*+ASTRAY+*

食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

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魔法少女リリカルなのはASTRAY 03「契約」

新たにミッドチルダの田舎地区”シェルファニア”で活動を始めた特務捜査課第3課。
その目的は、極秘裏に吸血鬼を狩ること。
それだけのために、SSランクの魔導師まで引っ張ってきたほど、管理局はそれに全力であたるつもりらしい。
私も、その一人だけどね。

ある日、次元空港周辺で見つけた一人の少女。
その少女はとんでもない問題を抱えていたとは知らず、私たちは保護をした。
そこから、本格的に話が動き出してきた。


魔法少女りりかるなのはASTRAY 03「契約」始まります




私は医務室でぼけえっと空を見つめていた。
部隊挨拶その他があらかた終わり、私たちは丁度、一息ついている頃だ。
まったく、堅苦しい挨拶やらさっさと終わらせてくれればいいのに。
管理局のお偉い方その他のお話が、一人約20分と来たものだ。
暇だったから数えていたんだけど、数えなければよかったと私は思う。
とにかく、そんな儀式が終わった後で、仕事場で早速みんな仕事に取り掛かり始めていたり、休んでいたりする時間だ。
私は戦闘員で、今日は特に訓練が入っていないので、外の芝生の上でごろんとしようと思っていたんだけど、フェイト姉さんに見つかって”拾った子の面倒みて”といわれてしまい、こうしているのだ。
まあ、とりあえず”医務室の緑色の嵐”がまだ来ていないので、こうしてのんびりできている。
意外とこの医務室、広くて椅子その他の設備がよいためか、居心地がいい。
草の香りが混じった風がカーテンを躍らせて、その風に吹かれてゆれる少女の白い髪が綺麗だな。
リインとはまた違った美しさがあると私は思った。
私は抱えていたポテチの袋から一枚ポテトチップスを取り出し、口に放り込む。
本日のおやつは、一時期暮らしていた管理外世界のヒット作”からむーちょ”である。
程よい辛味が後を引いて、思わずペースが上がる・・・、という感じのものであるが、ぼけえっとした私の頭にはこの辛さは甘いと感じてしまう。


「・・・・ん」
「ん?」


小さな呻き声が聞こえて、私はベッドに眠る名も知らない少女を見やった。
彼女は布団に顔を埋めて、ちらっと様子を覗うように私を見つめた。
緑色の瞳が、怯えた子供そのままで、私の頬が緩む。


「・・・大丈夫だよ、安心して」
「・・・」


むしろかえって怯えてしまったらしい。
ベッドの端へ移動してしまった。
私はしかたがないとばかりにため息をついた。
抱えているからむーちょを差し出してみる。
すると、少女は驚いた顔で私の顔とからむーちょを交互に見やった。


「ほら、食べていいよ、おなかすいているでしょ?」
「・・・でも・・・」
「いいの、ちょっと辛いけど、それでも大丈夫でしょ?」
「ん・・・辛いの・・・好き・・・です」


お、しゃべってくれた。
案外素直でいい子かも。
それに変に警戒してくれてない。これなら大丈夫かな。


「ならよかった。だめなら部屋に行ってレパートリーから別のものとってきたんだけど」
「でも・・・いいん・・・ですか・・・?」
「問題ないわよ、遠慮なく食べて」


私は微笑んだ。
すると、少女はゆっくりと用心深くこちらに近づき、恐る恐るからむーちょを袋の中から取り出した。
すこし赤いそれをつかんで、口に運ぶ。
少女は私を見上げて、うれしそうに笑ってくれた。
硬い笑みではあるが、とりあえずは信頼してくれたかな?


「おいしい・・・です」
「そぅ、ならよかった。
 私はアルテア・テスタロッサ・ハラオウン、貴方は?」
「・・・フィオナ・オーメル・・・です」


少女――フィオナは相変わらずの固い笑みでそういった。
私は頷いてから、話を聞きだそうとさっさと質問を頭で考えた。


「空港の近くにフィオナちゃんは倒れていたの。
 なんでかわかる?よかったら教えてほしいな」
「・・・わかんない。気づいたら、この街に居た。わかるのは・・・名前だけ」


フィオナ・オーメル・・・かあ。
オーメルって家名は聞いたことがないな。あとでユーノ司書長に聞いてこようか。
激しく、八次に言葉を吐き出したフィオナは、悲しげな瞳で私を見上げてきた。
そっか、フィオナにとって、今のところ頼りになるのは私だけだと思っているんだね。
とりあえず、疾風に報告しなきゃ。


「そっか・・・。
 あ、それだけじゃ喉渇くわよね、取ってくるからここで待ってて」
「え・・・あ・・・はぃ・・・」


しょぼんとうつむくフィオナ。
この場に飲み物がないのは私が図ってやったことだけど、やっぱり気が引けるね。
私は申し訳ない気分になって――こういう仕事をやるときはいつもそう思っちゃうんだよ――フィオナの頭を撫でてあげた。
驚いた顔になったかと思ったら、うれしそうに笑ってくれて、よし、大丈夫だね。
私はフィオナにまたくると伝えて部屋を出た。




「・・・っ」


私は後ろへ吹っ飛んだ。
自分でもカッコ悪いと思うくらいに、無様な着地を取り、衝撃を殺せずにアスファルトの上を転がった。
体のあちこちが痛むが、大丈夫。
怪我はどこも軽いようだ。
すぐに立ち上がる。
花月の赤い花びらが私の周囲を踊る。


「デストロイ、ロード」
<ラジャー>


がこん、と薬莢型のカートリッジが排出される。
私はすぐに構える。


「ディバインバスターッ」


黒い閃光が赤い花びら舞うビルの谷間へ突っ込んだ。
花びらはそれに飲み込まれる。
片っ端からビルのガラスが割れ、壁が欠ける。
風が私の髪をむちゃくちゃにかき混ぜる。


<クーリング>


尽かさずデストロイは排気口を開けて換気。
本来このデストロイは”射撃用”であって”砲撃用”ではない。
そのため、負荷がかなりかかってしまうのだ。
デストロイの頭が冷め切っていないまま、私はすぐに路上を走り出した。
くそ、花月。どこへ行った?
私は走りながら誘導弾を連射。
照準はほとんど勘だ。


『こちら雪女。
 連絡です。増援はありません。また、約三十分後から月は雨雲に隠れると』
『何だってっ!?そりゃ無茶な』
『やるしかないわ。グーミリア、まだいけるわね?』
『もちろんです、目録1』


あまり時間はないようだ。
私は汗をこぶしで握る。
すでに騎士甲冑の袖は汗でぬれて、重たかった。


<きます、6時方向>
「んっ・・・!!」


私は振り向いて連射した。
くそ、数が多い。
私は立ち止まって再びディバインバスターを放った。
さっきから6時方向(後ろ)からくる花びらの数が多い。
花月は私の後ろにいるのか?
だとしたら最悪だ。
こちらかでは見えない。
相手を目視できないし、感じられない。
センサーにも引っかからない。今の状況では雪女の支援は期待できない。
私はつい歯噛みした。


<また6時方向>
「数が多すぎるッ!」


再び振り返ってみる。
またあの赤い花弁が舞ってくる。
しつこいな。
私は舌打ちしてから再び連射。
だが、ちっとも数が減ってくれない。
また立ち止まる。
バレルを展開。カートリッジロード。


「くそっ、出て来い・・・ッ!フラワー・ムーン(花月)めッ」


私は展開させたバレルに自分の魔力を込めながら、そう怒鳴った。
黒いヒカリがだんだん大きくなっていく。
黒いのに、周りの暗闇に溶け込むことはないその魔力光を見つめてから、周囲をあちこち見回した。
見回しても、何の変哲もない結界内部のビル街だった。


「ディバイン・・・・・・バスタアアアアッ!!」


私は苛立ちをぶつけるようにディバインバスターを発射。
すると特別威力が高かったのか、柱や壁を削る程度だったのに、ビルを”破壊”してしまった。
土煙を上げて、いくつかのビルが斜めに倒れて、崩れてゆく。
私は土煙の中にはまり、思わず咳き込んでしまう。
まったく、これが俗にいう”自業自得”ってやつなのか。
そう思いながら、誘導弾を高速移動させて土煙を払う。


「あら、呼んだから来てあげたのに。
 来てあげたのに・・・何かしら?その体たらくは」
「っ!?」
「何故驚いているのかしら?貴方、さっき私を呼んだじゃない」


崩れたビルの先端にいる女は、楽しそうにそう言った。
呼んだ?私が?吸血鬼を?何故?
私はふと、デストロイの銃口が震えていることに気がついた。
しかも、照準が右上にずれている。私が、怖気づいている?


「あらあら、気づいていないのね。
 しかも私を見て怖がってる。可愛いわ」


鈴のようにころころと笑う女。
膝の関節くらいにまで伸びているであろう金色の髪を風に躍らせている。
視力強化された私の眼は、彼女の真っ白な肌と、化け物のような金色の瞳、真っ赤な口紅ととがった歯まで映してくれた。


「まあ、呼んでくれたんだから”契約”してあげてもいいんだけど。
 ひとつ、間違いを訂正してあげる。私の名前は花月でもなく、ムーン・フラワーでもないわ。
 まあ、ムーンはあっているんだけれど。
 私の名前は、ムーン・ブーケ。そして、”固体名”は―――」


女の瞳がきっと異様な光を放ち始めた。
私は、とっさにいやな感覚を覚えて、その場から逃げようと思った。
だけど・・・動けなかった。体が、動かない。


「薊乃華炎斬(あざみのかえんざん)、よ」


私の意識は、もろくもそこで崩れた。
そして、当の私は、気づかなかった・・・。





「お待たせ、フィオナちゃん」


私はスナック菓子と飲み物数種類が乗った盆を片手に医務室に入った。
すると、窓際のベッドに一人佇んでいたフィオナが、うれしそうに飛び起きた。


「どれがいい?
 水もあるけど、カルピスとかオレンジジュースも持ってきたんだけど」
「えっと・・・フルーツオレで」
「あいよ」


私はベッド脇に腰掛けて、キャビネットの上に盆を載せ、コップを出してからフルーツオレの紙パックをつまみ出す。
これも件の管理外世界からの輸入品である。
ほかにも、ライフガードやらペプシコーラなどが盆の上に載っている。
私はコップにフルーツオレを注いで渡した。
すると、フィオナはうれしそうに受け取ってくれた。
私のコップにもフルーツオレを注ぎ、手に取る。
そうしている間にフィオナはコップに口をつけていて、笑顔を見せてくれた。
私は微笑んでそれに答えてから、コップを傾けた。
久しぶりに飲んだフルーツオレは、異常なほどに甘かった。


「おいしい?」
「はい、すごくおいしいです」
「そう、よかったわ。
 ほかに何かほしいものはあるかしら」
「んー、・・・・お友達です」


笑顔でフィオナはそう言った。
お友達、ね。きっと友達に飢えているんだね、昔の私と同じで。
私は軽く目を伏せる。
きっと碌な目にあってなかったのだろう。
あ・・・・っと、私はあわてて頭を振った。
彼女は同情なんて望んでいるわけじゃないんだ。


「そう。じゃあ、家族は?」
「かぞく?」
「・・・そう。
 家族っていうのはね、親友より強い絆で結ばれていて、いつでも、どんなときでも、どこにいても見守っていてくれる人たちのことだよ」


私はそういって教えてあげると、フィオナは少し考えるようなしぐさを見せた。
黙って彼女を見ていると、ふとフィオナは顔を上げた。


「じゃあ・・・アルテアさんも、私の、かぞく・・・?」
「ん・・・どうだろうね。少なくとも、私は今フィオナは自分の妹みたいに可愛がってあげてるんだけど」
「いもうと・・・じゃあ、アルテアさんは、私のかぞくっ!!」


フィオナはさらに明るい笑顔で、そう叫んだ。
たぶん、本人は叫んだという意識はない。近隣に居る皆様、いきなりごめんなさい。
ベッドの上に立ち上がってぴょこぴょこ跳ね回るフィオナを尻目に見ながら、そう思った。
どうやら、私が彼女の”姉”になったらしい。
テスタロッサ家として、ハラオウン家の子としては末っ子の私だが、ついに妹を得てしまったらしい。
子供――引き取った孤児たちのことだが――がいるので、どうかと思うけど・・・ま、いいか。
彼女はそれで満足みたいだし。姉もたぶん、せめて面倒は見てやれというだろうし。


「そっか。あはは」
「うんっ!私、”アル姉”のいもうとッ!」
「え?アル姉っ?」


私は苦笑を浮かべていると、フィオナはうれしそうにさらに言った。
え?アル姉だって?
その図式で言ったら、私はフェイト姉さんのことをフェイ姉と呼ばないといけないの?
いやいや、でも呼び方は人それぞれだもんね。


「うんっ!アル姉!」
「あはははぁ・・・・」
「あ、邪魔しちゃったかな・・・?」


私が空笑いしていると、扉から顔をのぞかせてフェイト姉さんが呟くよう言った。
すると、うれしがっていたフィオナが不思議そうに私とフェイト姉さんを見比べた。
もしかしたら、え、アル姉が二人?とかって思っているはずだ。
無理もない。私の母さんは、私をフェイト姉さんに似せて作ったんだから。


「・・・?」
「フィオナ、この人はね――「始めまして、フィオナちゃん、私はアルテアの姉のフェイト・T・ハラオウンって言います」」


フェイト姉さんは、優しい柔和な笑みを浮かべて、そう言った。
まるで聖母のような笑みだ。救いの笑みってやつかな。
フィオナは、可愛く首を傾げてみせる。


「アル姉の、お姉さん・・・?」
「そうだよ、フィオナちゃん」
「じゃあ、フェイトさんは、私の姉?」


そこで、フェイト姉さんの顔が一瞬引きつった。
そして、すぐに念話がきた。


『アルテア、どういうこと?』
(いや、なんかね、家族のこととかいろいろ教えたら、私のことを姉と認識しちゃって・・・)
『それで?』
(えっと・・・最終的にはこの始末)
『もぅ・・・しっかりしてよ、アルテア?』
(申し訳ありません、フェイト姉さん)


むすっと睨んでくるフェイト姉さん。
だが、仕事のときの睨み方じゃない。
”もう、しょうがないなあ”というような睨み方だ。
つまり、姉さんもあまり気にしては居ないということだろう。


「うん、そうだよ。だから、フィオナちゃんは私の妹だよ?」
「ほんとっ!?」
「うん、本当。私はアルテアとフィオナの姉」
「やったっ!私の、かぞく、できたっ」


フェイト姉さんが、ニコニコ笑いながらフィオナの頭を撫でた。
満足げな表情で、フィオナの柔らかそうな銀髪をかき混ぜていた。
フィオナは、うれしそうに両手両足をばたつかせていた。
正直、ああいう風に喜べるのは羨ましい。
子供の特権だもんね。しかも、私はそれを経験していないんだから。
いつしかじゃれ始めた二人を見ながら、ふと扉の開く音が聞こえた。


「あら~、誰か居るのかしら」


きたよ、緑色の嵐。
私は渋るフェイト姉さんを引っ張り、フィオナに適当な理由をつけてその場を後にした。
あとであの暴走した姿を見たくないし、かかわりたくないし。




「怪我人は管理局武装隊所属魔導士及び騎士4名。
 うち一人は意識不明・・・か」


私は先ほど解凍が完了したメールを読んでから、反復するようにそう呟いた。
怪我人名簿その他の詳細は別口で受け取る手はずになっている。
だから、私はどの部隊が吸血鬼と戦ったのか知らない。
知らない、というのもおかしいよね。
調査して戦うのが私たちの仕事のはずなのに、同じ組織内で起きた関連事項の情報がもらえないなんて。
私は通話モニタを開き、アドレスを入れた。
私がたびたび利用する”情報屋”のアドレスだ。


『ん?お、久しいね』
「ええ、お久しぶり、アリス」


モニタに映る情報屋、アリスティナス・ヘンディは前と変わらない姿だった。
片目をくいと上げて驚いた表情を見せている。
フードを取った後らしく、金色の髪の毛がぐちゃぐちゃになっていた。


「さっきまでどこかに?」
『ああ。ちょっと仕事でな。で、何か用か?
 仕事なら、値が張るぞ、今の時期はいろいろ忙しいのだ』
「話が早くて結構。御代は言い値を払ってあげるから、調べてほしいことがあるのよ」
『やっぱりか。まあ、君からの仕事は退屈しないからいいんだが。
 後払いでいいぞ、面白かったら大幅に値下げしてあげる』
「そう、取り敢えず前金はあげておくわ」
『太っ腹な金蔓だね、いつも君は』
「必要だから、払っているの。
 自分のお金でやってるんだから、管理局も文句は言えないわ」


私はパラティヌスを指でいじりながらそう言った。
足を組んで、髪を髪をかき上げる。


『そうかい。で、仕事内容は?』
「長期になるんだけど、いい?」
『かまわん。退屈しないなら』
「そう。じゃあ、お願いするわ。
 最近吸血鬼通り魔事件がおきているのはすでに?」
『すでに知っておる』
「私は今、旧友とその事件の調査をしているのよ。
 吸血鬼については私たちが優先調査することになっているのに、関連情報が2週間も待たないと来ないのよね」
『2週間も?そんなにたった情報はあまり使えんぞ?君らの場合』
「そうなのよね。
 で、長期になるんだけど、その吸血鬼についての情報を随時こちらに知らせてほしいの。
 渡す方法は・・・・いつもの場所で」
『お安い御用・・・と言いたいが、難しい面もあるな』


アリスはくすりと笑みを浮かべた。
彼女は厄介ごとであればあるほど笑う。
きっと退屈しないからだろう。


「そりゃあ、SS級機密ですから」
『つくづく厄介なお客だよ、まったく。
 できないわけでもないしな・・・いいだろう、受けてやる』
「ありがとう、じゃあ続きは例の方法で」
『ああ、では失礼』


すぐにウィンドウを消す。
とりあえず、これでいいかな。
アリスティナスにかかればどんなことでも知れてしまう。
知らなくていい情報まで知れてしまうのだ。


「さて、と」


続いて、”探偵”を雇うとするか。
フィオナ・オーメルについて知りたいことがいくつかあるから。
今度は別のアドレスを入力する。


『私です』
「レベッカ、元気してた?」
『ええ。お蔭様で』
「ならよかった。今空いてる?」
『ええ。あってもくだらない仕事ばかりだけど?』


ミッドチルダで主に活動する時空探偵、通称”時偵”の一人、レベッカ・ハイネリスは方眉をくいとあげて見せた。
これも話術のテクニックのひとつだ。眉毛や視線によってまた聞き手が受ける印象が変わるのだ。
まあ、そんなの中学校の教科書に載ってるけど。


「そう。じゃあ、ひとつお願いしたいの」
『何かしら』


レベッカの反応は疑問系ではなかった。
彼女も乗る気のようだ。


「フィオナ・オーメルていう子のことを調べてほしいのよ」
『フィオナ、オーメル?』
「そう。私は今、吸血鬼のあの事件を調べてるの。で、その子が保護されてきたんだけど・・・。
 念のためよ。お願いできる?」
『そう。いいわ。やってあげる。ギャラはいつもの口座に』
「わかった」


通話をきる。
とりあえず、私が凶悪事件のときにしばしば世話になるルートを確保できた。
これでおそらくどうにかやっていける。
ただ、同時に私たちはいろんな組織ににらまれることになるね。
無論、ばれれば、だけど。
まあそんなヘマ、するつもりなんて微塵もないんだけど。
私はモニタを全て閉じる。
ついでに、パスワードもデバイス”パラティヌス”から部屋の端末、窓の開閉端末にいたるまで全て強力なプロテクトとパスワードで保護する。
また、端末各類の外部接続をすべて閉鎖。
いささか厳重な処置だけど、もしかしたら必要になるかもしれないのでやっておいた。
全てを確認してからパラティヌスを首に下げて部屋を出た。


「あ、なの・・・じゃなくて、高町一等空尉、こんにちは」
「いいよ、なのはで。零奈ちゃんもこんにちは」


高町なのはがそう挨拶してきた。
ちらりと懐中時計を出して時間を見てみると、すでに正午を回っていた。
やってきた方向を見るにおそらく先ほどまで訓練をしていたのだろう。


「うん。あ、もうご飯の時間か」
「そうだよ、零奈ちゃん。時計見なかった?」
「見なかった。いろいろ資料がごちゃまんこで」


私たちはふふふと二人で笑い、一緒に食堂へ向かうことにした。
なのはと私は並んで歩き当たり障りない話をする。
そうして、それこれしているうちに食堂へたどり着いた。




丁度時計はお昼を回った。
私はうんと背伸びしてから、食堂に向かうことにして席を立つ。


<マスター、リンディ提督からメールです>
「?」


私は空間モニタを操作し、そのメールを開いた。
メールには簡潔にこう書かれていた。

ノワール・ハラオウンが任務中負傷。意識不明。

膝から力が抜けた。
無意識のうちに。
ぱたん、とその場に座り込んでしまった。
冷たい床が、私の沈んだ心をさらに沈ませた。
自分の体を反射的に確認すると、椅子に両手を置いた状態で、女の子すわりした状態だった。
しりもちはついたものの、怪我はないようだった。
だけど・・・


「・・・ノワール・・・」


目から熱いものが流れてきた。
私が、いけないのかな。
エリオやキャロと同じで戦場に出しても問題ないと思ってた。
それに、ノワールは自ら戦場に立つことを決めたんだ。
だから・・・大丈夫なんだと思ってた。
私だって、小学生のときから戦ってた。
出来損ないの私にできたんだから・・・ノワールにだってできる、そう思ってたんだ。
だけど・・・違ったんだね。
涙が止まらなかった。いつまでたっても。
いつの間にか、私は嗚咽を漏らして、自分でも驚くくらいに泣いていた。
ノワール・・・大丈夫、だよね?
お願い・・・無事で、いてよね?
じゃないと・・・私、私・・・どうしたらいいのかわからないんだ。






あっとがき


うおい。


吸血鬼きました。


ムーンさんは意外と書きやすい。


そうそう吸血鬼とフィオナにはとある関係がありますよ。
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Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
http://pr.fc2.com/hikarisan/
プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

~所有ゲーム~

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