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食べることとか大好き高校生のブログ。ツイッターのせいで変更滞り気味。SSあります。

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リリカル・イグリプス ~クロニクルズ~ 2話

「んー、やっぱ苦手ぇ」
「里奈ちゃん、大丈夫?」
里奈ちゃんの盛大なタメ息。彼女の手元には大量の書類やテキストが広がっていた。
「肉体的にはね。心情的には無理ー」
「心情的にはっ、て……さっきやってたの普通に整備兵相手の講義でしょ?」
「フミカンはさ、ちょっとおかしいんだよ」
 合成栄養材をちびちび啜りながら里奈ちゃんがぼやく。“フミカン”という渾名はスルー。
「おかしくないよぉ。私だって、何で整備兵相手の講義まで衛士がやらなきゃいけないのかなぁ……って思うときあるよ?」
タメ息が漏れる。
里奈ちゃんはこのあとに続く講習について、私はそんな里奈ちゃんについてそれぞれタメ息を漏らしたのだ。
「衛士でも、機体が動く原理とか知らないと緊急時とか困るから座学で学ぶんだよ。機体操縦のプロが、実は間接や跳躍ユニットが弱点であることを知ってるのと知らないとでは戦術がまったく変わるでしょ?」
しかも私たちは教官を教える教官なのだから、と私は付け加える。すると里奈ちゃんが渋い顔を見せた。
「別に、間接弱いとかそーいうの、ちょと考えればわかると思うんだけどな……」
「それはそうだけど、その時の対処法とか予防策とか、簡単には思い付かないでしょ?」
すると里奈ちゃんは唸ってうつむいた。
「そろそろ時間だ、少尉」
と、そこで声がかかった。
宮本奈々少尉。私の相棒である。口調と裏腹に楽しそうな笑みを浮かべている。
「奈々ん、どーしたん?」
「いやあ、八重さんが斉藤少尉と吉本少尉から接収した合成鳥照り焼きもらっちゃってね、アハッ」
「ああ、束原のおばちゃんの照り焼きおいしいもんね」
「噂によると、横浜の京塚曹長と互角、らしいよ」
何故か食べ物の話題に入る。すると半分屍状態だった里奈ちゃんが真っ先に食いついた。食べ物にがめつい里奈ちゃんらしいなあ。
「横浜ぁ? なんか、シャクだわ」
「あれ、奈々んは横浜アレルギー?」
「んなわけっ……あるかも」
里奈ちゃんの嫌らしい笑みに真っ先に食いつく奈々。しかし、すぐに観念したように首を振った。
「ふーん。……失敗か」
あれッ!?
里奈ちゃんが舌打ち混じり?
またなにか企んでたの?
「せっかくツンツンした奈々んが見れると思ったのに」
「見なくていいのッ!」
「えー、ケチ」
「ケチじゃないのッ!」
ああ。里奈ちゃんはまた遊びたかっただけか。いつもの事ながら、ある意味よくない趣味だ。
「にしても、奈々が横浜アレルギーなんてはじめて聞いたんだけど?」
「ああ、うん。だってさ、新鋭機ぶんどったりしたらしいし。で、そこまでして結果が佐渡島消滅でしょ? G弾投下は回避できたけど、オルタネイティヴ5発動でアメサン逃走。ホントナイワー」
棒読みで自分の感想を付け加える奈々。
一族で新潟に代々暮らしていた家系ゆえに、辛いのかな。
「凄乃皇、だったかな。G弾20発分だっけ」
「たしかそんなもんだったらしいよね。まあ、甲21号作戦には直接参加してないからなー私。いやあ、よかったよかった」
「こら、不謹慎だ、宮藤少尉」
ごめんなさーい、とおどける里奈ちゃん。注意した奈々も半分ふざけ顔だ。
「ま、確かに死んでたかもね。どっかの武御雷ドライバーなら別だろうけど」
「えっ? ああ、もしかして、横谷大尉の妹さん?」
「そっ。同期なんだけど、あの暴走分隊長ったらやたら突っ込むくせに強いんだよ」
感慨深く語る里奈ちゃんを他所に、私は困惑した。
暴走分隊長……?
横谷大尉の、横谷中尉の妹さんが?
想像できないや。
「ん、と。フミカン、普通隊長のポジションはどこ?」
「え、迎撃後衛(ガン・インターセプター)じゃない?」
迎撃後衛とは、部隊中衛のポジションで、だいたい指揮官がこのポジションにつく。
だから、当然横谷大尉の妹さん――里奈ちゃんに言わせれば暴走分隊長――もそのポジションだろう。
だから里奈ちゃんの問いにこう返したのだが……。
「だいたい突撃前衛(ストーム・バンガード)だったね。後ろに行っても打撃支援(ラッシュ・ガード)装備でした」
…………。
何、その、あり得ない布陣は。
里奈ちゃんは続ける。
「私も突撃前衛だったんだけどさ、教官相手に短刀勝負なんてやらかしてて、あー私にゃ無理ーて思ったなぁ」
なんか、やっぱ兄妹だからかな、あり得そうって思っちゃうのは。
「打撃支援とかまたレアな……」
「大隊以下の編成だと殆どないよねー。てゆーかなぜ教官許可したんだみたいな」
「あー、わっかるーッ!」
私がおそらく半眼になって言ったであろうセリフに里奈ちゃんが頷き、奈々が続く。
すると。
「……呼びにいった貴様、なんで混じってるの?」
部隊一の美少女衛士、早乙女憐少尉が無駄に無表情無感情な声で、言った。



「うー、憐ちゃん怖い」
『よしもっちゃん……ついにフラレた?』
「なぜそっちにいくし」
順に、私、里奈ちゃん、奈々。
場所は基地の演習空域。
そこに、幾つかの巨人が腰部に接続された跳躍ユニットを使って静止していた。
改造した赤い不知火と、武御雷ダウングレード版たる雲燕、複座不知火と黄昏という見事にバラバラな編成。さらに、こちらにもう二機向かってくる。
赤の不知火とFー18Eだ。
『こちらレッドサンズ1、揃ってるか?』
『ふぁ……、まだだよ、遅刻一人……、来たら起こしてね』
中隊指揮官からの問いかけに、副官たる横谷香織中尉があくび混じりで応答した。そして、誰もが驚く早さで寝てしまった。レッドサンズ2、中隊副官機の不知火が自動的に自立制御モードに入る。
『ちなみに遅刻者は斉藤少尉ね』
里奈ちゃんが舌をだしながら言う。かく言う彼女の機体も自立制御モードだ。きっと遅刻者待ちなのにペダルを踏んでいるのもアホらしいからだろう。まあ、複座型火器管制専門の私には預かり知らぬことだけど。
『こちらレッドサンズ3、すみません、着座調整がまだなんです』
「あ、聞いていたのね」
『解放(オープン)でしたので』
『というか、何故に着座調整なんぞしてんのさ』
斉藤少尉が私の問いに答えたところで、里奈ちゃんがニヤリと笑みを浮かべる。また何か閃いたか。
『それは『ワシから言うわ』住持苑曹長?』
斉藤少尉が言いかけると、新たにウィンドウが立ち上がる。整備班班長だ。出てくるのが予想外だったらしく、斉藤少尉が少々驚いている。
『うちの若いのがやらかしおってな、元々斉藤の小僧の機体の調整が遅れてたんじゃ。責任とらせてやらかした若いのに斉藤の小僧の着座調整やらせてたんじゃが、手間取っててなぁ』
『ふぅん……、じゃあ今回の賭けはどうなってるんです?』
『ああ、変わらず横谷大尉が一位、二位に里奈嬢、三位が斉藤の小僧に変わり奈々姉貴と文香嬢様のようじゃが』
賭け、とは全世界の整備班の伝統行事だ。どんなに真面目な整備員でもこの賭けだけは参加する。不思議だ。で、里奈ちゃんはその賭けの事について聞いたのだ。ちなみに胴元はこの整備班班長だったりする。
『て……、私達が3番手ッ?』
「そのようね、で、大穴は?」
『香織嬢じゃ、これだけはかわらん』
当の横谷姉の睡眠をウィンドウ越しに確認する一同。彼女は自分が話のネタにあがっていることにも耳を貸さず、すやすやと寝息をたてていた。
『まあ、しょーないか』
『この部隊にはひんぬーがいないから燃え、じゃなくて萌えないらしい』
『ちょ、里奈、然り気無くある意味爆弾な発言するなし』
奈々が爆笑しながら言う。確かに納得できるけど、突っ込んであげようよ。
『えへへ、……で、さいとーくんはいつ準備できるん?』
『……もう少し。もう少し』
『斉藤少尉は屍のようです』
『ちょ、宮本少尉ッ!』
真っ赤になって否定する斉藤少尉をウィンドウ越しに見て爆笑する里奈ちゃんと奈々。どうやら、里奈ちゃんの悪癖が移ったようで。後で修正だね。うん、3秒で決定。我ながら呆気ない。
『……と、横谷大尉は考えていたようです』
と、そこでさらに追い討ち(?)をかける里奈ちゃん。攻め方が横浜基地所属だった宗像中尉に似てるのは全員でスルー。
『なぜそこで俺に話を振るんだ?』
ぼそっ、と疑問を口にする横谷大尉。
故にようやく大尉のウィンドウが網膜上にポップする。
『なんでぇって、そりゃまともに返してくれる人が他にいないんだもん、というのが理由なんですが、いけないですか?』
『いや』
『それとも何か、私たちのレクリエーションを否定するんですか?』
にやにやにや。と、とびきりの笑顔を浮かべる里奈ちゃん。
してやったり、と言いたげな顔である。
『だから、そういうつもりはない。むしろ俺はソレを推奨しているつもりなのだが――』
と、そこで戦域マップに動きが発生。
ゆっくりと巡航速度にて匍匐飛行中のようだ。
そしてしばらくもしないうちに目標を目視で視認。目標指示表示用のボックスが視界上に現れる。IFFは味方表示。表示名は“redsuns3”。
『と、よーやくか』
『お喋りはそこまでだ。レッドサンズ3、隊列に入れ』
『了解』
奈々の呟きを無視し、大尉が遅刻機に指示を出す。
『レッドサンズ2、起きろ。他のやつも機体を起こせ』
了解、の合唱とほぼ同時にレッドサンズ3が自立制御から離脱。
『ん~、……おはよぉ』
レッドサンズ2も遅れて復帰。出撃している6機全ての主機が唸り出す。
『では、本日もいつも通りの仕事だ。新旧改含めた異機種混成部隊の試験、いいな』
今回は6機と中隊の半分の規模だ。つまり中途半端。
その為3個分隊編成となるのが普通だが、今回の試験では1機かけるが2個小隊編成となる。
つまり第一小隊が前衛、第二小隊が後衛というオーソドックスな部隊編成となるのだ。
部隊編成内訳は、第一小隊に突撃前衛装備で宮藤里奈少尉、吉本和也少尉、そして小隊長機は強襲前衛(ストライク・バンガード)装備で横谷直登大尉。
第二小隊は強襲掃討(ガン・スイーパー)で斉藤祐樹少尉、制圧支援(ブラスト・ガード)として私こと片岡文香少尉と宮本奈々少尉、小隊長機に迎撃後衛(ガン・スイーパー)装備の横谷香織中尉だ。
試験とはいえ殆ど賭博試合なせいか、基本的に何故か分隊(エレメント)を組まない。もっとも小隊内で連携はきっちりやるが。
ちなみに基本陣形は鎚壱型(ハンマーヘッド1)に近い。
『各機JIVES起動だ』了解、という合唱が、主機の唸りをかきけすように轟いた。




久しぶりのリリカルイグリプスです。

今回は原作オルタネイティヴネタが入ってる……かな。


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Author:ヒカリさん
ヒカリさんです。
苦手なものはかぼちゃ、うめぼし、骨の多い魚他もろもろ・・・。
ワードとエクセル、ブラインドタッチが得意です。
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プロフこちら↑

高校一年生演劇部所属。
中学の時は吹奏楽部で、楽器はクラリネット(B♭)&バスクラリネット(B♭プラ菅)

マブラヴTEのクリスカマジイケメンwww
イーニァが可愛すぎww
タケミーはさらっと角なしが好き。角ありだと赤。
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・ポケモンレンジャーバトナージ (積みゲー)

PSP
・PATAPON!2 (積みゲー)
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