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食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

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無限の創造計画記 01「はじめての」

大型輸送機の中は、ギクシャクとした雰囲気に包まれていた。
ある者は苛立ち気に腕を組んで、ある者は恐縮して窓に視線を投げつけ、ある者はねちねちと愚痴を絶え間無くその口から垂れ流している。誰から見ても、居たくない場所だった。
そんな輸送機のキャビンに座るイタリア軍所属少尉、チタニア・ルーボは内心でため息をついた。
まったく、何でこんな空気になったんだろう、と。
そろりと、隣に座る欧州連合軍の士官に目をむける。
ことの発端は、その士官の一言が始まりだった。
士官ことセシリア・オルコット少尉たちと合流し、いざ出発、というときに機が機体トラブルで離陸できない上に、国連軍の担当士官がまさかの遅刻というハプニングが発生、その場で待機命令が出されたのだ。
その時にオルコット少尉は「まぁ、なんて所なのかしら。機の整備がまともにできないなんて。おまけに遅刻? あり得ないわ、これが本当に国連の精鋭なのかしら。だとしたら、我が祖国より弱いのね」と発言。
すると日本帝国近衛軍の篠沢箒中尉が「騒ぐな少尉。担当の遅刻はともかく、機のトラブルはどうにもならぬからな」と窘める。
しかし、中華統一軍の鳳鈴音少尉が「へぇ、日帝はそんな悠長なこと言っていられる国なんだあ」と苛立ちを隠そうともせず、勝ち誇った目で篠沢中尉を睨む。
「しかし致し方がないな、少尉? 国連とて余裕があるわけではないのだ」
国連軍に所属しているラウラ・ボーデヴィッヒ中尉が煩わしそうに二人の少尉――鳳少尉とオルコット少尉――を見やる。キリリとした双眼が気だる気な視線を投げ掛ける。
「そ、そうだね。国連軍は今や各国からの寄せ集めだから」
セシリアと同じく欧州連合軍所属のシャルロット・デュノア中尉が苦笑いしながら会話に加わる。
「ふん、今は何処でも寄せ集めであろう。人的問題は今や国連軍だけの問題ではなくなっているのだ」
「しかしですねぇ中尉」
「何だ、鳳少尉」
篠沢中尉は黙目のまま答える。鳳少尉はその事にさらに苛立ちが増すのを感じた。
「まともな生産力もないくせに自国生産にこだわって次期主力機選定が難航している貴国が言えることなんですかねぇ」
瞬間、ピキリ、と青筋が立つ音が鳳少尉の耳に入った。篠沢中尉のこねかみに青筋が立った音だ。
「……なんだと少尉? 貴様、我らが大日本帝国を侮蔑するのか?」
「何よ、文句ある?」
鳳少尉は席から立ち上がろうと腰を浮かす。が、すぐに誰かの手が鳳少尉の腕をつかんだ。
「やめろ少尉。ここで喧嘩しても何も意味がない」
鳳少尉の腕をつかんだのは、ボーデヴィッヒ中尉だった。気だる気だった目は、キッとつり上がっている。
「中尉、ですが「オルコット少尉、貴様も頭を冷やせ。下手に侮蔑するなら、外交問題に発展しかねん」……っ、ああ、もうっ!」
凄みの効いた睨みがオルコット少尉に炸裂。少尉は言葉を遮られたのとボーデヴィッヒ中尉の冷静な注意に、唾を吐き捨てるような声を上げた。

――というエピソードもあり、機内は非常に険悪な雰囲気になっているのだった。
恐縮して窓に視線を投げるデュノア中尉を見やるチタニア。窓に映る彼女は、非常にやりにくそうな表情だった。きっと私自身もあんな顔しているのかも、とチタニアは内心で苦笑を漏らした。
次に、離れた席に座る男性二人を見やる。私たちに言葉をひとつも寄越さないということは、彼らは私たちと同じ部隊ではないのだろう。ただ、共通して言えるのは、向こうも向こうで何かやりずらそうな雰囲気が流れていることだ。
はやく着かないかなあ、ていうかまだなのかしらん。
今度は遅刻した担当士官、山田真耶大尉に目を向けてみる。彼女はいつまでもおろおろと周囲を見回していた。最上位階級なのに、正直言って、頼りなさそうだった。皮肉なことに、ぶかぶかな軍服がその印象をさらに強固なものにしている。
あちらを見ればイライラ、そちらを見ればいづらい沈黙。最悪だ。チタニアは思う。まるで弾薬なしの戦術機で突撃級の前に立っているような気分になる。精神衛生上よろしくない場所だ、と。
ええい。このチータの異名を持つ私が、こんなことで怖じ気づいてどうする、これから私は――。
軽くかぶりを振る。マイナスな事ばかり見ても仕方がない。
「国際開発、ねぇ」
チタニアはそっと呟いた。

*

「ふぅ、これで終わりぃ」
篠ノ之束博士は凝った肩を回す。隣にはちびちびと合成ドリンクを飲んでいる織斑千冬少佐の姿がある。
「どうにか間に合ったか」
「うん。ちーちゃんが手伝ってくれたから、どーにか終わったよ。後は本人が来てからだね」
「そうか。……それと、いつから私はちーちゃんになったのだ?」
「さあ?」
いつものやり取りをしながら、篠ノ之博士は手元のマグカップを手に取った。中には黒い液体が注がれている。珈琲だ。砂糖をたくさんいれた。頭の回転をはやくするために数時間前に淹れたやつ。すっかり温かった。
ちーちゃんに淹れて貰えば良かったかな、と自らの小さな失敗に反省しつつ、博士は合成珈琲を啜る。
啜っていると、「時に博士」と落ち着いた声が耳に入った。
「はい? どーしたの? なんかわかんないことあったら束さんは無条件で何でも教えたげるよ?」
「……やっぱり気がつかないか」
嬉々とした博士の態度に辟易しつつ、織斑少佐は部屋の隅のミニキッチンを指差し、言う。「今だ気がつかないか?」
「気づかないって……、何が?」
その行動に大袈裟に首をかしげて見せる博士。奇行が目立つ彼女にもわからないようだ。
「何がって……、博士、ご自分で飲まれた珈琲の事ですが」
「ふぇ?」
では、何故ミニキッチンを指差したのだろう? 博士はさらに首をかしげる。
「……はぁ。その珈琲の中身の事だ、博士」
「中身?」と、問い返す博士。意味がわからない、と眉を潜める。
「そうだ。お前は……失礼、博士は、その珈琲に入れられたものが砂糖だと、思ったのか?」
「そう、だけど……?」
訳がわからない。博士はそう思い、ならば、そのまま素直に答えよう、と考え、返答した。すると……。
「…………っっふふっ。ふはははっっ、ハハハハッ!」
“真面目な狼”とまで噂される織斑千冬少佐が、笑いだした。それも、思い切り。これには流石の篠ノ之束博士も慌てた。何て言ったって、織斑少佐がここまで笑ったのは1ヶ月半ぶりなのだから。
「え? ふぇ? ちょ、ちーちゃん?」
何度も、瞬きをしてみる。織斑少佐が笑っている。次に、自分の頬をつねってみる。織斑少佐は笑ったまま。
訳もわからず、博士はきょとんとそんな少佐を見つめた。天才の頭は、右往左往していた。
「ふはははっっ、ホントに気がつかないとは、ふふっ」
さぞかし可笑しそうに笑う少佐を前に、博士の困惑がさらに深まっていく。回りの状況などから様々なピースを手繰り寄せ、理論的に、幾つかの仮説を組み立てていく博士の頭脳。反射的にそれをやっているだけでも彼女の優秀さがよくわかるのだが……、如何せん、今回ばかりはそうはいかなかった。
「ふふふっ、あの珈琲には、重曹と塩が入っていたんだよ。偶然、砂糖がなくてな、代わりを探してたら、思い付いたまでだ」
なおも可笑しそうに笑う織斑少佐。その隣で博士は絶句した。重曹と塩だって? あれ、塩はともかく、この部屋に食用合成重曹は無かったような、って事は……。
「もしかして……掃除用の、重曹?」
「ほぅ。よくわかったな」
ようやく笑いを納めた少佐が、少々小馬鹿にしたような顔をして言う。そして、続ける。
「しかし面白かったぞ? 見かけからして変だとは思わなかったか?」
「うーん、変だなぁって思ったんだけど、大丈夫そうだから飲んじゃった。意外と美味しかったよ」
少佐の問いににかっと笑って答える博士。無邪気な姿だ。
「でも、……掃除用とか言わないでよぉ、これから先私重曹嫌いになるかもだよ」
「嫌いになれば良いだろう。博士の個人的な感情など私には関係無いからな」
「うぅ……、ちーちゃんが苛めた」
「苛めてないさ。ちなみに、重曹は黒かったぞ」
ニヤリとした笑み。博士の顔がひきつる。重曹はもう嫌だ。
そう思いながら、少佐がそっと差し出してきた書類を受け取った。

*

登場人物。


チタニア・ルーボ少尉
イタリア軍所属少尉。
チータの異名を持つ。
コールサインはアンフィニ04

織斑十春大尉
織斑少佐の妹。
アルゴス試験小隊所属。(篁中尉と共に日本側開発指揮官として所属)
コールサインはチェンジリング01。

ラウラ・ボーデヴィッヒ中尉
国連軍所属中尉。
オルタネイティヴ3の失敗作。故に弱いながらもプロジェクションとリーディング能力を持っている。「境界線の目」の被験者でもある。
コールサインはアンフィニ03。

篠沢箒中尉
日本帝国近衛軍所属中尉。近衛軍の白。近接戦闘が得意。
コールサインはアンフィニ05。
シャルロット・デュノア中尉
欧州連合軍所属中尉。
射撃や情報処理に長けている。フランス出身。
コールサインはアンフィニ06。

*


……つ、疲れたorz
車がガクンガクン揺れる。風こええwww
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苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
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高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

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イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
真耶か真那と言われたら真耶派。

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・わたしのリラックマ (積みゲー)
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・おいでよ どうぶつの森 (進行中?)
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・スーパーロボット大戦W(VSゲイツ戦フルメタルートまで)
・大合奏バンドブラザーズ (マスター攻略中)
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PSP
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