「あ・・・、篁大尉」
「ん?どうした」


私は軽く会釈してトレイをおばちゃんから受け取る。
大尉も同じようにしてトレイを受け取り、しげしげと私を見つめた。
照明のせいか、紫に見えなくもない瞳が、じっと見つめてくる。
あの?ちょっと、何ですか?


「おっと、すまない・・・、ちょっと、な」
「え?」


それ以上何も言わず、大尉は自分の取った席に歩み去っていった。
私は首をかしげながら、湯気を出す合成さば味噌煮を見つめ、早足に自分の席に戻った。
すると、今度は隣のテーブルに、横谷瞳中尉たちが居た。
意外にも、その輪にステラさんたちライトニング後方士官の姿も見える。
私はそろーっと視線を戻し、着席。
なるべく隣から聞こえる恋話などをスルーして箸を手に取った。


「え~、つまり、篁大尉の家は譜代武家の家であって、いやまあ、それは知ってるんだけど・・・。
 その大尉の家にフェイト少佐が居候していて、横谷家は篁テスタロッサ双方に顔が利いていて、えっと・・・。
 それを黙認していたわけか。で、フェイト少佐と母親を和解させようとしたのが、そのなのはって娘なんだ」
「ああ、そうだ。
 だからフェイト少佐のことも知らないこともないが、年上だしな。
 その辺はこの”変態姉貴”に聴いたほうがいい」
「誰が変態なの?タコ」
「タコ言うな」
「だって、ねえ?」
「確かにタコみたいに見えたね、あの不知火の時」

香織中尉に同意を求められ、涼宮中尉がうなずく。
うーんっと、そういや瞳中尉が”タコ”と呼ばれる理由って?

「そういえば、何で瞳中尉がタコ呼ばわりされているのかしら?」

ステラさんが怪しげな笑みでそう問う。
いや、怪しいというのは、エロイというかなんというか、そういう方面で。
今ふと思ったけど、ステラさんってパーティとか似合いそう。
高いドレスとか着て男性と一緒に踊るあれ。えっと、社交ダンスだっけ?
とりあえず、そんな感じのが似合いそうだなあ。

「それはですね、訓練機のマーキングとかディテールが資材不足とかなんちゃらで赤だったんです。
 で、動きが早いためにそれがタコの足みたいに見えたんだ、それがタコというあだなの始まり」
「それに、合成食のタコ食い漁ってたし」
「それは腹が減ってたからだっ、勘違いするな!」

わははは、と笑いが起こる。
私も思わず口に含んでいた合成さば味噌煮を噴出しそうになった。
へえ、そういうので2つ名ができたりするのかあ。
私の場合は・・・はぁ、もう恥ずかしいよ、悪魔とか。

「ん?高町軍曹、笑うなよ恥ずかしい」
「わ、笑ってないです・・・ははは」

きっと瞳中尉に睨まれる。
怖い、怖いです中尉。
でも面白いんだから仕方ないじゃないですか。
タコって意外に意味があったんですね。

「んもう・・・なんでタコでウケるんだよ・・・」

瞳中尉のぼやきが聞こえてきたが、爆笑でみんな聞こえなかったらしい。



-八神はやて-

4ヶ月前、久々にブレーメル中尉と演習をやったときのことを私は思い出しながら、キーを叩く。
まったく、ドーゥル大尉はなんでこんなに締め切りがせっかちなんやろう?

「全っ然終わらない・・・」
「ですぅ・・・」

私とツヴァイは半分死んだ目になっているんだろうなあ。
ちなみに、ほかの隊員たちは報告書をすでに書き終えているらしい。
すごい、なんでみんなそんなに早いんや?
私はそう疑問に思わずには居られなかった。
4ヶ月前のあの演習は結局私はブレーメル少尉に撃墜された。
その後のハンガーでいろいろと指摘されて、最近は言われたことを意識して飛んでいたりする。
先ほど(つまり冒頭)で、それを思い返していたのは、本当に実践できているのか否を考えていたためだ。
で、回想にふけっている間にみんな書き終えてしまった。
ツヴァイはただ単にタイプ速度が遅いだけだ。
電子兵装系には詳しいくせに、タイピングが恐ろしく下手なのだ。

「まだ終わらないんですか~?」

ペルネス少尉が扉から顔を覗かせてくる。
私はむっと顔をしかめながら、しっしっと煩げに手を振ってやる。
すると、少尉はちぇーっという顔になる。

「何や何や、また人の邪魔しに来おったんかい」
「え~ひどくないですかそれえ~。
 せっかく差し入れ持ってきたのにぃ」

ぷぅっとペルネス少尉が頬を膨らませる。
私より年上だが、顔が童顔なためか、子供のように見える。
ツヴァイもそう思ったのか、席を立って必死に背伸びして、ペルネス少尉の頭を撫でようとした。

「うわー、私年下に舐められてる~」

口ではひどいことを言ってはいるが、顔はうれしそうに微笑んでいる。
ちょお、私より年上で撫でられるのが好きってどういうことや!?
ある意味これはアルゴス試験小隊の問題やでっ!?

「いい子いい子ですぅ~」
「ん~ツヴァイちゃん意外と手つきいいねえ」
「なんやっ!?
 まさかの百合かっ!?」

驚愕する私を尻目に、ペルネス少尉もツヴァイの頭で撫で撫でし始めた。
二人で撫であいを続けながら、何かを話し込み始めたが、もうしらん。
私は何も知らないで。ツヴァイが締め切りに遅れたってフォローしてやらへんからな。
私はブスブスと頭から煙が噴出しそうな勢いで赤面した――デスクにミラーが置いてあるからわかった――。
もぅ、見てて聞いてて恥ずかしい。早う部屋から出て行かへんか。

「貴様等、最近余計に騒がしくないか?
 たるんでるんじゃないか?」
「「ぎくっっ!!」」

私は入り口のほうを向いた。
すると、そこにはアルゴス試験小隊の隊長、ドーゥル大尉の姿がそこにあった。
きまずーい雰囲気が部屋中に充満する。
撫であっていたため、かなり接近しているペルネス少尉とツヴァイは、一見すると抱き合っているように見えていた。
そしてそれを凝視するドーゥル大尉。

「・・・貴様等、仮にもここは軍の施設だ。そして貴様等は軍人だ。
 民間人の守り神なるものが・・・・そんなことしてどうする」
「あ~、別にそういうつもりじゃあ・・・・」

ツヴァイから一歩はなれて、頭をぽりぽり掻きながらペルネス少尉が言った。
すると、ツヴァイも同じように一歩はなれて大尉に向き直り、こちらは頬を掻いた。
私は、モニタに目を戻し、キーをたたくフリをした。
気になって全然集中できへんからな。

「じゃあ、何故そんな顔をするんだ。
 何故、あんなにくっついてたんだ?」

ぎくぅ、という効果音が聞こえた気がした。
ちらっと私は二人を見やる。
二人はびみょーに足が震えていて、冷や汗らしきものが額に光っていた。

「ちょっと、再教育してやる必要があるようだな」

そして、むごい音と悲鳴が聞こえてきた。
私はどこからともなく取り出した耳栓を耳にはめてから、集中しようと思ってモニタに目を走らせた。
すると、メールが来ていることを示すアイコンが表示されていることに私は気づいた。
クリックして、中身を見てみた。
私は乱闘を繰り広げるドーゥル大尉たちを呼んだ。



-イーニァ・シェスチナ-

「失礼します」

私は大きな扉の前で、声を張り上げた。
背筋をピンと伸ばして、制服の裾を延ばす。

「入ってきなさい」

低い女性の声が、入室の許可を告げる。
私は扉を開けた。
そして、室内へ入る。
背後で音を立てずにしまるドアの気配を感じながら、私は室内の奥へと進む。

「ソビエト連邦軍第7開発局特殊試験小隊から来ました、イーニァ・シェスチナ中尉であります」

私は、部屋の主の前で声を張り上げた。
そして、右手を上げて敬礼する。
物心ついたころから続けているためか、すっかり習慣になっている為、個人的に会った時でもしてしまうのだ。
今回も、個人的にだから、しなくてもいいはずなのに。

「はい、いちいちごくろうさま。
 わざわざ悪いわね」
「いえ、だいじょうぶです」

目の前のプレシア・テスタロッサ千島基地副指令が、柔和な笑みを見せて私をねぎらってくれた。
私も頬を緩めてそれに答え、彼女の元へ近づく。

「それで、早速本件にはいるけど、いいかしら」
「はい」

テスタロッサ副指令は卓上のノートパソコンを操作し、こちらにモニタをむけた。
それに映っていたのは、夜の暗闇の中にぼんやりと浮かび上がる桜色の光だった。
淡い輝きを放つそれは、今までに見たことがない光だ。
強く儚く、どんなときでもまっすぐ前に、自分の道に進んでいるような光。
なぜか、ひどく人間くさく感じられた。

「これ、何だと思う?」
「え・・・戦術機のセンサのヒカリでは?」

私は私見をいれず、ありそうな可能性を言った。
すると、彼女はコーヒーの入ったカップを取りながら言った。

「魔力よ、これ。
 この場所に能力者を派遣したんだけど、そこだけ綺麗に魔力素が検出できなかった。
 ということは、このヒカリがその場所の周囲に飛散していた魔力を使っていたってこと。
 このヒカリの主がわかれば、オルタネイティヴ第6計画は成功するはずだわ」

彼女はうれしそうにそう言った。
ということは、人間くさく感じられたのは、当然なのだろうか。
私は、桜色の輝きを眼に焼き付けながら、このヒカリの主のことを考えた。
きっと強い人の意思を、このヒカリが反映している気がする。
強い人。強く、儚く。
つらい道でも自分の道を見失わないでわが道を進む人。
正直羨ましかったりする。
私は、小さい頃から党の命令に従ってきた。
党が神のようなものだ。
だから、自分の道を進むなんて考えもしなかった。
私も自分の道というのを進んでみたかった。いや、みたくなった。
ユウヤたちアルゴス試験小隊や暴風小隊と出会い、ナカジマ姉妹に出会い、この光だ。
自分もこういう人生を歩みたいと思ってしまうのだ。
どうしても。どんな人でもそうだと思う。
あのクリスカでさえ、今自分の道を探しているのだ。
私だって・・・何か別にできることがあると思う。
戦術機衛士ではなく、別の自分を。
ソ連に従う試験体ではなく、別の自分を、見てみたい。

「私が、探しに行きます」

だから、私は即座にそうい言ってしまった。



あとがき

ね・・・ねむい・・・ww
スポンサーサイト

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

*Trackback

トラックバックURL
http://tinatuinoue.blog37.fc2.com/tb.php/403-86dce5ea

左サイドMenu

プロフィール

ヒカリさん

Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
http://pr.fc2.com/hikarisan/
プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

~所有ゲーム~

DS
・わたしのリラックマ (積みゲー)
・シムシティDS2 (進行中?)
・おいでよ どうぶつの森 (進行中?)
・ポケットモンスターダイアモンド (殿堂入り完了)
・スーパーロボット大戦W(VSゲイツ戦フルメタルートまで)
・大合奏バンドブラザーズ (マスター攻略中)
・ポケモンレンジャーバトナージ (積みゲー)

PSP
・PATAPON!2 (積みゲー)
・初音ミク Project DIVA (ハード攻略中)
・初音ミク project DIVA2nd
・魔法少女リリカルなのはA's (クリア済み)
・魔法少女リリカルなのはA’sGod(クリア済み)
・モンスターハンターポータブル2ndG(積み)
・最後の約束の物語(セレス√攻略中)

GBA
・ポケットモンスタールビー (クリア済み)
・ポケットモンスターサファイア (クリア済み)
・ポケットモンスターエメラルド (クリア済み)
・ポケモンダンジョン 赤の救助隊 (積みゲー)

PC
メイプルストーリー (進行中)

好きな言葉はSylphid(シルフィード)、Sylph(シルフ)、Maeve(メイヴ)ASTRAY(アストレイ)

ついったー

最近の記事

最近のトラックバック

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

リラックマ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メイプルウォッチ

スカイガールズ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

バロメーター

QRコード

QR

当サイトについて

当サイトはヒカリさんが運営するサイトです。 本来は日記としてこのブログをつけていましたが、現在はクロスオーバーSSもあり。 コメントの嵐は迷うことなく消去させていただきます。 成りすましコメントや、スパムといったものも消去対象となりますのでご了承ください。 SSは作者や製作会社には一切関係ありません。

現在閲覧者数

同じくバグから復活させました、以前のバグは・・・?

現在の閲覧者数:

来訪者数

復活しました。以前のバグは何だったのだろう・・・

右サイドメニュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。